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ザ・レッドクルス  作者: あばたもえくぼ
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第28話  命の数

いけない、最近疲れている‥‥‥。

第28話  命の数


 砂嵐が収まったのは、4時間後のことだった。

レッドクルス号は、目に見えないシールドを解いた。

少し陽が昇っている。

再び後部ハッチが開けられた。

ナースたちは一斉に、担架を持ち、外に出た。

しかし、今度は見渡す限り、赤い砂漠のようになっていた。

激しい砂嵐で、前線の兵士たちは、砂に埋まってしまったのだろう。

誰一人、そこには姿が無かった。

きっと、私たちの足元に、兵士たちの遺体が埋まっているのだ。

その場にいるのにも、罪悪感が生じていた。

遺体を直接踏んでいるわけでは無いのに‥‥‥。


 数十分後、私たちナースに集合がかかった。

衛生兵のクリスが、ナースを集める。

「もうここには、助けられる味方の兵士たちはいないようだ。皆、艦へ戻るように」

 その一言で、事は済んだ。

ナースたちはレッドクルス号に戻る。

諦めがつくなら、早い方がいい。

それに、諦めることが、重要なこともある。

私もこの場では、諦めがついた。

諦めるのは簡単だが、後悔も残るけど。

でも、それを背負って、私たちは前へ進まなければならないのだ。


 レッドクルス号は、出発した。

私たちは、もうすでに、生きている兵士たちの治療に当たった。

応急処置は終わっている。

あとは順番に傷口を塞ぐ処置だ。

スライムセルを、たくさん積んでいて良かった。

これで傷口は塞ぐことが出来る。

ゲイルさんも、治癒能力で傷を治していた。

さすがはホムンクルスだ。


 私はO型の血を、兵士の一人に輸血していた。

O型の血は良い。

どの患者にも合う。

血で汚れた廊下を、水で流してブラシでこすっているナースもいた。

廊下の汚れなど、掃除ロボットにでも任せれば良いのだが、あいにくこの艦には、そんなのを乗せる余裕などは無かった。

清掃長のブレッダが、ブラシを持ち、ナースに指導していた。

こういう時も、活躍するのがブレッダなのか。

血を洗い流すなんて、汚れ仕事を悪く言うつもりでは無いのだが、それでも若いナースたちには酷だった。


 私たちナースは、今日だけでどのくらいの兵士たちを救ったのだろう?

戦闘で亡くなった兵士もいれば、砂嵐で埋まって死亡した兵士たちもいる。

このレッドクルス号内に運ばれても、手当てが間に合わずに、息を引き取った者も、けっこういた。

それでも3分の2は助かっただろう。

そして、傷が治ればまた、兵士たちは前線へと送られていく。

その繰り返しだ。

戦いはまだ続く。

そのために私たちは遠征してきたのだ。

私は疲れ果てるまで、仕事をこなした。

「アイヴィー先輩、バイタルお願いします!」

 シュシュが声をかけてきた。

「はい!」

 私は応急処置が済んだだけの負傷兵のバイタルをチェックした。

やることはまだまだ、たくさんある。

レッドクルス号がグルーヴァー基地へたどり着くまで、私たちの仕事は終わらない。

そして、基地に着いても眠る時間も無いだろう。

ここが戦場である限り。



読者の皆様には感謝しかありません!!

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