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第24話

一週間以上空いてしまい申し訳ございません。


また、後期中間テストまで2週間を切ってしまっているので次の更新は12月に入ってからということになってしまうと思います。

「あー、もう全部カイルが考えてくれよ!」


「それじゃ意味ないだろ?」


「わかってるけど、こんなの考え付かねぇって]


場所などが大体決まってから俺たちは告白の台詞を考えることにした。

最初のうちは、アルクも真面目にやっていたのだが、何度か口に出していたら恥ずかしくなってきたようでさっきからふざけたことばかりいっている。


「なんで、普通の感じで言えないの?」


最初は、一般的な台詞を言わせてみたのだがなぜかぶっきらぼうな感じになってしまって言葉と言い方がうまくあっていなかった。

そこで、ぶっきらぼうな感じでいってもいい感じに聞こえる台詞を考えようとしている。


「なんか、気恥ずかしいっていうか最近はこんな感じでユーリと接してきたから普通に話せなくて…」


「ユーリ姉のこと好きなんだろ?告白したいんだろ?」


「好きだよ、でもさ」


「あ~もう、じゃあ一旦好きだってことを大声で言えば?そしたら、告白の台詞言っても恥ずかしくないでしょ」


「よ、よしわかった。俺は、ユーリが好きだ」


ボソボソと喋るので全然聞こえない。


「あ?!声が小さくて聞こえない!」


「俺は、ユーリのことが好きだ!」


「…はい、じゃあ次のやつ頑張って」


「あれ?さっきまでの熱気は?」


「疲れるじゃん。ああいうのって」


「まぁ、そうだけどよ。よし!やるか!」


それから、アルクは気合いをいれるためか頬をペチッと叩いてから、真面目に台詞の練習をやりはじめた。


◆ミーナ◆


「い、今アルクが私のこと好きだって…」


アルクの「俺はユーリのことが好きだ!」という言葉に衝撃を受けたようで、ユーリ姉は顔を真っ赤にしてあたふたとしている。


「ユ、ユーリ姉、ちょっと落ち着いて、ここで聞いてるのバレちゃうから…」


落ち着かせるために、手を握って言い聞かせてあげると少し落ち着きを取り戻したようでからだの動きは止めた。

顔は赤いままだけど、大丈夫だと思う。


「そ、そうだね。落ち着かなきゃ」


それからも、二人の声を聞いているとユーリ姉は落ち着きを取り戻したようで静かになった。


「ユーリ姉、落ち着いた?」


そういいながらユーリ姉の方を見ると、顔を真っ赤にしてうずくまり何かをブツブツと呟いていた。


「ユ、ユーリ姉?どうしたの?大丈夫?」


何をいっているのか耳を近づけて聞こうとすると、スッと立ち上がって何事もなかったのようにまた聞き耳をたて始めた。


◆ユーリ◆


(さ、さっきはビックリした。いきなりアルクが私のことを好きだって言うんだもん)


あれ、でもわたしは慌ててたけどミーナちゃんはあんまり驚いたような感じもなかった。

もしかして、わたし聞き間違いをしちゃってるのかな?


前にも、聞き間違いをしたことがあるから今回もそうかもしれない。


「ユ、ユーリ姉?どうしたの?大丈夫?」


そんなことを考えていたら、口に出てたみたいでミーナちゃんが心配そうに近づいてきた。


独り言をいっているのを聞かれたのが恥ずかしくて、なにも言えないまま聞き間違いをしてないか確かめるためにわたしはもう一回壁に耳をつけた。



◆カイル◆


よし、そろそろミーナたちも外について聞き耳をたてている頃だろう。

ここで、アルクに告白の練習だといってもう一回ユーリ姉のことが好きだって言わせれば今日やる作戦の内容は大体終わりだな。


「アルク、じゃあとりあえずでいいからこの文章を心を込めていってみて」


「お~、やっぱカイルに全部任せた方がうまくいきそうだな」


「バカなこといってないで早くやって」


「はいはい。じゃあいくぞ!ユーリ、今日はお前に話したいことがあって呼んだんだ。話したいことって言うのは―――」


このまま最後まで言わせてから、外に誰かいたような気がしたっていってドアを開けてミーナたちを退散させたら成功だな。



◆ミーナ◆


ユーリ姉が復活してから少したった頃、文章が出来上がったのかアルクがユーリ姉への告白の練習を始めた。


カイルからは告白練習の2回目が終わったあと、ドアを開けるから逃げてほしいと言われた。

一回目が終わって、今はさっきのものとは少し違う台詞が聞こえてきている。


(ユーリ姉大丈夫かな?)


一応ドアが開く前にそとに誰かいるんじゃないか?とかアルクに言ってくれるらしいから、それを聞いて逃げようとしてくれると思うけど…



◆カイル◆


「カイル、今のはどうだった?」


2回目の告白練習が終わりアルクが感想を聞いてくるなか、俺は窓のそとの様子をうかがうようにしていた。


「うーん、よかったんじゃないか~?」


「カイル、なんでこっちみないんだよ。なんか、適当に言ってる感じもするし」


「あぁ、なんかそとに誰かいるような気がするんだよ」


「え!?ちょ、まてよ。なんで早く言わないんだよそれ!」


作戦通りの台詞を言うと、アルクは慌てながらこちらに向かってきた。

窓から顔をつきだし、周囲を確認しようとしているが誰もいない。


(ミーナたちは作戦通り裏側にいるみたいだな)


「ここからだと見えないから裏にいるかも、ちょっと行ってみる」


そう言いながら、ドアを開けるとアルクも一緒にいこうとして外に出てきた。

そして、裏手に向かって走り出した。


ミーナたちが逃げていることを願いながらアルクを追いかけ、裏手に回ると裏手にある茂みにちょうど茶色と水色の髪の二人組が入っていくところだった。


(あっぶね~。もう少し早かったらいたのが誰かバレるとこだった)


「水色の髪?もしかして、ユーリか?だとしたら、もう一人の方は誰だ?」


(?!。バレかけてる!ヤバい!誤魔化さなきゃ)


「アルク、水色の髪だからってユーリ姉とは限らないじゃん。きっと別の誰かだよ」


「た、たしかにそうだけど。でももし今のがユーリだとしたら…」


「練習してんの、聞かれたかもね」


「あー、嘘だろ。それはハズイ、恥ずかしすぎる」


ん?この流れなら最後の一押しも行けるな。


「まぁ、仮に今のがユーリ姉だとしてもいいじゃん。いつかは伝えるつもりなんだったんだし。なんなら、今これを聞いてユーリ姉動揺してるだろうし、その間に告白しちゃえば?成功確率上がるんじゃない?」


「そうは言うけどさ…」


「さ、もう少し練習したら今日はもう帰ろう。決行日が決まったら教えてね。俺は、明日がいいと思うけど」


「いや、おしえないよ?」


「なんで?いろいろ手伝ってあげてるじゃん」


「そんなのきまってんだろ」


そこで、アルクは言葉を区切ると少し照れたような様子で「恥ずかしいからだよ…」と小さい声で言った。


その後少しぎこちない様子になってしまったアルクと練習をしてから、俺たちは解散した。


告白の日が今から楽しみだ。


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