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ザ・レッドクルス  作者: あばたもえくぼ
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第47話  シュシュの弟

ご感想やレビューもお待ちしております!!

第47話  シュシュの弟


 シュシュはキョロキョロと、街の中を探索していって、私はそれについていった。

「アイヴィー先輩、ありました!おもちゃ屋です」

 私は看板を見上げた。

 トイ・ストアと書かれている。

「どうしておもちゃ屋なの?」

 店に入る前に、私はシュシュに訊いた。

「弟にゲームを買って、送ってあげようかと」

「ああ、なるほどね」

 私は理解した。

しかし、店に入ると子供向けのちゃちな物がたくさんあるなと思った。

地球のおもちゃの方が、はるかにデザインやクオリティーが高いし、値段も手ごろだった。

お金でも送って、自分でゲーム買いに行きなさいって言った方が、良いのではと思ったが、そういうのは言わないでおこう。

シュシュは旧式なゲームばかりが並ぶ棚を見て、品揃えの悪さに気が付いた。

「これは、200年くらいに流行ったゲームですね」

 

 あ、なんかガッカリしている。

 シュシュの当ては外れたようだ。


「ゲームならゲームショップに行った方が良いんじゃない?」

 私のアドバイス。

 浅知恵だけど‥‥‥。

「先輩、このコロニーにはゲーム売っている店はここしか無いんですよ。端末で調べたから、分かるんです」

「いつの間に端末で調べたの?」

「このスーパーコロニー00に来てからですよ」

 シュシュは残念な顔で、店を出る。


 私を置いていかないでよ。


 私も店を出た。

VRや、古いゲームなどを扱う店は、逆に貴重なのでは?

まぁ、レア物を送ってあげても喜ばないかもしれないが。


 戦争中に地味に休暇を消化するのも、楽ではない。

しかし、いずれはまた、召集が掛かって、戦場へと戻されるのだ。

それがいつになるのか、今は分からなかった。

いつでも前線に戻れるように、気だけは張り詰めている。

それが従軍ナースというものなのだ。

シュシュにも分かっているはずだ。

この休暇も含めて戦争なのだと。


 このあと、シュシュと一緒にカフェに入ると、ランチを済ませた。

都市は広い。

でも地球の都市よりは小さかった。

このコロニーは大きくて、それでいて案外と狭いようだ。

話では、このコロニーにも人工の天気があるらしい。

それは火星と同じだった。


「そろそろ帰ろうか?」

 私はデザートのプディングを食べながら、シュシュに言った。

「そうですね。行きましょう」


 結局、シュシュは弟に送る物は、すべて諦めてしまったようだ。

都市を出る鉄道に乗ると、レッドクルス号が停泊している軍港へと向かった。

夕暮れが街を照らしていた。


 戦争の臭いだけは、いつまでも鼻についていた。


 それはいつでも変わらないのだった。



読者の皆様には感謝しかありません!!

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