第7話
すみません、夏休みに入ってからキャンプや補習、部活が忙しくて遅れてしまいました。
今日から魔法を習うことができる。
「まずは、水の魔法の練習をしましょうか。カイル、この桶に井戸から水を汲んできて」
うわぁ。
水って重いんだよなぁ。
「はい。汲んできたよ」
「ありがとう。じゃあ、お母さんが見本を見せるね」
そういうと、母さんは水に手を突っ込んだ。
何をしているのかと見ていると、水が盛り上がっていきお皿の形を作っていった。
「お母さん何してるの?」
「水の魔法はスキルを持ってないと、目の前に存在してる水に触れて操作することしかできないの。だから、まずはこの水を使って魔力で何かを操作するっていう感覚をつかむの」
「やってみるよ」
「え?(やり方まだ教えてないんだけど)」
もうすぐ冬だから、水が冷たい。
いつもの感覚で魔力を手に集めてから、水を操作するにはたぶん魔力を浸透させればいいと思うから……
―数分後―
なれない操作だから時間がかかったけど、これで水全部に魔力が浸透したはず。
まずは、卵の形をつくってみよう。
こういうものは、イメージがとても大切。
にわとりのスーパーに並んでる卵を強く思い浮かべて、水に浸透させた魔力をその形に変形させて……
「できた!お母さん!できたよ!」
「すごいわね!(これは本当にすごいわね。やり方も教えてないのに自分で考えてやったのかしら?)」
「どうやったら、できたの?」
「えっとね。いつも魔力を操作するときみたいにしたらいいんじゃないかと思ったから、水に魔力を入れたの!」
「もしかして、その水全部に魔力を入れたの?」
「そうだよ?(あれ?もしかしてこの方法はできたらおかしいのか?)」
「だから途中から水が微かに光はじめていたのね。(私ならこの水全部に魔力を入れることぐらいできるけど…魔力操作という魔力を使いきることなんかまずない練習をしてただけの子がこんなことをできるってことは元々の魔力量が相当多いのでしょうね)」
「えっ?光ってたの?」
「えぇ。今は光ってないけれど、さっきまでは光ってたわよ?」
「気づかなかった」
「水が光ったってことは、この水が魔力水っていうポーションを作るときの材料に使われるものに変わったってことなの」
「じゃあ、さっきよりもスムーズに動かせるようになってるの?」
「えぇ。もう一度やってみなさい?」
そういうことならと、俺は歌で世界で一番弱いやつだとかよく言われているあるキャラクターを思い浮かべた。
「これは魚?かしら」
「うん。自分で考えてみたの」
さぁ、これから自分でこいつを動かせるのか試してみよう。
スィー
動いたー。
作った水像?が水に触れた状態なら全然楽に動いたわ。
なんなら、進化もできたわ。
そのあともいろんな水タイプのキャラクターたちをつくって遊んだ。
ここまで遊んでいたら……
『ピロン♪』
うおっ!久しぶりだと心臓に悪い。
書庫に忍び込んだときに聞いてから、何度かこの音を聞くことはあったが、最近なかったので驚いた。
「そろそろ『水属性魔法』のスキルも取れたんじゃないかしら?」
うん、今の聞いたからそうなんじゃないかと思うけど、母さんはエスパーかなんかなの?
タイミングがバッチリ過ぎるでしょ。
まぁ、見てみようじゃないかと自分の設定した右手、もしくは左手の人差し指と中指をつけた状態で空中を振るというモーションをして、ステータスウィンドウを出してみたところ。
ー ー ー ー ー ー
カイル 3歳 男 レベル1
HP:120/120
MP:170/210
スキル:隠密Lv3・鑑定Lv1・気配探知Lv2・魔力操作Lv5
水属性魔法Lv1・
加護:女神の加護
称号:転生者
ー ー ー ー ー ー
おぉ!
確かに、ステータス画面に『水属性魔法』ってのが追加されてる。
あと、『魔力操作』も上がってる。
すごい勢いで上がっていくんだけどこれが普通なのかな?
まぁ、これで俺も魔法使いの仲間入りだ!
水魔法を手にいれただけとはいえ、魔法がてにはいったのは嬉しい。
「カイル、魔力ってあとどのくらい残ってる?」
「170くらいだよ?」
「170!?まだ大分あるのね」
「そうなの?」
「えぇ、多い方よ。次は何の魔法をやりたい?」
「土属性魔法かな」
「あ!そういえば…。カイル、それも同じように練習すればいいから、お庭でやっててくれる?」
「うん、わかったけどどうかしたの?」
「忘れてたから、お父さんに弁当届けてくるわね」
「いってらっしゃーい」
さぁ、土属性魔法の練習をする前に気になることがあるから水属性魔法の検証をするか。
さっき母さんは、『水属性魔法』のスキルを持ってない状態だと水に触れていないとなにもできないと言っていた。
ついでにいうと、俺はまだ詠唱を習ってないからスキルを持ってないようなものだ。
そしてここからが大切だが、水に触れてさえいればいいということだが、今この瞬間も俺は水蒸気と呼ばれる水に触れているのだ。
「つまり!俺は空気を操れる!」
「ムニャムニャ、お兄ちゃんどうかしたの?」
大声を出したせいでノエルが起きてしまった。
寝起きとはいえムニャムニャはないだろう。
「もうお昼寝はいいのか?」
「うん、それよりお兄ちゃんどうしたの?」
「さっき母さんに水の魔法を習ってたんだ。で、習ったその魔法について考えていたらすごいことに気がついたんだよ」
「ノエルも魔法使いたいー!」
どうなんだろう、今まではノエルが昼寝をしている時に練習していたからノエルがどこまでできるのか気になるんだよな……。
魔力操作を教えるだけ教えてみるか……。
「じゃあまずは魔力操作の練習をしようか。右手を出してごらん」
「ん」
おおぅ、すげえ小せえ手だな。
俺の魔力を、手に集めてから水に魔力を流した要領でノエルの手に流して……
◇
「ただいま」
「お帰りなさい」
「ノエルのことすっかり忘れて出ちゃったけど大丈夫だった?」
「お兄ちゃんに魔力操作っていうのを教えてもらってたの!」
「あら、そうなの」
「見ててね。う~ん」
うちの妹は、天才みたいなんだよな……。
転生というチートを持っている俺はすぐに使えるようになったが、妹はそんなことはない…はずなんだがなんと妹はこの数時間で魔力を手に集めるくらいまで出来るようになってしまったのだ。
「嘘でしょ」
ウンウン。
母さん、その気持ちはわかるよ。
俺も開いた口が塞がらなかったからな。
ステータス見れるようになったら見せてもらおう。
「すごいでしょ!わたし、手に魔力を集めるところまでできたの!」
「私たちの子は天才揃いね」
あ、なんか母さんが俺たちになれてきた気がする。
いまなら、風魔法(仮)を披露しても大丈夫かな?
「母さん、俺もできることが増えたんだ!」
「今度はあなたなの?」
今度はって……。
まあ、色々驚かしてるけど。
「見ててね」
空気中にある水蒸気に魔力で干渉して、まずは部屋全体に風を起こす。
「わ!、カイル今度は何してるの?『風属性魔法』の練習?」
「違うよ?これは水属性魔法を使ってるの」
「でもこれは風属性魔法のでしょ?」
「空気にはね、水が気体の状態で入っているの。だから、その水に魔力で干渉して空気を動かしてるの」
「あなたは知識があるだけではなくてヒラメキもあるのね。お母さんなんか疲れちゃったから休むわ」
「あ、うん。お休み」
やり過ぎちゃったかな?
さて、明日は火属性魔法の練習をするぞ!
「ノエル、母さんを休ませてあげるために俺達で手伝いをしないか?」
「うん、そうする」
水属性魔法の役に立つところを見せてやる。
ノエルにすごいって言われたいし、今のうちに兄の威厳を見せないとマズそうだからな!




