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ザ・レッドクルス  作者: あばたもえくぼ
58/80

第58話  第二次木星星域の宇宙戦

もうすぐ60話目ですね。我ながらよく書きました。

第58話  第二次木星星域の宇宙戦


 地球軍とグラデュアル軍の戦闘が、再び木星星域の宇宙で始まったのは、私たちナースがレッドクルス号に乗り込む前日のことであった。

また敵はやって来たのだ。

今度は有人戦闘機の大群、およそ1500機がアマルテアに飛来してきたのだ。

対空砲火を出来るように、基地を整備していたのも正解だった。

それにこちらは無人戦闘機ロブスターRが700機ある。敵機の半分にも満たないが、性能だけは良い。

何より無人で飛ぶため、戦闘機に死者は出ない。

戦闘はすぐに始まった。

グラデュアル軍の有人戦闘機が、一斉に攻撃してくる。

爆発音が響いた。

宇宙空間で爆発音や火を噴く敵機があるというのも不思議であったが、この時代の宇宙はそうなんだろうと、納得してしまった。

まるで映画で観るような、妙な宇宙だった。

しかし、今はこれが現実なのである。

まぁいいか、それは。

私たちはまたしても、アマルテア基地に残った。

レッドクルス号は木星へは出発せず、基地に残り、グラデュアル軍と戦った。

戦闘は五分五分だった。

しかし戦いは、熾烈を極めた。

敵の戦闘機も腕を上げたのか、地球軍のロブスターRと互角に戦う敵戦闘機バルト4。

レーザー機銃の性能も上がっている。

これでは完全には撃ち落とせない。

今度は殺し合いになった。

基地の対空砲も、撃てる限りの攻撃をする。

それでも、振り切る敵の戦闘機も多々あった。

前回までのような戦いにはならなかった。

グラデュアル軍も実は、これが総攻撃なのではと思わせるほどの火力を集めていた。

それにしても、グラデュアル軍は国力が全部、植民惑星の維持に持っていかれているのか、それほど大規模な戦闘はしてこなかった。

敵の戦闘機も、暴れるだけ暴れると、すぐに去っていった。

この戦いは何だったのだろう?

攻めてくるだけ攻めて、すぐに退却するグラデュアル軍機。

宇宙戦は、またしても地球側の勝利となった。

帰りの燃料を心配してのことだったのか?

最後まで戦う有人戦闘機ではなかった。

いい勝負であったと思ったのだが、私は相手の戦力を見誤っていたのか。

私の意見を言えば、グラデュアル軍は相当な苦労をして、ここまでやって来たのではと思う。

それは何となく、皆も気づいていた。

第二次木星星域の宇宙戦は、今度も地球側の勝利となった。

戦いは面白いように、地球軍に有利だった。

これでは、木星も簡単に落とせるのではという期待に胸を膨らませた。

敵を安く見るのではないが、こう安々と勝利すると、そういう方向に気が向いてしまう。

私たちは、勝利を感じながら、木星へ下りる準備を整える。

戦火が無いと、地味にホッとするようだった。

これに慣れてはいけないのだが、私たちはいつしか、戦争を忘れるようになっていった。

これから激闘になるというのに、私たちは気が緩んでいる。

本物の戦争を、あの死屍累々だった火星での出来事を、私たちは忘れてしまったようだ。

スーパーコロニー00での休暇の時には、いつまた戦いに出なければと、気が緩まないでいたのが、懐かしい。

長い休暇と全戦全勝だったこの戦いのせいで、私たちの油断が生じたのだと思う。

気の緩みが、最大の敵なのだ。

私は木星に下りる前に、気を引き締めた。

油断大敵とはこういう時のことだ。

戦争中だということを忘れてはならない。

常在戦場と言ったシュシュを褒めてやりたい。

実際、今大事なことであるのは承知していた。

それを再び感じながら、前線に戻る意味を考えつつ、私は自分が一介の従軍ナースであることを自覚した。

明日には木星に行くのだから、準備だけは怠らないように努める私だった。



まだ続きます。

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