第55話 タイタン陥落
昨日はたくさんコーヒーを飲んだので、目が冴えました。
第55話 タイタン陥落
土星の衛星であるタイタンの地球軍基地。
そこでは複数のグラデュアル軍の軍艦が押し寄せてきて、戦いになっているそうだ。
この戦争が始まった時からのことである。
タイタン基地は、規模が大きく、グラデュアル軍も苦戦を強いられてきたはずだが、それも孤立した地球軍基地の物資が滞ると、形勢は逆転したようだった。
グラデュアル軍は事前に警告していたらしい。
基地ごと引き渡さないと、攻撃をやめないと。
それを数回にわたって拒否したがために、タイタンはグラデュアル軍の艦隊の総攻撃を受け、長い戦いの末、完全に陥落させられたとのことである。
戦争は不条理だ。
タイタンはグラデュアル軍も、見逃していた基地だったが、火星が地球軍によって落ちたのを知り、急きょ総攻撃をかけたらしいのだ。
それが伝わったのは、タイタン陥落の二日後のことだった。
地球にも伝わっているのだろう。
戦場の惨たらしさは、報道の中で伝えられたが、そのニュースを知った人たちのショックは計り知れないものがあった。
過激な映像も、今は報道される。
ショックにより、心的ストレス障害を患う人たちもいたようだ。
それでも報道は、逐一伝えられる。
それが過剰な報道の自由であるからだ。
戦時中だから、報道が操作されている可能性を疑う者もいたが、この時代に国民感情が戦争に向いていることは大事なことなのだ。
こんなひどいことをする宇宙人は、一人残らず皆殺しにしようという感情が、戦争を勝利へと導くのが、今の報道界の現状なのである。
要は、本来なら〝罪を憎んで人を憎まず″という教えを、人を憎ませる方に偏らせる報道が、視聴率も稼げれるし、より国民を戦争へと、気を向かせて、軍事的に煽ることも可能にしているのだ。
それに気付かない国民、いや地球人は、今も昔も成長してない証拠なのだ。
戦争はまだまだ続く。
以前は半年くらいで戦争終結という話だったが、実際は火星を落とすまでに半年以上かかっている。
それを考えると、この戦争はまだまだ終わりを見せなかった。
グラデュアル軍など、すぐに落とせるという常識は終わった。
彼らは撤退するまで攻めてくる。
降参や降伏などという言葉は、彼らの辞書には無いのである。
それがヴォルダー・グラデュアル総統の戦争の基準だ。
言い忘れていたが、ヴォルダー・グラデュアル総統というのは、惑星グラデュアルを統括する最高権力者であり、グラデュアル星人の政府のトップなのだ。
副総統のランブリング・ローズが、軍部のトップで、総統をそそのかして、アマルテア基地を奇襲攻撃させたという情報もある。
それでも、ヴォルダー・グラデュアル総統が責任者なのだ。
この戦争を始めたのが誰なのかは、本当は知らない。
私たちの方が間違っているという報告もある。
しかし、それでは戦争を続けることも、勝つことも出来ない。
だから、皆は自分たちの正義の鉄槌のもとに、グラデュアル星人と戦うのだ。
タイタンが陥落したのも、アマルテア基地が奇襲攻撃されたのも事実と知っているし、その報復のために戦っているのである。
真実など、勝ってから探れば良いのだ。
戦争中は、そういうことは考えないものだ。
次から次へと戦場が続く限り、私たちは地球の代表として、戦地へ赴く決意なのだ。
そうしないと戦争なんて、やってられない。
これは自分たちの尊厳を賭けた戦いなのだ。
地球人であるがため、私たちの戦いは終わるまで続けるのだ。
どんな兵器を用いても、どんな作戦を考えても、こちらの有利な戦いを貫徹するのが、私たちのやり方なのだ。
それが宇宙でもどこでも、戦争と呼べるものなのだから。
読者の皆様には感謝しかありません!!




