表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

第4話

 



 目を開けた男の子は、私をじっとして見上げた。まるで息もしていないような人形のみたいに見えるから、ちょっと気になったが、ただ眠っていただけのようだ。


「あ、ごめん。起こした?」


 謝罪しながら、私は男の子をこっそりと窺った。

 うん、過度に無表情なもの以外は健康そうね!


「あ、あの……こんにちは」


 じっと見られると、片言であいさつをしてしまった。


「……」

「えっと、もしかして痛いところとかないんでしょう? こんな所で寝ていると危ないよ。恐ろしい魔獣もたくさんいるから」

「君は……」


 男の子が口を開いた。少し開けた唇も綺麗――なんて、何を考えているんだ!


 何だか、恥ずかしい気持ちに顔を下げたその時。


 ――グルルル。


 え。

 これは――

 獣の気配。いや、それは魔獣だ。

 恐ろしい魔獣があると言ったばかりなのに、すぐ現れとは。


 このうなり声は覚えがある。

 オオカミ型の魔獣。

 すばしこく、いつも群れになして行動するために難しい相手だ。

 一匹が姿をさらすと、相次いで二、三、四…… 限りない魔獣に囲まれてしまった。

 勇者のころは簡単なことだったが、今はどうだろう。


 私は落ちていた一本の木の枝を取上げ、立向かう。

 が、ぐっと伸ばした木の枝が簡単に壊れてしまう。


「やっぱり、無理かしら」


 勇者のころだったら、一気に頭まで貫く一撃だが、今の身体にはどうしようもなかった。

 目の前で大きく開いた口の中の鋭い牙が輝く。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ