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第26話

今日は生徒会選挙と学年のクリスマス会でした。


うちの学校の生徒会選挙は、男子校のノリなのか推薦人が面白い人のほうが当選しやすいです。

先生などは、面白いかどうかでえらんでもいいのか?などと言っていますが所詮高校の生徒会なんて学校の下請けのようなものなので誰が会長になろうと変わらない気がします。


「ここが、異世界の町か」 


俺は、目の前に広がっている光景を見て思わずそう呟いてしまった。

俺が今いるのは、俺がすんでいる村から一番近くにある町だ。



今日は、これから始まる厳しい冬の準備をするために町に買い出しに来た。

今までは、つれていってくれと頼んでもまだ子供だからという理由でつれていってもらえなかったが、つい先日俺が7才になり剣も魔法もそこそこ使えるようになったのでつれていってもらえることとなった。


転生してから早いことで7年経った。

しかし、この7年間村の近くの山に登ったりはしたが村から離れるのは初めてのことである。

そして、目の前には転生前にアニメなどで見たザ·異世界という町並みが広がっているのだ。

正直、テンションが上がる。

一人でさっさと町のなかを歩き回ってみたくなる。

しかし、ここは異世界、日本とは治安のよさが違うのだ。

こんな子供が一人で歩き回れば、スラれて身ぐるみ剥がされて終わりだろう。

……たぶん。


「どんだ、カイルここは一杯人がいるだろ?」


「うん」


(日本よりは全然少ないけど)


「学校にかようんだったら、今のうちに慣れておけよ?」


「学校のある町って人多いの?」


「そりゃ多いぞ、学校に通う学生にその学生を相手にした商売人が集まってるからな」


「うちのアレクも来れればよかったんだがなぁ」


そう言い出したのは、アレクとアルクの父親であるアーバインドさんだ。

アレクは、出発の直前に熱をだし来ることができなかった。



「父さん、これからどうするの?」


「そうだな、まずは宿をとってから商談にいこう」




なにか祭りがあるわけでもないこの時期の宿はすいていて、部屋はすぐとれた。

俺の部屋は父さんと一緒の二人部屋になった。


そして、荷物をおいたりしてから俺たちは商談のために商会にやって来た。


「ここがいつも取引をさせてもらっているミズーリ商会だ」


店の前で、父さんが説明をしてくれる。

ミズーリ商会の建物は、二階建ての建物が多く立ち並ぶ町のなかでは珍しく三階建てだった。


「じゃあ、俺が商談をしてくるからその間皆は自由にしておいてくれ」


商談のときに見せるために使う革や小麦の入った袋などをもって父さんは店の奥にある部屋に入っていった。


「ねぇねぇ、ダルクさん。こういうときっていつも父さんが話をつけるの?」


「あぁ。冒険者やってた頃からああいうのはあいつかルーナの役目だったからな」


「ふーん」


さて、聞きたいことも聞けたし店内のものでも見て回るか──。



商会の中にある応接室では、カイルの父アルノルトとミズーリ商会デナント町支部の会長であるウォルターが話し合っていた。


「いい取引になったよ。ありがとさん」


「いえいえ、こちらこそ。それにしてもここ最近は小麦の質が上がってますね。これもあなたの息子さんが関係しているのですか?」


「まぁな、うちのカイルは俺と違って頭がいいから」


「そうですか。是非とも一度あってみたいものです」


「今日は一緒にきてるぞ?会ってみるか?」


「なんと、ではすみませんが少し会わせていただけますかな?」


「わかった。じゃあ呼びにいってくる」


「いえいえ、わたくしの方から挨拶にいかせてもらいましょう」


「そうか?まぁいいけど」


◆カイル◆


父さんが取引にいってから、俺は店の中にある商品を見ていた。

薬草に薬、手芸品等の小さなものから少人数用のテントまでいろいろなものがあった。


なにか、知識チートで売り込めるものがないかと思案しながら商品を見ていると、話が終わった父さんとなんか偉そうな人が一緒に歩いてきた。


「父さん、話終わった?」


「おう、バッチリだ。あと、お前に会いたいという人がいてな」


「わたくし、ミズーリ商会デナント支部の会長を務めさせていただいております、ウォルターと申します」


「はぁ、ウォルターさんがこんな子供に何のようでしょうか?」


デナントというのは、この町の名前だ。

つまりこの人は、ミズーリ商会の中でもそこそこの地位を持っている人なのであろう。

そんな人が、ただの子供にこんな丁寧に接する訳がわからない。



「わたくしは、あなたの父上であるアルノルト様よりよくあなたの話を聞いておりまして、一度挨拶をと思った次第でございます」


「そうですか、これはどうもご丁寧にどうも。僕はカイルです。よろしくお願いします」


なにをよろしくなのか自分でもわからないが、取り敢えず失礼のないようにしてさっさと帰ってもらおう。


「カイルくんは、今何歳かな?」


「先週7才になりました」


「ほう、7才にもかかわらずその対応ができるとは…。アルノルトさん、いい息子さんをお持ちになりましたね。是非ともうちの商会で働いてもらいたいものです」


「それは俺じゃなくて、カイル本人が決めることだ」


「そうですね」


「じゃあまたな、買ったものは宿に届けておいてくれ」


「了解しました。あとで届けさせておきます」



ミズーリ商会での用事が終わったあとは、デナントの町のなかを見て回った。

久しぶりにはしゃいだ俺は、宿に帰ると夕飯を食べることもなく寝てしまった。

そういえば、明日の終業式を終えれば冬休みという人は多いのではないでしょうか?


私は、冬休みの楽しさよりもリア充の祭典であるクリスマスへの憎しみのほうが強いですが。



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