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詩集「てのひら暦」

秋・諦念のソネット【詩】

快速電車が行き過ぎる バラストのその傍らで

ほととぎすが もの言わず花開く

いえ なにかひっそり囁いているにしても

ガタン タタン タタタン 聞こえやしない


電車線の向こうを 椋鳥が飛び越えていく

その曲線の緩やかさ まるで

琴線に触れるかどうか

試しているみたいな


柿の実が ため息のたび色づく

頬染めて 朝晩ごとの冷えを

その身にしんしんと 積み重ねる


今日もそこへは行けなかった

切られることのなかった切符を

野分にのせて 捨てることもできなかったのに

2018年10月制作。

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― 新着の感想 ―
[一言] 本来の用途で使われることなく、捨てることも出来ない退蔵された何か、というのはどうしてこうもかきたてられるものがあるだろう
2018/10/20 05:15 退会済み
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