第25話 戦果大なり!
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第25話 戦果大なり!
休憩時間に、私は妹のマリアと交信していた。
「お姉ちゃん、そっちは大丈夫なの?」
「ええ。戦火はまだ遠いわ」
「お姉ちゃんも前線に出るの?」
「さぁ、分かんない」
「お姉ちゃんが心配‥‥‥」
「平気よ」
などと会話している途中で、休憩時間は過ぎようとしていた。
「もう切るね。私は仕事があるから」
「うん、頑張って!」
「ありがと!じゃあね」
私は交信を終了させた。
いつでも出られるように、ナース服は着たままだ。
替えもあるのだけれど、それは綺麗にアイロン掛けして、ラックにかけてある。
シュシュの言った通り、常在戦場なのが基本なのだ。
今日は、たくさんの人が前線に出ている。
昨日の夜の空爆が効いたのか、敵軍は進撃をやめてるようだ。
こっちには来ないでもらいたい。
前線はいくつかあるらしく、地球軍の兵士たちの他に、もともと火星に住んでいた人類たちもまた、レジスタンスとして兵を組織し、グラデュアル軍を相手に戦っているらしかった。
グルーヴァー基地から南へ行くと、地球人の市街地ノアがあると聞いた。
そこは火星で唯一、攻撃を食らってない街があるというのだ。
平和に暮らしている火星生まれの地球人の火星で最後の街だ。
そこでも自警団が組織されて、グラデュアル軍の侵攻を阻止できるように、軍備は整えているらしかった。
そういえば、基地のすぐ南には、野戦病院もあるって話だ。
でも、前に月基地で兵士の一人が言ってた、グラデュアル軍の野戦病院を攻撃したため、その仕返しに地球人側の野戦病院を攻撃されたという話が気になる。
野戦病院や、このグルーヴァー基地、それに市街地ノアにも病院施設があるのだから、狙われるのではないだろうか?
当然、傷を負った兵士たちが運ばれてくるのだから、敵も攻撃してくる可能性は大きい。
私は兵士ではないから、戦ったりは出来ないので、基地の人たちや、地球軍宇宙艦のミリオンダラー7Gの攻撃力に頼るしか無いのだが‥‥‥。
まぁ、いずれ援軍がやって来るだろう。
地球軍全部隊がここに。
私が部屋を出て、体育館に行くと、大勢のナースたちが待っていた。
ドロシーが私を睨みつけた。
「遅いぞ、アイヴィー・クリステル・ボルチモア一等兵曹!」
名前、憶えられていた。
まぁ、前に啖呵切ったのだから、しょうがないか。
「すみません!」
「たるんでるぞ!すぐ並べ!!」
私はシュシュの横に立った。
「先輩が遅れるなんて、珍しいですね。いつもの妹さんとの交信ですか?」
まぁ、他に理由も無かったので、シュシュは正解だ。
「まぁね」
「遅刻じゃないからいいですけど、集合時間に1秒でも遅れたら、反省文と、腕立て伏せ50回の罰が待ってますよ」
「そうね。気を付けなきゃ」
皆、5分前集合を目指しているのだ。
まぁ、女は良い方で、これが男の兵士だと、1秒の遅刻でも、袋叩きに遭うらしいから、マシといえばマシなのだが。
「いいか、お前たち、敵のグラデュアルを舐めるな。奴らは少ない物資でも、退却はせず、逆に我々地球軍に突撃してくるような勇敢な兵士たちだ。我々は地球を守り、地球の兵士を助けるのが仕事だ。1ミリの包帯も大事にしろ!一滴の血も流させるな。それが我が地球軍のナースだ。分かったか?」
「はい!」
ナースたちは、一同返事をする。
いつもこれだ。
ナースの心得など、言い飽きた。
それでも毎日、訓示は叩き込まれるのだ。
その時、基地内に臨時放送が流れた。
『北の地にいるグラデュアル軍の全滅を確認。戦果大なり!戦果大なり!これより、レッドクルス号は前線で負傷した兵士の救出に向かう。レッドクルス号はこれより前線へ移動する。ナースたちはすぐにレッドクルス号に乗り込め!繰り返す‥‥‥』
ミルコ・サンジェルマン艦長の声だ。
とうとう前線へ出る時が来た。
皆は一斉に緊張した。
戦場をこの目で見るのだ。
覚悟が問われる時だ。
私たちナースの仕事が、これから始まる。
読者の皆様に幸あれ!!




