エピソード 1
夢を見た。確かに夢だ。
あれ?
ここはどこ?
森?
びっくりするくらい現実味がある。
視界に綺麗な黒髪が見える。
私じゃない?
近くにあった水たまりで顔を覗いてみる。
何度夢見ただろう。何度想像しただろう。何度私を支えてくれただろう。
確かにそこには、私の想像でしかなかったキャラクター、現実には存在しない私の理想。
『ソラ』
自然と涙が溢れ出した。その姿は私の想像していた通りの私のキャラクター。
背中まで伸びた綺麗な黒髪に唾を飲むように美しい燃えるような瞳。
夢が私の願いを叶えてくれた。
涙を止めなくちゃ。きっと彼女だったら泣かない。
少しの夢の時間。少しでも彼女でいられるなら。私の理想とした彼女でいたい。
ここは、私の妄想からできた世界だろうか?
それなら......
少し力を入れて風を殴る。
自分でもびっくりするほどの風が立つ。
すごい......かっこいい.......
ずいぶんと幼稚なコメントしかでない。
そして、また泣きそうになって涙をこらえる。
私の理想の彼女なら風を殴ったりしないなと半笑いしながらもう一度辺りを見渡す。
どこを見ても「木」
私の妄想力が足りないからだろうか.....
『少し歩こう』
歩いている時間の間に夢が終わってしまうのではないかとハラハラしながら歩く。
「誰?」
いきなり聞こえた声の方を向くと今まで見た誰よりも美しく儚げな少年が立っていた。
その瞬間意識がボヤっとし落ちていく感覚に引っ張られる。




