陽だまり
掲載日:2026/05/16
一粒ちゃいろい花の種
ぽちっと地面に落ちまして
誰にも拾われずそのままで 水をすすって根を張って
けれども花は開きません
赤くてきれいな花びらを 鳥の羽ばたきのように開かせる
知っていながら咲けません
なにが足りずにこのままか
知らないから咲けません
とある日優しい女の子 咲かない花を心配し
陽の下に植え直して 元気でねと微笑みました
そこは光の中でした ようやく今まで陰の中にいたのだと知りました
真白にかがやく太陽に 触れたくて背を伸ばして
気づけば体が熱く ちりちり音がしてました
わたしのためのあなた わたしが生きていくために必要なあなた
けれどあなたにわたしは必要ありませんでした
悲しくて泣きました その涙すらさらわれていきました
拒まないでと願っても 光は陰を拒みました
そうして燃え尽きて くしゃくしゃになって小さな種がぽっちり
柔らかい地面の上 種は根を伸ばす力もなく寝ています
光の下 陽だまりの中
もう一度手を伸ばす日を夢見ます
いつもお読みいただきありがとうございます。私がここまで頑張ってこれたのは、いつも応援してくださったり、私の作品を見つけてくれたかけがえのない皆さんのお陰です。




