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私は色んな世界でどう生きる  作者: Neru


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第1章物語の始まり第1話空白の少女

見つけてくれてありがとうございます

第1章 物語の始まり 第1話 空白の少女

『この世界は様々な世界が存在する。例えば、『妖怪が実在する世界』『ロボットだらけの世界』『魔法が存在する世界』『なんの力も持たず平和に暮らす世界』『人々に忘れ去られた世界』それらが存在する。そんな中で生きる『ルカ』の物語だ』


 

 蝉が騒音のように泣いてる中、誰もいない教室に1人ポツンと女性が机に寄りかかって寝ていた。蒸し暑い風が入りカーテンが揺れ、長い黒髪がなびく。


 チャイムがなり、スっと目を開けて寝ぼけているのかボーッとしている。彼女の名前は『ルカ』。ルカはオブリートスと言う世界でルカの師匠から、ある依頼を任されて人間界に来ている。


 その依頼の内容は『未登録の者が入っていく情報が入ったため、見つけ次第拘束あるいは抹殺せよ』と言う依頼だ。そして、この世界になんとか溶け込むために長い間頑張っていた。


 「帰ろう」


 不良校ならではの不良達の笑い声やタバコの匂い、女達が付ける鼻がもげそうな程の甘い香り。


 女からは見た目だけで嫌われ教室に行けば面倒に巻き込まれる。


 嫌なことの方が多いが1番いいところはサボれるところだ。


 学校を出て街を歩いていくとサボってる女子中学生三人が噂話をしていた。


「ねぇ、知ってる?この街に姫がいるんだって」

「姫?」

「嘘!姫の事知らないの?姫はめちゃくちゃ美人なの!それだけじゃなくて力も強いらしくて暴走族の人たちとかヤンキーとかが狙ってるんだって〜。でも、姫は人のことあまり好まないらしくて有名になったことで姿を隠してるんだ。でもさっき言ったようにこの街にいるらしいの!」

「うそ!私も会えるかな?」

「運が良ければ会えるかもよ!」


 ルカは女子中学生とすれ違うとボソッと小さな声で呟いた。


「くだらない……」


 姫は、喧嘩も強く姿は綺麗で、特徴は金と銀の混ざった髪、左右が緑と青のオッドアイだと噂されている。そして、その姫がルカだ。訳あって姿を隠している。

 

 外がとても蒸し暑い日の中ルカは交差点の横断歩道を渡ろうとそんな時、三人の小学生の男の子が急いで横断歩道を渡ろうとするが、左から猛スピードでトラックが走ってくる。


 トラックは信号が赤にも関わらず止まる気配がなく、よく見ると運転手が車のハンドルの方に体がのしかかり気を失っているのが見えた。そして、トラックの上には魔物が居た。


「あれは!」

 

 ルカは魔法でナイフを創造しトラックの上にいる魔物に向かってナイフを投げた。そのナイフは魔物の頭に刺さり倒れると砂のように消え去った。


 ルカはホッと安心すると周りから悲鳴が聞こえた。悲鳴の聞こえる方をみると、一人の男の子が横断歩道で転んでしまい、男の子は恐怖のあまりに涙を流し動けずにいた。


「まずい、早く助けないとあの子供が死ぬ!」


 ルカは急いで男の子の元へ駆け寄り男の子に覆いかぶさると同時にトラックに衝突。


 ドンッと鈍い音が鳴り、ルカと男の子が飛ばされた。


 硬いアスファルトに勢いよく頭を打って転がると全身に激痛が走り、頭から生ぬるい血が流れて視界がぼやける。


 助けた子供はルカを見つめ涙を溜める。


 携帯を持ち病院に連絡する様子と、誰かが唖然としてその光景を見ている様子が見えた。だが、その中に、黒い髪に黒い瞳、ルカと瓜二つの女性がルカを見つめて笑みを浮かべていた。


「みーつけた……」


 ルカはその姿に驚いたが視界がどんどんぼやけていき意識を失った。


 

 ルカは見覚えのある場所で小さな少年と話していた。彼女は今よりも幼く、ルカと少年は孤児院の縁側で夕陽に辺りが照らされる中指切りをしていた。

 

『大きくなったら必ず迎えに行く!約束だよ!』

『えぇ、約束ね』


 見覚えのない光景に、視界がどんどん狭く暗くなった。空気は冷たく、薬品と血の匂い。自分の体にまるで異物を入れられてるような感覚と悲鳴をあげたくなるほどの全身の痛み。彼女の隣でぶつぶつと呟いてる男。



 また、目の前が暗くなり、まるで記憶が墨で塗りつぶされていくかのような感覚だった。そんな感覚がどことなく怖くも感じる。

 

(待って、今の夢は何?何も分からない、何も思い出せない。どうして、分からない。怖い……怖い……。あれ……?私は誰?私は……)


 完全に当たりは真っ暗闇になった。

 

 事故から1ヶ月と1週間がすぎる頃、部屋に看護師が入ってくる。

 

 「おはようございます。今日もいい天気ですよ。カーテン開けますね」


 眠ってるルカに看護師が声をかけ、近づくとルカの(まぶた)が少し動いたのを見た看護師は慌てて先生を呼びにいった。


 

 白い天井、薬品の匂い。心の底から強く感じる嫌悪感。


(あぁ、私はここが嫌いだ。)


 ゆっくり体を起こすとドアの方から誰かが見てるような感じがした。

 

「誰……」

 

 ドアの方を向いてみると知らない人が二人立っていた。


(知らない人……。誰?)

 

「驚かせてすまない。私の名前は高橋健一だ」

 

 先生は自分の首にぶら下げてる名前プレートを見せながら笑顔で自己紹介をする。ルカは先生のことを警戒しながらも質問をした。

 

「ここは?」

「ここは病院だよ、君は子供を守るために、トラックにぶつかったんだ。覚えてるかな?」

「事故……」


(子供を助けた?トラックにぶつかった?何それ?知らない。分からない。どうして?)

 

 ルカは必死に思い出そうとしているが、頭の中が真っ白で何もわからなかった。そんな様子を見ていた先生は優しくルカの方に手を置き笑う。

 

「大丈夫だ、落ち着きなさい」


 先生は看護師の方を見つめると小さく頷いた後、病室から離れた。

 

「自分の名前わかるかな?」

「名前……」

 

(名前が思い出せない。どうして……)

 

「じゃあ、年齢は?住所は?誕生日はいつかな?」

「わかんない……」

「最後に目が覚める前のことに覚えてることは?」

「何も……」


 どうしても思い出そうとすると頭がズキズキする。

 

「そうか……。教えてくれてありがとう」


 その後、先生から自分の名前を教えてもらった。しばらくすると看護師と共に女性『文乃』が入ってきた。文乃は病室に来るまでの間に走っていたのか肩まである茶髪の髪が乱れ、呼吸が荒く、汗を流していた。

 

「ルカ……」

 

 文乃はルカの方を見て少し安堵した表情で名前を呼ぶ。


(この人、どうして私の名前を知ってるの?)

 

「あなたは?」

「私は孤児院で働いてるものです」

「そうでしたか。突然ですが、とても残念な話があります」

「残念な話?」


 先生は部屋を移動しようと病室をでて別の部屋へ案内されると先生は真剣な表情をして丁寧に説明をした。


「ルカさんは事故によって一時的記憶障害で全ての記憶を失ってるんです」

「それって……」

 

 先生は真剣な表情で答えると、文乃は血の気が引くように青ざめ言葉が詰まる。

 

「記憶喪失です」

「そんな……。先生、ご冗談はよしてくださいよ」

 

 文乃は困惑した状態で苦笑いをするが先生はうつむきながら首を横に動かす。

 

「おそらく事故によって頭を強く打ち付けたことで起きたのだと思われます」

「記憶はいつ頃戻るのでしょうか?」

「いつ戻るかは正直わからないです。人によって違いますので、それに、記憶が戻らない可能性だってあります」

「ルカは戻りますよね?」

「それは断言できません」

「そう……ですか……」

「ですが、明日には退院しても問題ないですよ」

「わかりました……。それではすぐに引き取らせて頂きます」

 

 文乃が深々とお辞儀しながらお礼を言って部屋を出た後、再びルカのいる病室に戻り、ルカに自己紹介をした。


「はじめまして、私は文乃。よろしくね」

 

 文乃は辛い表情を隠すように笑顔で喋る。

 

「はじめまして」

 

 文乃の笑顔に対しルカはぎこちない表情を見せながら挨拶を返す。

 

「私とあなたは、双葉孤児院で暮らしてるの。覚えてない?」

「孤児院……」


 身に覚えもない名前を出されてルカは軽く首を横に振る。

 

「そっか……」

「……」

「口数が少ないのは変わらないのね」

 

 文乃はフフッと笑いながら言うがルカは俯いた状態だった。

 

「明日退院出来るみたいだからまた迎えに行くわね」

「わかりました」

 

 文乃は悲しさを隠し切れておらず笑顔をルカに向け部屋を出ていこうとするがルカが『あの!』と言い文乃は足を止め振り返る。


(私のせいで、この人に迷惑かけちゃってるら早く記憶を取り戻さないと!)

 

「絶対、思い出してみせます!」


 ルカは文乃に勇気を振り絞って話しかけたのか大きな声で喋るが、文乃は悲しげな表情を浮かべながら笑顔で『無理に思い出そうとしちゃダメよ?少しずつでいいのよ』と言い、最後に『またね』と言って病室を出ていく。


 (文乃さん、悲しい顔をしてた……。私のせいで迷惑をかけてしまった。文乃さんはあんなこと言ってくれたけどでも、早く記憶を戻そう……)

 


 あたりは暗くなりルカもベッドで眠っていると突然鍵のしまった窓の鍵か開きカラカラと音を立てながら窓が開く。


 窓から誰かが入りルカの枕元に黒い体に紫の差し色がきいたパーカーを着ているクマのぬいぐるみとメッセージカードを置いてボソッと何かを呟いた。


 「君に、プレゼントだ。君のことを守ってくれる。記憶が戻るまでの間は大切に使ってくれ……」


 何者かは窓の方へ向かいそのまま姿を消した。


 夜風がカーテンを揺らし、ぬいぐるみの目が一瞬光ったような気がした。

読んでくれてありがとうございます。感想をいただけるととても嬉しいです///

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