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第19話

今日学校で、元木健人という人を見つけました。

見つけたときは本当に驚きました。

高1の先輩なので、会いに行くことはないでしょうが気になります。

「そうだ、カイル学校にいってみないか?」


母さんが作った豪華な夕食をみんなで食べているとき、じいちゃんがそう言い出した。


「学校?」


学校という聞きなれた単語に思わず聞き返すと今度は父さんが話し始めた。


「学校はいいぞ、友達がいっぱいできるし自分の将来を選択できるようになる」


父さんの久しぶりに聞くちゃんとした話しに驚いていると今度は母さんも話し始めた。


「そうよ、是非学校にいってらっしゃい。カワイイ子がいっぱいいるわよ?」


「そうだぞ、父さんが母さんに初めてあったのも学校だ」


学校か本をたくさん読めそうだし行きたいな。

だがここは中世、平民が勉強をするとなると相当な金がかかるはず。


「いってはみたいけど…」


「じゃあ、いけばいいじゃないか。何をそんなに考えているんだ?」


「だって、お金がかかるでしょ?」


金のことを気にしているといったら、父さんは笑いだした。


「なんだ、お前そんなことを気にしてたのか」


「そんなことって言われても…」


「カイルよ。学校というのはな、賢者様がお作りになったのじゃ」


「それくらいは知ってるけど」


家にある本のなかに勇者についてかいてある本があった。

それによると、最近では60年前に召喚されたのが最後であるという。

勇者というのは、この世界に魔王が生まれたときに自然に生まれる。もしくは、異世界から召喚するものらしい。

そして、召喚されたもののなかで最も新しいのが勇者ヒカルだという。


勇者ヒカルはこれまでの召喚勇者とは少し違った。

普通、勇者召喚は勇者ただ一人が召喚されるものなのだ。

しかし、彼を召喚したさいには彼ともう一人の少年がいたそうだ。


召喚時彼らは動揺していた。

それはそうだろう、下校中に突然光に包まれ気がついたら豪華な城のなかにいるのだ。

混乱が収まってから翻訳の指輪というマジックアイテムを渡され彼らは自分達を取り巻く状況について聞き始めた。


その際彼らが何者かも聞かれた。

彼らは異世界の高校2年生というものだそうだ。



というところから始まって、どんどんと強くなっていく勇者ヒカルたち(チート野郎共)についての英雄譚がかかれていた。


そして、賢者というのは勇者と共に召喚された一人の少年のほうだ。

この賢者は前に母さんが教えてくれた無詠唱で魔法を使えた人とは違う賢者で知識チートで文明レベルを推し進めたらしい。


で、この勇者たちなのだがそれぞれ早くに命を失っている。


勇者はこの大陸にいた魔王を倒したあと、実は倒されておらず他の大陸に逃げていた。という情報を得て船に乗り、外の大陸に魔王討伐をしにいこうとしたところ、クラーケンなどの海にいる魔物に船ごと沈められ死んでしまったらしい。


賢者は勇者とは違う船で後からいくことになっていたので助かりはしたが、幼稚園時代からの親友であり絶対的な強さを誇った勇者が死んだという事実に心に傷を負い、引きこもり状態になってしまった。


その後、なんとか部屋から出てこの世界の文明レベルをあげることに尽力したが、引きこもり生活で弱った体が流行り病に耐えられず20代半ばで死んだ。


この20代半ばで死んだ賢者が対魔王戦の後処理をしたあと最初にてをつけたのが学校作りだったのだ。




「学校にいかなくともよい、実際農村の子供たちのほとんどはいかない。じゃが、その子たちはいかないのではなくいけない子がほとんどじゃ」


児童労働の問題か。

地球では、アフリカなどで起きていた問題だがこの世界ではとても身近にある。

実際、村にいる人たちの中で学校にいった人はほとんどいない。

行けた人たちが村を出て他の職についているということも原因ではある。

しかし、村を出て他の職につくことができた人たちは学校にいくことができたからそのようなことが出来たのだろう。

一応村長などが教えてはいるが、習ったとしても簡単な読み書き程度しかできない。


「俺は…学校に行きたい。行ってみて、それから自分の人生を自分で決めたい!」


「わたしもいく!」


「ノエル、そうじゃな兄妹の中で差があるのはよくないだろう。お前もいくか?学校は勉強をする場所じゃぞ」


「お兄ちゃんがいくならいくの!」


ノエルは俺がどこにいこうと付いてこようとする。

たまにうざったくなるが、こんなについてきてくれるのも長い期間はないはずだ。

今だけならば楽しめそうだと諦めている。


「フフッ、ノエルはお兄ちゃんが大好きだもんねぇ~?」


「うん!」


「ノエル、父ちゃんは?」


「お母さん、好き!おじいちゃんも好き!」


「なぁノエル、父ちゃんは?」


「うーん、好き?」


あ、父さん泣きそう。

で、このあともいらいろあったけど結局ノエルも学校に行くことに決まった。


この世界の学校は、9才から12才までの3年間らしい。

今が5才の俺は、あと4年近く待つということだ。


その間に、村長たちに基本的なことは学んでおきたい。

この世界にはスキルなんてものがあるんだ。

きっと、勉強関連のものもあるはず。

そう信じて、勉強をしていこうと思う。


やっと5才だ。

チコちゃんと同じ年齢だ。

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