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第七話:そろそろ終わるプロローグ

お久しぶりです!


やっと更新できる!


ということで、はじまりまーす!


「ふぅ。にしても、本当にすごいなこの部屋は……」


いや、部屋だけじゃない。

この屋敷全体がそうだし、まず庭からしてもおかしい。

部屋の窓を開けると、外の冷たい空気が室内に入り込んでくる。

しかし、その寒さを忘れるほどの広々とした庭が眼前に広がっていた。

部屋の階は二階だ。

下を見下ろすと、噴水なんかもある。

来るときに全然気がつかなかった……。

そして警備員に敬礼された門が見えない。

本当にどれだけ広いんだよ……。

寒さが応えたのか、ぶるっと大きく身震いする。


「うぅ、さむっ!」


窓を閉め、黒い革で出来ている背もたれが大きいチャアに腰を下ろす。

うん。座り心地は抜群だ。

身が埋まるんじゃないかと思うぐらいフカフカとしている。


「お兄ちゃーん?」


とそこで、控えめなノックと共に琴美の声がした。


「琴美か? どうした?」


俺の声に、琴美は少しオドオドしながら部屋に入ってくる。

そのいつもとは違った様子はきっと緊張しているのだろうか?

だとしたら可愛いところもあるじゃないかと、笑みを零す。


「何だかすごい事になっちゃったね」

「そうだな。俺は今でも夢を見ているんじゃないかと思うよ」

「え? これって夢なの? じゃあお兄ちゃんを襲ってもいいのかな?」

「夢じゃなくても同じセリフを吐くヤツが何を言っている。それとその要求は却下だ」


俺の返答に頬を膨らませ「ケチ~」と拗ねてみせる琴美。

誰がケチだ。俺は何も間違ってないぞ。


「それにしても、お爺ちゃんがあの『神崎ブランド』の創設者さんだったなんてね。お父さんとお母さんが駆け落ちしたっていうのもそれと関係があるのかな?」


琴美がベッドに座りながら聞いてくる。

あーそういえば琴美には真相を話していなかったな。

目を細め、顔を少しだけ俯かせている琴美。

俺もベッドにまで移動し、琴美の隣に腰を下ろす。


「……お兄ちゃん?」

「……今から、俺たちの両親について……本当の事を話すよ」


上目遣いで俺の事を見上げてくる琴美の目を見ながら、俺は真実を琴美に語りだした。



◇◆◇◆◇◆◇



「……なにそれ?」

「うん。俺も最初はそう思ったよ。お前の反応は何も間違っちゃいない」

「えー……」


さっきとは違う意味で顔を俯かせる琴美。


(あーやっぱりこういう反応になっちゃうかぁ……)


今まで爺さんに会えなかったのも、駆け落ちしたという嘘も全部「その方がロマンだろ?」の一言で片付けるんだもんな。

琴美だってもっと親戚にの人に甘えたかったのかもしれない。

そうだとしたら……いや、そうじゃなんくても、それだけの理由で駆け落ちなんて嘘は自分勝手すぎる。


俺は握り拳を作るが、それをどうすればいいのかも分からず、後ろに倒れ、仰向けになる。


(あ、こうして仰向けになるまで気がつかなかったけど、天蓋でも天井が透けて見えるんだ)


仰向けになり、上っていた血が下がったのか、幾分冷静さを取り戻した俺。

こんな意味のない発見をする。


「ん……」


琴美の丸まっている背を見ると、微かに震えていた。

はぁ。ウチの両親は何を考えているんだ。

こうして大切だって言っていた娘を泣かしやがって。


(本当なら俺だって泣きたいよ)


けど、そんな弱い自分を琴美に見せる訳にもいかない。


「ねぇ、お兄ちゃん……」


震える声で琴美が俺の名を呼んでくる。


「琴美……」

「やっぱり同じ部屋じゃないと色々不便だよね?」

「…………」


俺は琴美の言葉に反応を示さない。

それはコイツの為とかではなく、ただ自分の為、己の為にだ。


「だってさ、夜とかわざわざ部屋を出ないとお兄ちゃんの部屋に来られないんだよ? ……廊下とか寒そうだし」


俺はあくまで無視を貫く。

だがしかし、琴美の口が閉じる事はない。


「そうだ! だったら美咲さんとかに同じ部屋にして貰えばいいのか。さっき言ってたよね、何でもお申し付けくださいって!」


琴美はにこっと俺に笑みを見せてくる。

けれど、その笑顔に対して俺は、恐怖と諦めという感情しかわいてこなかった。

何故かというとそれは、ただ単純に、妹の馬鹿さに恐怖を抱き、妹の阿呆さを治す事は諦めるしかないと思ったからだ。

決して、琴美の言いなりなろうなどの諦めではない。断じてない!


「なぁ琴美よ」

「ん? なに、お兄ちゃん?」


本来ならば、琴美が何も気にしていないのは良き事なのだ。

だが、この琴美の態度に俺は何だか釈然としなかった。

無理をしているようならば、空元気だなど理解できるけれど、今の琴美にはそんな気配しない。

俺は確かめるように、笑顔の琴美を見つめながら問いかける。


「お前は、両親がこんなくだらない事で嘘をついていた事に対して何にも思わないのか? 俺だって腹が立ったんだぞ?」


そう。今でもまだ多少は恨んでいる。

まぁこれもあの両親の性格を考慮すれば許しても問題ないのだが、こういった危機に近い状況なると今まで隠してきていた自分の嘘を平然となかった事にする。

まぁこういう機会だったから、という理由もあるかもしれない。

だとしてもだ。もう少し早くこっちに説明なりなんなり、連絡を寄越してほしかった。


「うん。今の話を聞いて、やっぱり最初は驚いたよ」


琴美がぼそっと零すように言葉を紡ぎ出す。


「だって……」

「…………」


琴美は一端そこで目を瞑り、言葉を区切る。

別に焦らせる必要はない。

俺は静かに続きの言葉を待った。


「――だって、実は私とお兄ちゃんが義理の兄妹とかだった! なんて設定かと思ったのに、駆け落ちが嘘? それはないんじゃないかな!?」


カッと目を見開いて、何故か俺に逆ギレしてくる琴美。

こんなんでも俺の実妹(いもうと)なんです……。


「そう思うでしょ!? それで実家がこんな大金持ちって……最近のエッチなゲームでも中々ないテンプレだよね!?」


うるせーな。

そんな事言ったら、義妹だってテンプレじゃねーか! ――というツッコミは心の中だけにしておく。

何せ、ここで何かしらの反応を示せば、俺はまちがいなく喰われる。


「やだなぁ。そんな私がお兄ちゃんを食べるだなんてぇ…………あるかもね♪」


最後だけ俺にも聞こえないくらいにボソッと喋る琴美。

そうでした。俺の心の中はモロバレしていたのでした。

だったら心の中で悪態でもつこうじゃないか。

こんな妹ありえないだろう!


「あーあー聞こえない」


都合の良い耳をお持ちだ。

琴美は俺の心の声は聞こえないといった感じに耳を塞いでいる。

つかその声って耳で聞いていたのかよ。

なんつー地獄耳だ。


「まぁ嘘でも何でもない真実は置いといて――」


琴美が自信の前から横に何かを置くジェスチャーをする。

そこは「そんな事」とかだろ?

何とんでもない事言ってくれちゃってるの?

俺はひたすらに、唯々一人でツッコムが、琴美はお構いなしに独りでに喋り出す。


「まぁ実際話、私は知ってたんだけどね」

「――は?」


琴美が何か今とんでもない事をサラッと言ったような……


「私さ、何か少しだけ怪しいなぁと思ったんだよね。毎年年賀状だって来るし」

「そ、そうなのか!? 俺はそんなの見た事ないぞ!!」

「ああだって――」


琴美は、ふぅと一端区切り、


「そのままの方がドラマチックだし、そういう環境の方がお兄ちゃんも興奮すると思って……つい私が毎年隠していました」


テヘッ☆ と舌をペロッとだして後頭部を掻く琴美。


あーーやっぱお前はあの親の娘だよ、残念だ……。


「それってもしかして義妹だったら襲えるのにぃ!! って事!?」

「そういう意味じゃない!! それに俺はそんな事なんかで興奮なんかしないからな!」

「えーだって、親が駆け落ちしたって環境で、近くに年頃の実妹……お兄ちゃんの持っているゲームでそういうの多かったから」

「ぎゃあああああああああああ!!!!!!!」


俺には……俺にはプライバシーというものがないのか……っ!!!


「ここにだって持ってきているみたいだし」


プライバシーーー!!!!


「京一様、失礼します」


俺がいい感じで現実に押しつぶされそうになっていると、陽菜さんが軽くノックをして室内に入ってくる。

俺と隣にいる琴美を見て、


「あ、琴美お嬢様。京一様のお部屋にいらしたんですね」

「うん。あ、私お兄ちゃんと同じ部屋がいいんだけど」

「京一様とですか? 畏まりました。では、本日中には改装を済ませ――」


「あ゛ーーーーーーーーーっっ!!!!!!!!!」


何か俺の意見を無視して話が進んでいる様なので、それを無理やり遮る。

つか琴美のヤツ、何とんでもない事をお願いしているんだ……。

琴美を見ると、目を細め、ニヤッとほくそ笑んでいた。

油断も隙もない妹だ。

こんなにも危険なのが妹だなんて……俺に気の休まる場所はないのか……?


「え、あ、あの……?」


陽菜さんがどうすればいいのか戸惑っている。


「すいません。さっきの話はなかった事にしてください。それと琴美がこれからそういう事をお願いしても一切聞かないでください」

「お、お兄ちゃん!?」


あたりまえだ。

何をそんなこの世の終わりみたいな顔をしているんだ。


「そういう事ですね。畏まりました。でもいきなりで私、びっくりしちゃいましたよ」


陽菜さんが苦笑している。

そうだよな。いきなり俺があんな大声で叫んだら誰だって……


「――だってまるで、『アーッ!』なんて……京一様は薔薇がお好きなのかと」


「そ ん な 事 は あ り ま せ ん ! !」


え? 何? 陽菜さんまでも敵なんですか!?

つかこの人も実はとんでもない人!?


「あ、そうでした。京一様、琴美様、お昼食のご用意が出来ております。既に源二様はお見えになっておりますので」


そして何も無かったように、この部屋に来た用件を言う陽菜さん。


「は、はい。分りました」


俺の本能がこれ以上突っ込んだら負けだと告げている。


「お兄ちゃん……突っ込むって……アーッ♪」

「うるさい!」


琴美の頭にコツンと拳骨を落とした俺は陽菜さんの案内で食堂へと向かった。


(はぁ。風呂に入りそびれたよ……)



どうも!

長い間放置してすいませんでした!


とまぁ、今回はこちらを更新しましたが、近いうちにもう一つの方も……!


では、感謝コーナーです!

メガネ様、感想ありがとうございました!


では、次回もよろしくお願いします!

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