第17話 前線には連れて行けない
もう寝ます。寝る前に更新を!!
第17話 前線には連れて行けない
私たちナースは一息入れると、レッドクルス号に積んであるミネラルウォーターを飲みながら、座り込んだ。
「疲れたぁ~」
シュシュが大の字になって、体を寝かせる。
「シュシュ、そんなところで寝たら服汚れちゃうわよ」
私もそうは言ってみたが、もうみんなススだらけになっていた。
汚れだらけなど、今さらだった。
「先輩は疲れてないんですか?」
シュシュは私に訊いてくる。
「そんなわけないでしょう」
そう言って、私はミネラルウォーターを、グビッと飲み干した。
その後、私たちはレッドクルス号に乗り込むと、やけどの人が運ばれた総合病院へと運ばれる。
その間、私たちは新しいナース服に着替えて、汚れた方を下の階のランドリーの中に放り込んだ。
さらに消毒薬を振りまいて、清潔を保つと、昇降口前に並んだ。
「休み無しですね」
シュシュは私に言ってくる。
「休みなんて、非常時にはあるわけないわよ」
「そうですね。気合い入れます!」
「そうして頂戴、シュシュ」
昇降口が開くと、総合病院の裏手にレッドクルス号は着陸した。
看護師長さんが、私たちに言った。
「これより人員不足の総合病院を、私たちがケアします。迅速に行動するように!」
「はい!」
一同は大きな声で返事をする。
私もその一人だ。
レッドクルス号を下艦すると、私たちはナースとしての仕事に入った。
* * *
火星では戦争が激しく続いていけるのに、今の私たちは地球に来て、山火事の被害に遭った人たちを介抱する毎日だった。
火星は大丈夫なのだろうか?
そういう考えをよそに、私たちは地球の総合病院で、外科活動を続けている。
グラデュアル星人が地球に攻撃してくるとは思えないが、一抹の不安は拭えなかった。
夜11時まで、仕事は続いた。
さて、シフトを代わってもらえて、私は休憩を取った。
睡眠は全然取っていない。
シュシュはナースステーションの机に伏せて、そのままグーグーと寝ていた。
皆、疲れている。
これで戦場では持つのだろうか?
私も座ってゆっくりする。
ため息が出た。
私がうつらうつらと眠そうにしている時に、大柄な男の人がやって来た。
「よう!」
人が来たので、私は目を開けた。
その人には見覚えがある。
「あの、レッドクルス号の人ですよね?」
「ああ。俺はレッドクルス号の機関長を務めるロベルト・ウェット・パーサーだ。パーサー機関長と呼ぶといい」
私はすぐに立ち上がり、姿勢を正して敬礼した。
「お疲れ様です!私はアイヴィー・クリステル・ボルチモア一等兵曹です。よろしくお願いします!!」
私はシュシュの座っている椅子を蹴って、彼女を起こした。
「ふぇ?先輩?」
疲れが取れてない状態で、シュシュは目を覚ました。
「機関長が来られたのよ。起きて!」
シュシュは慌てて起きて、敬礼をする。
「初めまして、私はシュシュ・アントワネット二等兵曹です!失礼しました!!」
シュシュはシワシワになったナース服を正しながら、身を整えた。
機関長直々に来るとは、想像してなかった。
「機関長、なぜここに?」
私は訊いた。
「うむ、レッドクルス号は病院船艦だ。君たちの仕事ぶりを見に来たのだが‥‥‥」
「は、はい」
「こんなざまでは、前線には連れて行けんな」
機関長は厳しいことを言ってきた。
「それは一体、どういう意味でしょうか?」
「言ったままだ」
機関長は表情を変えずに言った。
明日も更新します。




