第3話 看護師長との初対面ってことで‥‥‥。
SFは難しいです‥‥‥。
第3話 看護師長との初対面ってことで‥‥‥。
現在、戦局が思わしくない地球側では、火星でグラデュアル星人の軍とドンパチを連日、行っているらしかった。
そういった情報は、逐一報告がなされているのだ。
月にいても、それは伝わってくる。
病院施設のナースステーションには、眼鏡をかけた看護師長の少尉、マーシー・コンクアットさんがいた。
ここを仕切っている超ベテランの看護師長だった。
「初めまして。この病棟を任されている、マーシー・コンクアットです。年齢は超極秘事項だからね。まぁ、軍法会議にかけられたいのなら教えるけど」
さっそく笑いを取る。
別に、どうせそういうのは、軍の管理者に訊けば分かることなのだから。
軍において、個人情報を秘密にするなどあり得ないことなのだ。
軍は私たちのすべてを知っているのだから。
「私はアイヴィー・クリステル・ボルチモア。21歳です」
「私はシュシュ・アントワネット。19です」
礼儀とはいえ、いちいち会う人会う人に自己紹介をして回るのも、面倒だった。
「ゲイル以外は新人さんね。よろしく!」
看護師長さんは良い人そうだ。
「ほとんどのベテランナースたちは、火星に行って、野戦病院の方に回ってもらっているの。実はレッドクルス号のナースは人員不足が深刻で、猫の手も借りたいくらい人が欲しいのよ。私も乗り込むことになってるわ」
「火星に皆、行ってるんですか‥‥‥」
私は意外そうに言う。
実際、意外だった。
それというのも、私やシュシュのような、医大を中途半端にやめざるを得なかった者にまで召集が掛かったことに、疑問を隠せなかったからだ。
その辺はいろいろと思うことがあったのだ。
でもその前に、看護婦長の眼鏡が気になった。
「コンクアット看護師長、その旧式の眼鏡はどうなさったんですか?今の時代、近視も遠視も乱視も手術で治るはずでしょう?」
「ああ、これは伊達眼鏡よ。貫禄が付くでしょう?今の時代には珍しい物だけど」
「は、はぁ‥‥‥」
私は意外そうな相槌を打つ。
「それで、私たちの研修については?」
「ああ、それが本題よね。二人とも支給品のナース服を出してあげるわ」
そう言うと、コンクアット看護師長は戸棚から、新品のナース服とキャップを二着出して、私とシュシュに渡してくれた。
「ありがとうございます!」
「ナースステーションの奥に試着室があるから、着替えてらっしゃい」
「はい」
と、私が言う。
そして私たちは、服を着替えて来た。
ナース服か。
白衣に白のスカート、それに白いパンツも履く。靴も白だ。
見た目はこれで、らしく見えるかな?
白いナース服とキャップを着た私とシュシュは、ゲイルさんと並ぶ。
「あれ、ゲイルさんはその第一次世界大戦時の服装で良いんですか?」
疑問に思ったシュシュがゲイルさんに訊いた。
「私はこの格好じゃないと、機能しないの。治癒能力もね」
「そうなんですか‥‥‥」
シュシュは適当に納得したようだ。
「じゃあ、最初のナースの仕事は何でしょうか?」
コンクアット看護師長は私たちに訊いてくる。
「はい!」
手を挙げたのはゲイルさんだった。
「患者の搬送です」
「それも確かに最初の仕事だけれど‥‥‥」
ナースのやることといえば、アレだろう。
「はい!バイタルサインのチェックです」
私は医大で習った通りのことを言った。
「そうですね。バイタルサインとは?」
「患者の生命徴候、主に血圧、体温、脈拍、呼吸状態などの生命確認です。場合によっては意識があるかもチェックします」
「そうね、合格よ!」
それを聞いて、私は敬礼した。
「ありがとうございます!」
「アヴィーさん、そんなに力まなくてもいいのよ」
看護師長さんは、穏やかに言う。
「戦場じゃ、そこまで窮屈なのは命取りなのよ。今は緩やかにいきましょう」
「は、はい」
「本物の戦場は、これからなんだから」
意味深に言う看護師長さんだった。
確かに本当のナースの仕事は、これからなのだけれど‥‥‥。
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