第34話 長い雨
先が読みたい人のために、更新を早めます。
第34話 長い雨
火星に雨が降るとは不思議だ。
テラフォーミングはそこまで進んでいるのか。
人工的に作り出した天候は、いつしか自然のものとなってしまったようだ。
もはや、人類が制御できないようになってしまっている。
自然の猛威はすごい。
一日中大雨が降るのが、四日続いた。
土砂降りの雨だ。
その間に敵が攻めてくることは無かった。
油断は出来ないので、グラデュアル軍が統治している東側へ、砲台やミサイルは向けてある。
雨雲の上から爆撃してくることだってあるかもしれない。
空襲にも私たちは備えた。
それにしても、戦いはまだ終わらない。
でも今、治療中の患者は皆、回復に向かってるのだから、雨が降るのは良いことかもしれない。
火星で雨とは想像してなかったのが、私の無知なところだけど。
それにしても、こう大雨が続くと、気が滅入ってしまう。
戦火よりはマシだが。
訊くところによると、グラデュアル軍は徐々に後退しているらしい。
こちらにも、地球から新しく編成された、地球軍が組織され、攻撃準備中だということだったので、それによって戦況は変わるだろう。
地球にはまだ、攻撃がされてないので、世界中の工場で兵器が作られ、多くの戦争志願者が動員されているみたいだ。
戦争など早く終わって欲しいが、敵が攻撃してくる以上は、戦わなくてはならない。
雨がやめば、またすぐに戦争再開だろう。
レジスタンスの人たちもいることだし、これからのグラデュアル軍は大変だろうな。
グラデュアル星人を見たのは、この前が初めてだったが、肌の色が違うだけで、あとはほとんど地球人と変わらない。
肌の色も褐色系で、赤みが掛かっているだけだった。
連中の目的は、太陽系の制圧なのだろうか?
だとしたら、火星を落として次は地球、そして金星や水星まで取るのだろう。
地球側も金星はテラフォーミングしたので、植民惑星の一つにはなっているのだ。
残った水星は手付かずだが、いずれ地球の植民惑星にはなるだろうな。
それもまだ、もっとずっと先の話。
今は、グラデュアル星人を掃討するのが先決だ。
そのためには地球軍に頑張ってもらわないと。
負傷兵たちの看護は任せてもらいたい。
そのために私たちはここにいるのだから。
私は長雨の降る基地の外に、薄着で出てみた。
すぐに私は、ずぶ濡れの濡れネズミになった。
でも気持ちが良かった。
すぐに基地の中へ戻ったが、濡れたまま部屋へ戻ると、シャワー室にある乾燥機の前に立ち、すぐに体を乾かす。
私はこの長い雨でおかしくなったのだろうか?
それも恥ずかしいが、あとどのくらい雨が降るのか分からなかった。
自然が私を狂わせているような気持ちになった。
戦場でもないのに、私の心はざわついている。
次の前線が待ちきれない。
今はとにかく、刺激が無いのだ。
一日中筋トレや、ランニング、あとはナースとしてのバイタルチェックなどをこなすだけで、他のナースたちも気が滅入っているようだった。
こんなのが続けば、兵士たちだけでなく、ナースたちもどんよりとなってしまう。
さすがに精神力の限界が迫っているように感じた。
敵であるグラデュアル星人も、それは同じなのではないだろうか?
戦場でなくても、神経はすり減っていくものなのだ。
私は考えるよりも、体を動かして、発散させるように努めた。
読者の皆様には感謝しかありません!!




