第31話 レジスタンスを救え!
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第31話 レジスタンスを救え!
前線で戦ったのは、地球軍兵士たちだけではなかった。
地球軍が交戦したところから、北へ行ったところで、もともと火星に住んでいた、火星生まれの男たちが、グラデュアル星人との戦いを続けていた。
彼らは火星をテラフォーミングした、数百年前の人々の子孫である。
火星を愛し、火星で生活していた人類なのだ。
その人々も、火星の土地をめぐり、争いを経て、生き残った種族でもある。
かつて地球では、火星人という虚構の中の宇宙人を想像していたが、彼らが火星に住み始めてからは、マーザーという名の民族名を付けたのである。
マーザーたちは、火星に都市を作り、軍隊も作り、そこで主に生活していたが、やって来たグラデュアル星人たちに攻撃され、都市機能はマヒした。
男たちは軍に入り、装備を整えて、グラデュアル星人と戦っている。
それが今も続いているのだ。
彼らは自動光銃で武装するのが常だった。
それ以外に武装する武器が無かったのが、大きな理由だったのだが。
火星でグラデュアル軍と戦っていたレジスタンスたちは、私たちのいるグルーヴァー基地へとやって来た。
サンジェルマン艦長が彼らに対応した。
相手は500人はいるレジスタンスたちだった。
「俺はレッドクルス号の艦長、ミルコ・サンジェルマンだ。レジスタンスの諸君、久しぶりだな、オメガ!」
それを聞いたレジスタンスのリーダー、オメガ・ワールトは、ガッツポーズを取った。
「まさか、あんたらが援軍を寄こしてくれるとはな。ありがたいぜ、ミルコ。昇進したんだな?オイ」
オメガはニッコリと笑った。
「だがよ、戦ってるのは俺たちだけじゃねぇよ。皆、火星じゅうに散らばって戦ってる。敵はかなりの勢力だが、使っている武器がダセェ。奴ら、メカニックがヘボだぜ」
「そうか」
「グラデュアル軍、恐れるに足らずだぜ。補給船が到着しないのが原因なのかな?それに関しては、地球の奴らに感謝するトコだな、こりゃ」
「頑張ってくれて、こちらも嬉しいよ」
「でも、こっちも弾薬が尽きそうなんだ。武器を提供してくれないか?」
「それは俺の権限では決められない。スマンな」
サンジェルマン艦長は、苦笑いしながら言う。
「そっか。地球軍もダセェな。火星まで攻め込まれるなんてよ。それに俺たちのようなレジスタンスの支援も出来なくなったのかよ?」
「そうではない。今の俺たちは、医療部隊なのだよ」
「なら、傷付いた仲間を助けてくれるのか?」
「場合によっては‥‥‥。負傷した仲間がいるのか?」
「いない戦場なんてねぇよ」
「確かにな。それなら艦に連れて来い。治療なら行う」
「それでこその艦長様だ!」
そう言うと、オメガは自分の部隊の救護班に手招きした。
「中に入ってもいいらしいぞ。傷付いた奴らを中に入れろ」
負傷者は、包帯だらけだった。
包帯とはプリミティブだと思われがちだが、実は戦場ではこれが侮れないのだ。
応急処置に大切な、早く、丁寧に、清潔にを持ち合わせているのが包帯なのだ。
私と数人のナースが、レッドクルス号を下りて、負傷者を抱えた。
「アイヴィー先輩、担架持ってきます」
シュシュが、宙に浮く担架をいくつか持ってきたので、運びやすくなった。
「正規の軍人ではないようですね」
「マーザーよ」
「マーザー?」
「火星だから、マーズをもじってマーザーと呼ばれている人たちよ。火星で生まれた火星の人類」
「よく知ってますね」
「学校で習ったでしょ?」
「習ってないですよ。私は通信制の高校出ですから」
「何それ?初めて聞いたわよ」
私はシュシュを見て、言った。
「ホントですよ。人間関係に疲れて、ああ、この話はあとでいいか」
業務に戻るシュシュ。
「とにかく、この人たちを早くレッドクルス号へ!」
「基地にある医療施設の方へ回すわ」
「え、いいんですか?」
「そっちの方が、区別しやすいでしょ?」
「区別?」
「地球軍兵士と火星の人類との区別よ。混ざったら困るでしょ!」
「でも、そんなこと…‥‥」
「今は私に従って!迅速にが大事よ」
「はい」
私たちは基地の医療施設へと、患者を運んだ。
読者の皆様に幸あれ!!




