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第17話

まさかの2話投稿です。

ところで皆さんはミーナのお父さんの名前を覚えていますか?私は忘れていました。

第11話に名前だけちょこっと出ております。

「お兄ちゃん、おーきーて!」


ドンッ


かわいい妹の声と腹にその体が落ちる衝撃によって、俺は目覚めた。


「ノエル、お兄ちゃんはなお前に将来おしとやかな女の子になってほしいんだ」


「お兄ちゃん、早く着替えて!」


「ちょっとは俺の話を聞けよ…」


俺は今から心配になるよ。

お前がおしとやかな女の子になってる未来が微塵も想像できないんだ。


「今日はピクニックの日だよ!だから早く起きてよ!」


あぁ、たがら今日はこんなにうるさいのか。

いや、いつもこんなもんだな。

父さんがノエルと遊びたいってことことから始まって、じゃあミーナたちの家族とも遊ぼうっていうことで行くんだっけ?

ミーナの親父さんのダルクさんは斧を使っていたから、今も木こりとして大活躍してるんだよな。

最近遊んでもらってないから、今日は目一杯遊んでもらおう。





「父さん、まだつかないの?」


ミーナ一家と合流し、門番さんに挨拶をしてからダルクさんオススメの場所だと言うところまで行くため山道を歩くこともう40分。

時計を隠れてみているから、時間は正確なはずだ。


「ダルク!、まだつかないのか?」


父さんが先頭を歩くダルクさんに大声で聞いた。


「あと少しでつくぞ!」


二人でたいした距離もないのに大声を出さないでほしい。

近くにいる獣とかがよってきそうで怖い。


「と、父さん、そんなに大きな声だして大丈夫なの?」


「大丈夫だ。大声を出すと、獣は警戒して寄ってこなくなる。

本来、獣っていうのは臆病なんだ。それに人を襲うのは、子供がいて気が立ってるとかなにか挑発するようなことをしたときだ」


ふーん。


「モンスターは?」


「大声を出すと、寄ってくる。まぁ、大抵のモンスターは父ちゃんたちにとって余裕で倒せるから安心しろ」


いや、寄ってくるなら止めてよ。


「なぁ!、ダルク?」


モンスターは寄ってくると言うくせに、父さんはお構いなしに大声でダルクさんを呼ぶ。

ダルクさん、ノエルと話すのに夢中で気づいてないっぽいけど。



こんな感じで、みんなでわいわい話ながら歩き続けること10分ダルクさんオススメだと言うスポットについた。


そこは山の頂上付近にある少し開けた場所で回りの山やうちの村が見渡せる場所だった。

もう、冬になりかけているというのに青々とした芝生が生えていて、とてもピクニックに向いている場所だった。


シートを広げる前からノエルたちははしゃぎまくっており、近くを走り回っている。

そんな中、大人たちと俺は芝生にシートを広げくつろいでいた。


「カイル、一緒に遊ぼうよ」


「ちょっと休憩させてくれ、それから遊ぶから」


前世の頃であったら、50分山道をのぼることなど容易かったがまだこの体は3才である。

体力もそれ相応のものとなっているので、とても疲れているのだ。


「カイル、せっかくミーナちゃんが誘ってくれてるんだから遊びなさいよ」


「わかったよ母さん」


もう少し休憩していたかった。

まぁ、少し遊んだら疲れて休むことになるだろうしそれまでの辛抱だ。


「さあ、何して遊ぶ?」


「「せーの、鬼ごっこ!」」


「そ、それは疲れるから勘弁してくれ」


「えー、なんでよー。やろうよ!」


もうこうなったら、やりたいものをやるまで、ノエルは止まらない。

あきらめて、鬼ごっこをすることにした。





「そろそろご飯にするー?」


よし、休憩時間だ!

ノーマルの鬼ごっこをやったあと、前に教えたバナナ鬼や色鬼、大人を交えて増やし鬼、ドロケイ等をやった。


増やし鬼やドロケイは大人たち、特に父さんとダルクさんがはまったようで昼を食べたあともやりたいといっている。


「ジャジーン、今日は肉があるわよ~」


どうやら、この国は所謂中性ヨーロッパと言うザ・ファンタジーな歴史背景らしい。

中性ヨーロッパと言っても日本で考えると鎌倉時代から江戸の初期ごろまでと幅広いので、どの辺りなのかはわからない。

ただ、村があると言うことから10世紀から13世紀頃だろう。

10世紀より前は村という自治共同体での農耕ではなく荘園などで働かされていたと本で読んだことがあるので10世紀以降というのはたしかだろう。


話がそれたが、狩りというのは、貴族が遊びでするものだということでほとんどただの村人にはさせてもらえない。

許可なくとっていい獲物など、野うさぎとモンスター位だ。


しかし、うちの村を治めている領主様はもと農民ということもあって農民の生活に理解があり、狩りを解禁してくださっている。

まぁ、狩りで取れる肉や毛皮は都市に高値で売ることができるため貧しい農民たちは普段自分達で食べることが少ないのだが。



そして俺たちは、今日のために父さんたちが遠くの山で狩ってきたという猪肉を、普段から食べている村のパン屋から買った様々な種類の麦が混ざった黒パンのようなものに挟んで食べた。


食べ終わると、ノエルたちが寝てしまいピクニックはお開きとなった。



16話が登校時、17話が下校時に書き終わったものです。

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