第70話 木星からの出発~土星の衛星タイタンへ
ミステリーでやりたいことはやりました。
第70話 木星からの出発~土星の衛星タイタンへ
レッドクルス号を含む、地球の艦隊は、移動を開始した。
次の目的地は陥落したタイタンだった。
タイタン基地は、陥落後に軍事支援を受け、破壊された艦船をスクラップにして、そこの造船所でレストアされることになっていた。
艦隊が到着すると、グラデュアル軍の動向を知るべく、土星の状況を把握することになった。
破壊を免れた本営の建物で、作戦会議は始まった。
土星に下りるのが、次の前線だった。
土星はグラデュアル側がテラフォーミングした植民惑星なので、一応上陸は出来るようなのだが、その土地はほぼ、ジャングルになっているとのことだった。
ジャングルと言っても、熱帯雨林の一日中ドロドロした場所がほとんどで、戦略的に土星を地球側が落とすのは、最善なのか分からなかった。
土星を落とさずに、先を急ぐ案も出たが、敵が基地を造っているのなら、そこを攻撃するしかないと、押す人もいた。
土星とはまた、ややこしい惑星である。
そこには50000に上るグラデュアル軍がいるというのだけは、確かだった。
まだ50000もいるのか。
それはそれで、放っておくわけにもいかない。
土星に下りて、艦隊が爆撃して、地上戦で決着を付ける。
それが最善だろう。
こちらの戦力は70000以上だ。
援軍が到着すれば、数は一万を超える。
そうすれば、こちらが勝ったも同然だ。
数に訴えるのが、地球側のやり方だ。
それに敵の補給船を断てば、相手は物資不足で降伏をせざるを得ない。
そうしておけば、勝率もグンと上がるというものだ。
こちらの戦死者は出さないに越したことはない。
地球にいちいち戦死者の報告をするのも骨が降りるので、大体の戦死者の統計で、次の犠牲の具合が分かるのだ。
病院船もどれだけ負傷兵を収容できるか計算で、あらかじめ分かっている。
木星を落とすのに必要な兵士の数や、武器弾薬の数も分かっている。
計算上は、勝てる要素がほとんどだ。
この戦争には勝つ。
というか、勝てる。
ただ、犠牲は避けられないという話なのだ。
敵も訓練された兵を動員してくるので、慎重に作戦を練る必要がある。
情報と、作戦。
それに兵士の数。
それで戦果は決まるのだ。
土星の地を活かして、戦闘を行うためにも、軍の指揮の仕方も問われる。
敵のように、死をも恐れぬ攻撃などという理屈の通ってない戦い方だけは御免だ。
そもそも、相手はどうして降伏もせずに散るように突っ込んでくるのだろう?
グラデュアル星人の考えてることは、よく分からない。
分かっていれば、あれほどの苦戦はしないだろう。
敵のメンタル面も、分析が必要だった。
戦火が長引けば、こちらの死者数や負傷者数が増えるのは間違いない。
土星まで叩くことが出来れば、敵も降伏するのかもしれない。
そのためにも土星攻略はやむを得ないだろう。
ジャングルだろうが、熱帯雨林だろうが、雪国だった木星よりはマシなはずだ。
ここは一気に畳み掛けるのが最適だ。
それが土星にいるグラデュアル星人を掃討出来るのならば、容赦はしない。
ここで決着を付けるのだ。
戦争とは残酷なこともいとわない者が勝つのだ。
非情でも、それが勝利につながるのなら、やった方が良い。
それが地球軍のやり方なのだ。
まずは土星のグラデュアル軍基地を爆撃する。
歩兵部隊の上陸は、そのあとだ。
これまで通り、やり方は同じで良い。
定石どおりというヤツだ。
勝つのに同情はいらない。
勝てば官軍負ければ賊軍なのだ。
戦争を美化しない描き方も難しいですね。




