第8話
書いていたらなぜか日常回になってしまった。
一応かいておきますが、この記号は
◇…時間が変わるとき
◆…視点が変わるとき
という風な意味で使っています。
『水属性魔法』を習得した次の日、俺は妹のノエルが起こしに来るまでの間暇をもてあまし、水魔法の練習をしていた。
この世界にあるスキルには、『水属性魔法』という風に表記されているが、長ったらしいという理由で水魔法と普段は呼ばれている。
これはまだいいほうで、『土属性魔法』などは土魔法、大地の魔法等々いろんな呼び方がある。
まあ、その辺りの話は置いておこう。
前世の頃は睡眠時間が5、6時間だったせいで未だにそれくらい寝ると起きてしまう。
生まれた直後の頃はそれくらいの睡眠を繰り返していたため、さほど眠くなかったが、今では日中に活動するため睡眠不足になってきてしまっている。
しかし、起きてから二度寝をしてしまうと本格的に寝てしまう。
今まではそれでよかったのだが、ノエルが起こしに来るようになってから俺が揺らされても起きないレベルで寝ていると、ノエルが上に飛び乗って起こそうとしてくるのだ。
ノエルがまだ小さいせいでそこまでではないのだが、上に乗られたときの衝撃で起きるというのは、キツイうえに目覚めが悪い。
そのため、最近は自然に起きてしまう早朝に諦めて起きてしまい、魔法の練習をするようにしている。
といっても、水魔法しか使うことができないため水魔法のスキルレベルを上げようとしている。
部屋のなかで水を使う、なんてことをしていたら、間違えて部屋を濡らしたりしそうだったので昨日編み出した風を起こす魔法を使っていた。
「う~ん。出来るだけ他のことを考えながら魔法を使えるようにしようとしてもうまくいかない」
「というか、この冬に差し掛かった頃に風なんか起こしてるんだから寒くて集中がしづらい」
「今日習う魔法を変更して、火属性魔法を教えてもらおうかな?」
(どうも一人でいると独り言が多くなってしまうな……)
そんなことを考えていると……
タタタタッ
「ノエル~走ると危ないわよ~」
昨日よりも来るのが早い、昨日俺が起こされる前に起きていたことに気づいたのか。
だが、親に隠れながらスマホをイジリ続けたことで得た俺の狸寝入りの技術をなめるなよ!
昨日は思っていたよりも早く起こしに来たためうまくいかなかったが、今日は心の準備ができているから大丈夫だ。
狸寝入りのコツを紹介しよう。
・その1 一回布団を被ってから自分が安定していられる体勢を作
る。これは当たり前のことだが、人によってはきちんと
寝ているかどうかを長時間かけて見ることもある。
その際に無理な体勢でいると細かく振動してしまったり
してバレる。
・その2 普段朝起きたときに近い布団のずれを作る。
俺は寝たときの格好のまま朝を迎えることが多いので必
要ないが、人によっては布団をほとんど被ってない状態
で起きるひともいるだろう。
※その1とその2はどちらを先にしても構わない。
・その3 寝ているときに人の目というのは常に上を向いている。
そのため、その状態を維持する。
これは前世で寝てしまった弟や父親のまぶたを開いたり
して確かめた。
・その4 規則的な呼吸を心がける。
何があっても、表情を変えたり、呼吸を乱したりしない
ようにするのも大切だ。
・その5 起きる際に「う~ん」などと言わない。
これは不自然なことが多いと俺は思うからだ。
上半身を起こしたあとに、体を伸ばして言うならともか
く起きたときにそんな声が出るとは思えない。
・その6 これは何か隠してくおきたいものがある場合に使うもの
だが、小さいものなら自分の背中の下、大きいものなら
枕の下に入れて隠す。
これで注意しなければならないことは、背中の下にもの
をいれていたことを忘れて自然に起きてしまうことだ。
回収する際に、俺は親が目を離した隙にシーツの下など
にいれた。
準備が十分にできる状態ならば、シーツの下などにいれ
てもよいが大抵の場合は突然やって来たりするため、そ
こまで遠くに隠すことができない。
他にも基礎的なことはいくつかあるが、この6つを意識して皆も狸寝入りの技術力を上げてくれ!
◇
「おはよう、カイル」
「うん、母さんおはよう」
狸寝入りの結果は……
ノエルが確認などをする暇も揺らすこともなく、俺のうえに飛び乗ってきたため勝負にならなかった。
このまま育ってしまうとおてんば娘になりそうだ。
お兄ちゃん今から心配だよ。
「「ごちそうさまでしたっ!」」
「はい、お粗末様でした」
「カイル、お母さん午前中はやらないといけないといけないことがあるから、他のことをしててくれる?」
「わかった」
じゃあノエルと遊ぶとするか。
「カイルー!一緒に遊ぼー!」
ガチャ
◆
わたしはミーナ。
わたしにはカイルとノエルっていうお友だちがいるの。
昨日お母さんにいろんなことを教えてもらってたら、夜にいつの間にかなっちゃってて二人と遊べなかったの。
だから、今日は朝から遊ぼうと思って急いできたの。
ドアを開けて二人に「遊ぼう!」っていう時間ももったいないから二人の家の前で避けんだの。
そしたらドアがあいて
「ミーナ、叫ぶくらいならドア開けて入っていいっていったよな?」
ってカイルが言いながら出てきたの。
早く遊びたかったわたしは
「そんな暇がもったいない!」
って言ったの。
そしたら、カイルったらあきれたような顔をするの。
ついほっぺたを膨らましちゃったの。
そしたら、ノエルちゃんが
「ミーナ姉さんおはよう」
っていってくれたの!
ノエルちゃんがかわいかったからつい
「ノエルちゃん、おはよう!今日もかわいいね!」
って言っちゃったの。
そしたら
「えへへー」
ってノエルちゃんが照れていうの。
とってもかわいいの。
わたし、ノエルちゃんみたいな妹がほしいの。
カイルにも、「お姉さんってよんでもいいよ」っていってるんだけど、呼んでくれないの。
お母さんまで、「カイルくんはミーナのお兄さんみたいよね」っていうの。
でも、わたしはお姉さんだからこれくらいで怒ったりしないの。
「じゃあ母さん、行ってきます」
「お昼前には帰ってくるのよ」
「わかってるって。ところでミーナ、遊ぶったってなにするんだ?」
う~ん。
二人と遊ぶこと考えてて何をするかまでは考えてなかったの。
「どうせ、考えてなかったんだろうけど……」
「ノエル、だるまさんがころんだやりたい!」
「俺はいいけどミーナはどうだ?」
「うん、それにする」
◇
それからわたしたちはお昼まで遊んだの。
おうちに帰る前に明日も遊ぼうって約束したの。
約束するときに、カイルが『ゆびきりげんまん』っていうのを教えてくれたの。
今日はとっても楽しかったの。




