第43話 マーザーたちの解放
戦争物は書いててしんどいですね。でも書きます。
第43話 マーザーたちの解放
グラデュアル軍は、完全に撤退したと思われたが、違っていた。
最後の守備隊の残党が、なけなしの武装で突撃を敢行してきたらしい。
そのほとんどは、レジスタンスで戦いに参戦していた、オメガとそのチームに向かって来たというのだ。
レジスタンスたちは最後まで戦い、突撃してくるグラデュアル軍の残党たちを、掃討した。
それでも、敵が襲ってきたのはいきなりだったために、レジスタンスの兵たちも、戦死者がたくさん出たのだ。
そして、グラデュアル軍の部隊は、完全に火星から撤退したらしい。
その情報のあと、私たちはレジスタンスの負傷者たちを助けに、レッドクルス号を発進させて、最後の前線へと向かう。
「前線が見えてきた!レジスタンスのオメガの部隊ですよ、アイヴィー先輩!」
レッドクルス号の窓から外を見るシュシュ。
この子は、あんな戦場の地獄を見たはずなのに、元気だ。
気が滅入ったり、悪夢を見たりはしないのだろうか?
私はというと、かなりの精神的なダメージを負って、前線の死体の山を見るのに気が滅入ってしまっている。
休暇が欲しいくらいだ。
シュシュのような、図太い神経で、仕事に専念したい。
だいたい、私も含め、ナースたちも皆、24時間ひっきりなしに気を張っているのだ。
やることは、祈って仕事をして、寝ること。
その繰り返しだった。
それでもまだ火星なのだ。
私は戦争が終わるまで自分が持つか、心配していた。
こういうのは、まだまだ続くだろう。
私だってこんな、知らない土地で死にたくはない。
でもそれは、前線で戦った人たちの前では言えないことだった。
自分がまず助からなければ、助けに行けないのだ。
それが戦場の現実だったから。
レジスタンスの最後の前線に到着すると、後方ハッチが開けられる。
負傷したレジスタンスたちを見つけると、すぐに助けに向かう。
彼らは正規の軍ではないので、パワードスーツは着ていない。
ただ、自動光銃だけを装備しているだけだった。
それでも負傷者は少ない方だった。
倒れているグラデュアル軍の守備隊の残党の死体の方が、はるかに多かった。
その数は1000人以上だったと思う。
話によれば、敵は武器も満足に持たずに突っ込んできたそうだ。
レジスタンスは自動光銃で、それを皆殺しにしたそうだ。
全滅させるのに2時間はかかったらしい。
「これでグラデュアル軍は、完全に撤退したようだぜオイ!」
笑いながら言うレジスタンスのリーダーのオメガ。
「奴らに降伏の二文字は無い。最後は突貫するだけらしい。そんなんで攻撃されても、こっちにはまだ武装がしっかりしてる。無駄な攻撃だと分からないのかねぇ?」
どうやら、ヒャッハーというノリで、グラデュアル軍の守備隊を全滅に追い込んだらしい。
でも、敵もどうかしてる。
転進して、武装を強化しに戻ってから、再び攻撃すればよかったのに。
グラデュアル軍はよく分からない。
「俺たちは勝ったんだ。グラデュアル軍を完全撤退させた。もう火星は俺たちの物だ。いや、もともとは俺たちの領地だったんだ。それを取り返したんだ。地球軍も参戦してくれたおかげで、火星のマーザーたちには、平和が訪れたってワケだ。感謝してもしきれないぜ!」
これから火星を復興させるのだろう。
レジスタンスたちも勝ったのだ。
彼らは復興の拠点として、市街地ノアへ行くのだろう。
火星での戦いは終わった。
あとは負傷者を、ノアの医療施設へ連れて行って、助けるだけだ。
オメガはレッドクルス号に乗りたがっていた。
次の目的地は木星だ。
そこのグラデュアル軍と戦うことになる。
それに参戦する気だった。
志願者は受け入れるのが基本だった。
兵は一人でも多い方が良い。
それ以外は火星の復興に尽力するのだろう。
火星が地球の手に戻って、素直に嬉しかった。
読者の皆様には感謝しかありません!!




