第12話
今書き終わりました。
夏休みの宿題から逃げてきて早2時間、このままだとやばい。
ドンッ
「お兄ちゃん、お!は!よ!う!」
「うぅ、おはようノエル」
「早く起きてよ!ご飯食べようよ!」
「昨日朝は普通に起こしてくれと言ったよな?」
「なに言ってるのお兄ちゃん、そんなこと言われてないよ?」
「あれ?そうだっけ?」
(えーと、確か寝る前にいったと思うんだけど…まぁ、いいか)
「そんなことより早くご飯食べようよ」
「はいはい、着替えたいから少し待ってくれ」
◇
「「ごちそうさまでした」」
さてと、昼飯も食べたしルーナさんのところで回復魔法を教わりにいきますか。
「カイル、ルーナに迷惑かけないようにね。あと、ノエルはミーナちゃんに遊んでもらっておいで」
「はーい」
「わかってるって、それじゃあいってきます」
ガチャ
「おじゃましまーす」
「はーい」
「あ、ルーナさん。今日はよろしくお願いします」
「ルーナ母さんでしょ」
「ルーナ母さん?お兄ちゃん、ルーナさんの子供になるの?じゃあ、私もそうする!」
「あらあら、そういうわけではないのだけれどそれもいいかしらね」
「ノエルちゃんいらっしゃい!私はノエルちゃんが妹になるの賛成だよ!」
「ミーナあんまりノエルを甘やかさないでくれよ?」
「そういうカイルだっていつも甘やかしてるじゃん!」
「二人とも喧嘩はやめてとりあえず上がったら?」
「あ、はい。おじゃまします」
「はい、いらっしゃい。今日からカイルくんは回復魔法の練習だよね?」
「そうです。回復魔法は使えると便利だと思うので一生懸命頑張ります!」
「気合いは十分みたいね。ノエルちゃんはミーナと遊んでてくれる?」
「はーい」
「じゃあ、続きはリビングでしましょう」
◇
「説明はこのくらいね。わからないことはある?」
えーと。
回復魔法はそんな属性があるわけではなくて、水属性魔法と聖属性魔法のことを指している。
水属性魔法は怪我を直すというよりは、回復を少し早めるっていうかんじだけど、使える人が多い。
聖属性魔法は、そもそもその属性の魔法を使うのに『女神の加護』が必要で、更に回復魔法自体が難しいから、使えたとしてもちょっとした切り傷が治せるくらいだと言う。
ルーナさんは優秀な回復魔法使いのようで骨折も治すことができるらしい。
だったと思う。
いろんなことを考えながら話を聞いていたから、少し聞けていないところがあるかもしれないけど、こんなところだったはずだ。
回復魔法が難しいのは、多分人体の仕組みを知らないからだろう。
きっと、魔力でゴリ押しでもしているのだろう。
「うーんと、今は聞きたいことないよ」
「よかった。じゃあ、そろそろ回復魔法を見せてあげましょうか?」
「お願いします!」
「じゃあ、いくわね」
そう言ってから、ルーナさんは固まった。
そして、数秒ほどたってから
「ゴメンね。どうせなら、ケガを実際に治して見せたほうがいいよね。忘れてた。え~と、じゃあ少し指を切ってっと」
え?
ふつうそこまでする?
「ち、ちょっと!そこまでしていただかなくても!」
「いいのいいの。これくらい治せるから。じゃあ改めていくわよ!」
『光よきたれ 安らかなる癒し キュア』
そうルーナさんが唱えると、まるで逆再生されているかのようにルーナさんの指にあったはずの怪我がなくなっていった。
「スゲェ」
「うふふ、これでも回復魔法のなかでは一番簡単なものなのよ」
回復魔法は凄いな。
これを極めていったら死者蘇生とか出来るようになるのか?
そんな魔法があってもどうせ、禁術扱いだろうけど…
「難しくなるほど、大きなケガを治せるようになる?」
「そうね。ただ、難しいものになればなるほど魔法の習得には時間がかかるから凄い回復魔法が使える頃にはお爺さんになっちゃってるかもね」
「そうなんだ。ほどほどが一番だね」
「そうね。あと、さっきもいったと思うけど聖属性魔法の回復魔法を使うには慈愛の心をもっていなければいけないから、回復魔法が凄い人は攻撃魔法がとても弱くなってしまうの。だから、気を付けてね?」
(あっれれー?聞いてないぞー?その話は重要じゃないか?)
「それはどうにかならないの?」
「うーん。両方を実践とかで使えるレベルまで習得するとなると、聖属性魔法の方じゃなくて水属性魔法の方の回復魔法を使えるようになるといいんじゃないかな?でも、私としてはせっかく才能があるんだから聖属性魔法の方の回復魔法を使えてほしいかな?」
(うーん、これは悩みものだな。回復魔法はとりたいけど、攻撃魔法が弱くなるのは困る。でも、回復力が強いのは聖属性魔法の方だし)
「すみません、自分でよく考えてからがいいので答えは明日出してもいいですか?」
「うん、これからのことに関わるからゆっくり考えてね。それにしても、カイルくんは本当に3歳になったばかりなの?凄い落ち着いているというか子供っぽくないよね?」
(あ、まだ3歳なの忘れてた)
「そ、そんなことないですよ」
「ほら、その言い方とか3歳の子供ができるような言い方じゃないよね?」
「く、暗くなってきたのでそろそろ帰らないといけなそうです。今日はありがとうございました。ではこれで…ノエルー帰るよー」
「すぐ目の前なんだしもう少しいたらいいんじゃない?」
「いえ、大丈夫です」
「ほら、遠慮しないで」
「カイルー帰っちゃうの?ノエルちゃん置いていってよ」
「そろそろ、ノエルも限界そうだから家に帰って昼寝をするんだよ」
「お兄ちゃん、かえるの?」
「あぁありがとうございましたってルーナさんに言って?」
「ルーナしゃんありがとうごさいました!あ、かんじゃった」
「かわいいー!ノエルちゃん明日も遊びに来てね!」
「ノエル?あ、もう眠そう。じ、じゃあ、今日はありがとうございました。また明日同じくらいの時間に来ます」
「もう少しいたらいいのに…」
「おじゃましましたー」
バタンッ
(危なかった。自分で自分の年齢を忘れて話しすぎた)
「ただいまー」
「おかえりなさい二人とも、いい子にできた?」
「母さん、ノエルがそろそろ限界みたい」
実は、ミーナの家を出る辺りからノエルが立ったままフラフラするので俺がノエルを背負っていた。
前世でも、こうやって弟を背負っていたりはしたが弟とは4年差があったし、まだ体が小さいため背負っているノエルの足がつきそうになってしまっている。
「あらあら、はしゃぎすぎちゃったのね。カイルありがとう」
「うん、僕も疲れたから少し休むよ」
筋力が足りなくて、少し背負っただけなのにもうヘトヘトだ。
少しソファーで横になろう。
あぁ、このまますこし寝てしまおうかな。
なんか長くなったのでぶった切っただけです。
今日中にもう一話あげます。




