第5話
「カイル、三歳の誕生日おめでとう♪」
「カイルももう三歳か、子供の成長は早いな」
「お兄ちゃんたんじょうびおめでとー♪」
俺は今日誕生日を無事に迎え三歳になった。
この世界は医療が進歩していない上に魔物などの危険な存在が多く、大きな事故や病気もなく身体がある程度育つ三歳まで育つというのは嬉しいことらしく今までで一番豪華な料理が並んでいた。
「皆ありがとう」
始めてみるうまそうな料理に目が行きそうになったが、なんとかお礼は言えた。
「さぁ、皆で食べよう」
父さんも我慢できなかったみたいだ。
目が途中から、料理を見ていたもの。
これは俺の誕生日会なので俺が食べ始めないと皆が食べられない。
せっかく、異世界の特別なときに食べれる料理なんだ堪能しようじゃないか。
◇
「あー、食った食った」
「あなた、そんなに食べて大丈夫?」
「なーに俺はまだまだ若いからこれくらい食えるさ」
「気がついたら、お腹周りに肉がつくようになるよ」
「う、それは…」
しまった、つい前世の親に重ねて言ってしまった。
まぁ、父さんはよく動くから大丈夫だろう。
「さぁ、お料理も食べ終わったしそろそろ誕生日プレゼント渡しにしましょう」
「まずは私ね、カイル誕生日おめでとう。私からは魔法使いが使う練習用の杖よ。前から魔法に興味があったみたいだからね」
「わーい♪、ねぇねぇお母さん手が空いてる時でいいから僕に魔法を教えてよ」
「まだ子供なんだからあなたは遠慮しなくていのよ。明日からでも教えてあげるわね」
「やった」
これで魔法について、もっと知れる。
母さんは今では主婦をしているけど、昔は冒険者をしていたそうだ。
父さんとであったのもその頃らしい。
今では、昔ほど動けないが魔法の腕じたいは落ちていないらしい。
つまり、本職の魔法使いに教えてもらえるということだ。
これは非常に嬉しい。
本を読めば魔法の知識はつく、しかし経験しなければわからないこともある。
そういったことを知ることができるいい機会だ気になることはすべて聞いてしまおう。
「父さんからは、この短剣をやろう」
この父親、三歳になったばかりの子供に刃物を渡すのかよ。
「お前には、将来何かあったときに大切な人を守れる力をつけておいてほしい。何があるからわからないからな」
「あなた、そんなこと言って本当はカイルと遊ぶ時間が欲しいんでしよ?」
「まぁそれもあるが、もし魔法が使えなかったりしたときに多少は使える方がいいと思うからな」
「それもそうね、でも怪我をしたら危ないから訓練の時以外は私が預かっておくわね」
「うん、わかった!お父さん、ありがとう!」
おぉー、短剣とは男心をくすぐる。
これも教えてもらうつもりだったからちょうどいいや。
「つぎはわたしのばんね。お兄ちゃん、たんじょうびおめでとう!わたしからはこれ!」
そう言って、妹のノエルが渡してきたのは近くの草原に生えている花で作った花輪だった。
「あのね、おかーさんといっしょにとりにいってつくったの!がんばったの!」
「ノエルったら作るのが上手なの。一回いっしょにつくってあげてからは夢中になって一人で作ってたわ」
「ありがとうな、ノエル」
撫でてほしそうにしていたので頭を撫でてやると、嬉しそうに笑った。
前世の頃は、ラノベの主人公がなぜあんなに人の頭を自然に撫でられるのか不思議だったが、これは慣れなのかもしれないな…
等と思ってしまうほどに最近は頭を撫でることにもなれてきた。
プレゼント渡しも終わり、そろそろお開きにしようかと片付けを始めていると……
「バンッ!」
「カイル!誕生日!おめでとう!」
「あ、ありがとうミーナ」
向かいの家にすむミーナが突然ドアを開けて入ってきた。
「そんなに急いでどうしたの?」
「カイルに誕生日プレゼントできたから早くあげようと思って」
それにしても急ぎすぎだろ。
一言一言に『!』がついてるかのようだったぞ。
だが、これでも中身は17歳…あれ?まだまだ若造だった。
でも、これくらいでは驚かない。
普通に会話くらいならできる。
「そうだったのか。わざわざ手作りしてくれるなんてありがとう」
「えへへー」
「ミーナちゃんは何を作ってくれたの?」
「これだよ!マフラー作ってたの」
マジか。
三歳児がマフラーを作れるのか。
「初めてだから、おかーさんみたいにうまくできなかったけどがんばったの」
「ありがとうな、ミーナ」
「すごいわね。上手にできてるじゃない」
「もうすぐ冬が来るしありがたく使わせてもらうよ」
「うん!撫でてー」
お前もか、まぁマフラーが作れるとはいえまだまだ子供だからしょうがないかもな。
「カイルーあなたはせっかくの誕生日なんだからミーナちゃんと遊んでらっしゃい」
「わかったー、ミーナ何して遊ぶ?」
「わたしもいっしょに遊ぶの!」
「うん、ノエルちゃんもいっしょに遊ぼうね」
「うん!」
「じゃあ三人でできる遊びをしような」
子供はタフだなぁ。
ノエルはあんなに食べたし、ミーナはマフラーをさっきまで編んでたろうに……
◇
遊び疲れた子供たちが昼寝をするなか、俺は母さんに魔法を教えてもらおうとしていた。
「はやくおしえてよ~」
「明日からじゃだめなの?」
「読んだ本には、子供の頃から使っていると魔力が増えるって書いてあったんだよ!」
「確かにその通りだけど、大丈夫よあなたは私の子なんだから」
「どういうこと?」
「私は生まれた時から魔力が人より多かったのよ。そのぶん制御とかは大変だったけどね」
「へー、そうなんだ」
「それに、魔力の量は親に比例しやすいらしいから大丈夫よ」
「分かった。じゃあ明日から教えてね?」
「えぇ、もちろんよ。約束するわ。じゃあ早く寝てしまいなさい」
「うん、おやすみなさい」




