第50話 ナースの出番?
「インデペンデンス・デイ」ノーカット版、テレビで観ました。
第50話 ナースの出番?
まだスーパーコロニー00にいる時、私とシュシュとゲイルさんの三人で、街を歩いていた。
その時、目の前で信号が赤なのに突っ込んできた車に轢かれて、女の子が跳ね飛ばされた。
私もシュシュも、その光景を目の当たりにして、少しの間だが、動けなくなっていた。
それでもすぐにゲイルさんが、対応した。
轢かれた女の子は10歳前後。
脈あり。
呼吸もしている。
意識は無い。
体を強く打っている。
ゲイルさんは、すぐに救急車を手配した。
そして治癒能力で、かなりぶつけた箇所に手を当てた。
青白い光が手から出る。
救急車が来るまで、治癒能力を使い続けた。
やっと救急車が来ると、すぐに女の子を抱えて、担架に乗せる。
「私はレッドクルス号のナースです。同行します」
救急隊員たち二人は、それを聞いて、ゲイルさんを一緒に乗せた。
「あなたたちは事故の詳細を警察に報告して!」
そのままゲイルさんは、行ってしまう。
私とシュシュは、言われた通りにした。
その後、病院へ行くと、緊急救命室からゲイルさんが出てくるのが分かった。
「ゲイルさん!」
「アイヴィーさん。シュシュさん。もうあの子は大丈夫よ」
ゲイルさんの素早い対応が、功を成したのだと思った。
「ゲイルさん、あんなに動けるんですね」
私は感心した。
「そりゃあ私は、ずっと昔からナースとして生きてきたんだし、年季が違うのよ」
「そうなんですか。すごいです」
「アラ、私のこと、ひょっとして見くびっていた?」
意地悪なことを訊いてくるが、ゲイルさんの目は笑っていた。
「さすがですよ、ゲイルさん」
シュシュも言う。
「そうね。私は普通の人間よりもずっと長く生きてるんだし、それだけ場数の踏んでるわ。それでも人の痛みって分からないのよ」
「え?」
私は驚いた。
「ホムンクルスは、他の人間より頑丈で、痛覚も無いから、痛みや苦しみを感じないの。それが私。実際は血を流す痛みや病気の苦しみも知らない。それってどうなのって、自分でも思うわ」
「そうなんですか‥‥‥」
「ええ。それだけは、私の悩み。まぁ、一生ついて回ることだけど」
「そうだったんですね」
「私がホムンクルスだからね」
「でも、ゲイルさんは人一倍、人間のことを分かってると思います。それって、人間より人間らしいと思いますよ?」
「そう言っていただけると、安心する」
「私はゲイルさんのこと、尊敬してますよ」
「ありがと」
その後、女の子の親御さんが来るまで待ってから、私たちは病院をあとにした。
学ぶべきことはたくさんある。
それでも、実際の現場で動くことも大事なのだ。
それに関しては、私もシュシュも、まだ追いついてはいないのだと感じた。
まだまだだなぁ。
私たちはホテルに戻ると、各部屋に入っていった。
私の人生、シュシュの人生、それにホムンクルスであるゲイルさんの人生。
それらは皆、違うものだが、私たちの目指すところは同じなのかもしれない。
それが分かっただけでも良しとしよう。
今日が不甲斐ないなら、明日はその一歩を歩いて、前へ進もう。
それが従軍ナースであり、私の人生なのだから。
私は夕食の時間まで、ベッドで横になっていたが、自分のナースとしての血が、激しく流れているのを過敏に感じていた。
私もゲイルさんのようなナースになれれば良いのにと思いながら。
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