*第一回 〜青春のHello good-bye !?〜*
もし、あの時、あの場所にいなかったら。
もし、私が夕暮れの空に目もくれていなかったら。
もし、私が先生の雑用を任されてなかったら。
そして、あの夕暮れを見なかったら・・・
私の未来はどうなっていたのだろうか━━━。
今だから言える事、もし、あの出来事がなければ知らない間に、
人生を損していたのかもしれない。
_φ(❐_❐✧
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『うん!こちらこそ!よろしく』
『『私はゆめ!琴吹ゆめだから!』』
ヤバイ。思わず叫んでしまった。直後、なんとも言い知れぬ違和感を感じた。
そう、知らない人の視線を一気に感じた気がします…。
ひ、引いてないかなぁ…?不安げな顔で彼女を見つめた。
いや、正確に言えば、おそるおそる顔を覗いた。それが精一杯だったのだ。
引くどころか、クスッと笑ってくれた、気がする。
もしかしたら、鼻で笑っただけかもしれない。それでも全然いい。
今の私は周りから見れば、挙動不審な人にしか見えないだろうから。
彼女は、私の腕を掴んで引っ張ると、『嬉し〜じゃぁ、早速教室行きましょ♪』
と言い、走り出す。
な、な、なんていう急展開キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
こ、これは、私が男子だったら100%惚れちゃうパターンです。
天使様からお誘いの言葉頂きました。(笑み)
そのまま走る ━━。新しい場所、それは未知の世界━
まるで冒険してる気分になる。ただの階段だって永遠に続く、螺旋階段。
風の音、甘い香水のような匂いとともに。
この展開は・・・10秒思考停止・・・ 【自己解決中…】
えー、私、琴吹ゆめは、高校生活初日、晴れて友達出来ましたあああ♡♡♡
わぁ、神様有難うございます!!!__「ねぇ、どした?」
不意に前から声を掛けられる。「ーほへ?」
突飛すぎたので、声が裏返ってしまった。『考え事、みたいな?』さらに続けた。
なんで疑問系なんだよ私(ーー;)違う意味で怪しまれるわ…。
『そう?変なのっ(笑)』と、不思議そうにしながら笑った。
とりあえず怪しまれなかった。妙な安心感。そう、安心感。
この言葉はこういうときの為にあるのだ。
これ以上、変人扱いされるような言動は避けたい。
ははは、気にしないで〜と慌てて返す。何とも表現しがたい感情、
そう、罪悪感。期待を裏切ったような、後ろめたい気持ちになる。
『で、何か願い事したの?神様に。』な、何でそんなこと?
彼女は超能力者?エスパー?もしかして心理学者!?
「「な、なんで!?」」やっとかえした返事。またも声が裏返ってしまう。
『え〜?だってぇ神様にお礼言ってたじゃない』うっかり心の声を呟いてしまった。思い返せば昔から、心の声がダダ漏れだった。表情が顔に出やすくて…
思ったことは口に出してしまう事が多々あったりなかったり…
簡単に言えば、どうやら私は思考回路が単純で、嘘もろくにつけないのだ。
内心ホッとした。実は、人の心が読めたりするんじゃないかって思ったから。
また想像膨らませすぎた。そんなものは所詮、夢のまた夢の話ー。
このときはまだ、いずれ、“夢のようなことが現実になる”
なんて、知るはずがなかった。いや、私なんかに知る術はない・・・。
『そ、それは〜、ちょー素敵な友達出来るように願ったんだ〜///』
いざ、言葉にしてみると、照れ臭い。
でも、神様なんてものには本当感謝してる。こうして今、友達が出来たから。
メイリちゃんに思い切って伝えた。『へえーよかったじゃない。』と優しく笑う。
あまり伝わっていなかった…。なら、もう一回伝えるのみだ!
『私の出来た素敵な友達はメイリちゃんのことだよ!!!』
唖然とするメイリちゃん。言葉が足りなかったかな?
さらに続けた。『あとね、会ったばっかだけどメイリちゃん大好きだもん!
上手く言葉じゃ表現出来ないけど、話しかけてもらったとき、嬉しかった。』
つい、語り過ぎてしまった。メイリちゃんはかすれた声で何かを言う。
『ありがと、私も。』確かにそう呟いた。
下を向き、足早に廊下を歩くメイリちゃん。私も急いでついて行く。
少し足を止めた。微かに赤い頬が見えた。これは照れ隠し?…だったらいいなぁ。
急に振り返るメイリちゃん。メープル色のツインテールが宙を舞った。
『てゆーかいきなりなななに言ってるのょ!?
あにゃた、ストレートすぎてこっちが恥ずかしいゎっ///』
(ृ ु ◍՝皿՛)ु ガルルル~
くるりと背を向けまた歩き出す。混乱してる!?いや、もしかして怒ってる!?
でも、そんな姿だって可愛くて、つい、まじまじと顔を見つめてしまう。
教室が見えてきた。気づいたら、教室はもうすぐそこだったのだ。
あっという間。大袈裟だけどなんか寂しい。
この心地よい時間がもっと続いてほしい。
別に、教室でも話せる機会なんていくらでもあるはずなのに・・・。
ただ、もう少しこのまま、特別な気分のままでいたいのかもしれない。
だって、憧れだった高校生活だもん。
どんな些細な事だって、当たり前な日常だからこそ、
その全てが想像よりもずっと、輝いて観えるものなんです!
(*゜∀゜)*。_。)*゜∀゜)*。_。)ウンウン
教室の目の前でメイリちゃんは突然立ち止まる。
『あのさー、メイリだから。もう友達なんだから、呼び捨てにしてよ』
そう告げ、何かを投げた。ナイスキャッチ!とニコっこり微笑む。
満面な笑みだった。私まで笑みが溢れた。中身はー。
ア、アメちゃんやないかいっΣ(・□・;)
なんで飴!?理由…、きっとそんなのどうだっていい。
それにしても、なんて可愛い花柄の可愛い包装紙。
メイリのイメージにぴったりだ。それに、なんて甘い甘い匂いがするんだろうー。
我慢できなくて、結局、食べてしまった。
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新食感、オレンジレモン味だった。甘くて酸っぱい、それはまるで、青春の味。
初めて食べる、幸せな味。『メイリ!美味しよー!』叫んでやったよ。
『おー!ってか、あたしは美味しくないょ!?』
こういうのってくすぐったくて、すごく愛おしい。
そう、ベタでありがちな日常こそが愛おしいのです
。*+.★(*'v`p愛q).*☆
ハロー、青春の始まりはすぐそこに━━。
*****
あっという間の放課後。見慣れぬ景色、街ゆく知らない人々。
ゲーセン近くでは爆音が響く。唯一知ってる、いつも通りの光景。
そんな、自然が溢れてる訳でもないこんな場所の空気さえもおいしい。
久しぶりに外に出た感じがした。疲れてるのかな…
学校外に出た、ちょっと先には沢山のお店が並ぶ、なかなかの都会。
今日は、疲れていたせいか、寄り道する気にはなれなかった。
いつか、友達と食べ歩きとかしたい。息を思いっきり吸い、吐く━。深呼吸。
ああああああああああー!思わず叫んだ。張り詰めた教室の空気は息が詰まる。
自己紹介は見事に噛みまくっちゃうし、先生に雑用も頼まれた。
おかげですっかり夕暮れだ。少し内心上げてやるなんて言ったからしょうがない。
一日を通して、何んだかツイてたようなツイてないような。
ちなみに先生は女性です。それが、ちょースパルタ教師!
初日だって言うのに私語は許さない、なかなかの堅物だ。
それから━━。まぁ、色々あったけど気づいたら放課後です・・・
ただ問題が一つ、メイリ以外の人とまだ喋ってないって事!
これはピンチ!大ピンチ!あの後すぐ、スパルタ女教師の人生なんか聞かされて、
とにかく大変だったんのです!(╥ᆺ╥;)
メイリとも話せてない。そのうえ席が結構遠いのだ。
ふと、上を見上げる。真っ赤な夕日が眩しすぎて、目を細めた。
なんて綺麗な空なのだろうか。見入ってしまう。
無意識のうちに空を見上げ明日の事考える。これじゃ、次の電車に間に合わない。
まぁいっか。次の電車まで待っていればいい━━。
駅のホームには見事なことに誰もいない。ポツンと佇む小さなベンチに腰掛けた。
誰もいない。それほど遅くない時間帯なのに。不気味ささえを感じる。
異様な静けさを気にしないように、イヤホンを付け、誤魔化した。
ドドドドド、ドッシーンッッッ!!!突然の炸裂音。
当然、私の聴いてる音楽じゃない。
┣¨┣¨┣¨≡ヘ(*`Д´)ノ┣¨┣¨┣¨
『痛いなぁ何処だここ!?
あ、これがセメントコンクリートってやつか!硬くて嫌だなぁ〜』
割と低い、大きな声で独り言。
こんな事ってありえない。信じられない光景を目にした━━。
そう、非日常的な出来事、ゆえに驚愕な出来事。
ただの見間違いだろうか?きっと幻覚だ。
あの、綺麗な夕焼空けから、少女らしきものが落ちてきたのだ。
━━いや、きっと少女は転んだのだ。
『ちょっと!お前、何故僕の張った結界の中にいる!?』突然話しかけられた。
わ、私ですか!?唐突すぎて驚く、というよりも納得。
転んだ姿なんて見られたら、誰だって言い訳がしたいだろう。
『おい、聞いておるのか!?僕は神だぞ!さっさと質問に答えろ!』
よく見ると、とっても美人だ。少女というより女性といったほうがいいくらい。
それに、澄んだ瞳はまるで宝石。サファイアやエメラルドに似てる。
『カミ?!えっ!?ドコ!?』(ºωº;≡;ºωº )キョロキョロ
辺りを見回す。神様・・・まさか、こんなところにいるわけがない。
『ふんっ、変な奴。まぁいい。この世界はもう、終わるんだから。』
吐き捨てた。あまりにも冷たく真剣な目で告げ、静かに笑う。
なぜかこの場所だけ時間が止まっているように思えたー。
.......................、 、
この出来事は、私の平凡な日常に終わりを告げた。
そう、私の夢見た世界や青春は、きっと終わりを告げたのです。
さて、信じられないことが起きてしまいました━━━。
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《おまけ;》
え?次回、世界が終わる!?宇宙人侵略?!魔王降臨とか?!
了━d(*´╹︶╹`*)━解☆ って場合じゃないだろボケぃヽ(゜Д゜)