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ザ・レッドクルス  作者: あばたもえくぼ
74/80

第74話  シュシュの決断

ミステリーの構想を練っています。

第74話  シュシュの決断


 私は、一人ジャングルに入るシュシュを追いかけた。

こんな密林地帯でコンパスも地図も無しに、やみくもに走ったら、遭難するだけだろう。

それを心配して、私はシュシュの走るあとを追う。

地球軍の軍艦は、ジャングルの中で大破していた。

誰か生存者がいたとしても、助けられる状態ではなかった。

「シュシュ、諦めて!」

 私はシュシュの背中に言った。

「でも‥‥‥」

 シュシュは呆然となった。

そんな彼女を、私は引っ張って、戻ろうとする。

「先輩、助けられる命があったら、それを見過ごすのはナースとして失格ですよね?」

 そんなセリフがシュシュから出るとは思わなかった。

 彼女も立派にナースとしての使命をまっとうしようとしてたわけだ。

 でも今は、行動を起こす時ではない。

 それを分からせるためにも、私はシュシュを連れて帰らなければならなかった。

「シュシュ、あなたは立派よ。でも、戻りましょう。あなたは他の時でも必要だから」

「アイヴィー先輩‥‥‥」

 私とシュシュは、ジャングルを戻り出した。

 その時、敵の斥候が5人、こっちへ向かってるのが見えた。

「グラデュアル軍だわ。隠れなきゃ!」

 私はシュシュとしゃがんで、ジャングルに身を隠した。

 敵は落ちた軍艦の様子を見に来たらしい。

 手には自動光銃が握られていた。

 こっちは丸腰だ。

 武器があったとしても、戦えるとは思えなかった。

 こっちが見つかれば、敵に殺されるか捕虜になってしまう。

 それだけは避けなければいけない。

「シュシュ、奴らに見つかったら、どのみち殺されるわ。ジッとしてて」

「息は?」

「出来るだけしないで、静かにね」

「はい」

 私たちは息をひそめる。

 こんな状況は初めてだ。

 見つかることがあれば、潔く敵に殺されよう。

 そんな特攻精神が頭をよぎる。

 だがしかし、敵の斥候たちは、私たちには気付かずに、その場を去っていった。

 助かったようだ。

 私はシュシュの手を引くと、ジャングルを戻った。

 途中で道が分からなくなった。

「どうしよう。迷ったかも‥‥‥」

 私は辺りを見回す。

「先輩、竹藪の方です」

 シュシュが道を覚えていたらしい。

 私の手を引くと、広いところに出た。

 ここはテラフォーミングされた場所の端っこだった。

「ここをたどれば、野営しているところに出ます」

「なるほどね」

 私は感心した。

 シュシュは頼りになる。

 やっとテントが無数に張ってあるところに出た。

 しかしそこは、ナースの死体が死屍累々と続いていた。

 私たちは驚く。

 どうしてこんなことに?

 グラデュアル軍がやったのは間違いなかった。

 瀕死の重傷の人から、絶命したナースまでいた。

 倒れている中に、ゲイルさんの姿があった。

「ゲイルさん!」

 私たちで彼女を起こす。

「まぁ、あなたたち、無事だったのね?」

「何があったんです?」

「グラデュアル軍たちがやって来て、私たちを攻撃してきたの。音は聞こえなかった?」

「いいえ、まったく」

「そう。私はホムンクルスだから、撃たれても平気だったけど、他のナースたちは殺されてしまったわ。50人くらい犠牲になったわね」

「そんな!」

「でも、あなたたちが無事で本当に良かった。今はレッドクルス号に戻りましょう」

「は、はい」

 私とシュシュとゲイルさんは、着陸しているレッドクルス号に乗った。


 ナースたちはグッと減ってしまったわけだ。


 私はグラデュアル軍の残虐さに、胃が痛くなってきた。



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