第5話 マリアとのメール
「名探偵コナン ゼロの執行人」をDVDで鑑賞中。
第5話 マリアとのメール
主にレーションの類の簡素な夕食の後、バタバタと短時間で入浴も終えた頃に、私たちは部屋で休むこととなるのだった。
これでも生活環境は良い方だった。
食事もベッドもあるのだから。
戦時中の従軍の最中でも、家族との連絡は許可されている。
夜の自由時間だけだけど、看護師に与えられた部屋で、この月に来て私は初めて、腕時計型のミニメールで、妹のマリアと連絡を取った。
自分のIDと、妹のアカウント履歴をポンと打ち込んだ。
映像がピョンと浮き上がって、妹の姿になった。
向こうでも私の映像が浮き上がってるでしょう。
立体ホログラムというヤツだ。
「マリア、起きてる?」
「お姉ちゃん、こっちは今、夜よ」
「寝る前?」
「うん。そっちは?」
「窓から地球が見えるわ。こっちも就寝前よ」
「そう。おじいちゃんもおばあちゃんももう寝てるわ」
マリアは不安げに私を見ていた。
「お姉ちゃん、私は毎日教会に行って、お祈りしてるわ。お姉ちゃんが無事でいますようにって」
「フフ…ありがと!」
「まだ月にいるんだね。こっちからも月が見えるわ」
「月の基地は月の裏側だけどね」
「そうなんだ」
「うん」
何だか会話が続かないなぁ。
私たちは仲が良い姉妹だったと思ったけど。
「お姉ちゃん」
「ん?」
「必ず帰って来てね」
その言葉を聞いて、宣誓で言ったことを思い出す。
帰ってくるのが本当の理想だけれど‥‥‥でも。
「今は戦時中だから、帰ってくるとは言えないの」
「そう、なんだ‥‥‥」
「軍ってのはそういうところなの。これも録音されてるわ。映像もね」
「映像も?」
「手話とかで内緒話出来ないようにね」
「ああ!」
そういう手があったのかと言うような声が、マリアの口から出てしまう。
「マリア、寂しい思いをさせてごめんね。私は仕事をまっとうさせてくるからね」
「うん、気をつけて」
「ありがと!」
「じゃあ、お休みなさい」
「お休み、マリア」
私は接続を切った。
マリアの姿はブンと消えた。
向こうでも私の映像は消えただろう。
戦争に従軍するとは、こういうことなのだ。
生きて戻れるのかも定かでは無いのだ。
過去に起きた様々な戦争でも、こういうことはあったのだ。
私もそういう時代を生きているのだろう。
今は地球がグラデュアル星人と戦争をしている。
それだけでこんな争いに駆り出されているのだ。
戦わなければ地球は、異星人に占領されてしまう。
そのために、この戦争にたくさんの人を送り込んでいるのだ。
マリアを、人類を守るために、私たちは従軍している。
そう考えれば、ちゃんとした従軍の意味が分かる。
そういうものだ。
きっと‥‥‥、そう。
きっと!
「名探偵コナン」の映画、面白い!!




