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ザ・レッドクルス  作者: あばたもえくぼ
19/80

第19話  妹との交信、二回目

本日二度目の更新です。

第19話  妹との交信、二回目


 レッドクルス号に戻ってから、出発前に一日だけ休みをもらった。

妹のマリアに会いに生きたかったが、妹は地球の反対側にいる。

 

 シュシュは普段着に着替えてから、レッドクルス号で出来た友人と、ショッピングに出掛けたようだ。

 私はというと、仕事に時間を潰したせいで、なかなか友人が出来なかった。

唯一、医大の時のシュシュだけが、私の知る限りの友人だった。

いや、友人というより、先輩後輩の間柄だったので、友人かと問われると、違うのかもしれない。


 私はレッドクルス号の中を散策した。

中は迷路のようになっていたが、それでもあまり人が行かないような、暗い通路へと足を運んでみた。

やがて、階段を上ったり下りたりしながら、明るいところに出ることが出来た。

「ここは?」

 明るい部屋があった。

 そこへ行く私。

 ドアが開いていたので、静かにコンコンとノックをしてみた。

「こんにちは~」

 私は部屋の中を覗く。

 さまざまなコンピューターシステムが、たくさん並んでいた。

 数人の男女が、しきりにコンピューターに向かって、交信しているのが見えた。


 ここは通信室?


 私に気づいた女性がいた。

コーヒーを飲みながら、コンピューターから離れている女性だった。

「おや、あんたは?」

 インカムを外すと、コーヒーをテーブルに置いて、私に近づく。

「あ、どうも。私はレッドクルス号の看護師です」

「そのナース服を見れば分かるわよ。お名前は?」

 目がつり目で怖い印象を受けるが、その人は何だか穏やかな感じがした。

「あの、私はアイヴィー・クリステル・ボルチモア一等兵曹です」

「そう。ここは通信室よ。そして私は通信手で、通信室室長のレイヴ・クリアスよ。覚えておいてね」

「は、はい」

「それにしても、今はあんたたち、休みでしょ?どうしてこんなところにいるの?」

「あ、私は別に、外に用事もないので‥‥‥」

「そう」

「こちらこそすみません。お仕事の邪魔をしてしまったみたいで‥‥‥」

「気にしないで。今は月基地と交信してるのよ」

「はぁ‥‥‥」

 レイヴは私を通信室内に招き入れた。

「ここで現在の月基地やドーン・キャリアーQWと、連絡のやりとりをしているの」

「月は大丈夫なんでしょうか?」

「グラデュアル星人のこと?」

「ええ」

「まだ戦火は止まっているみたいよ」

「そうなんですか」

 しばらくの間、グラデュアルの軍は、火星に留まっているようだ。

「あんた、誰かと交信したい相手はいる?」

「えっ?」

 交信したいといえば、妹のマリアだろう。

「います。妹です。でも今は、この地球の反対側にいまして‥‥‥」

「大丈夫。交信可能よ」

「そうなんですか?」

 私は驚いた。

「交信してみる?」

 レイヴはインカムを私に貸してくれた。

「住所をそのまま声で言えば、相手の様子が分かるわよ」

「はい。え~と‥‥‥」

 私は住所を口にした。

 コンピューターがすぐに、ホログラムで妹の映像を出した。

 ベッドで眠っているようだった。

「妹は寝てますね」

「時差で、向こうは夜中みたいね。起こす?」

「いえ、そんな‥‥‥」

 眠っているマリアを起こすのは、ちょっと気が引けた。

「でも、いつが最後の交信になるのか、この先は分からないわよ?」

「そうですね。でもいいです」

 マリアの安らかな寝顔が見れただけでも、良しとしよう。

 しかし、これではプライベートが丸見えなのではないか?

「ありがとうございます」

 私はインカムを外し、レイヴに返した。

「ホントに良いのか?」

「ええ。私にも里心が付いてしまわないように‥‥‥」

「そうか。ならいいが‥‥‥」

 私はお礼を言って、通信室から出た。


 また月に戻ることになるのだ。

 私たちの戦いは、前線に出てからだ。


 グラデュアル星人を退けるために。


 妹との再会は、それからだ。



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