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第四話 混濁

                   メグリ

                ~月下の隻腕巫女~


月光が照らし出す夜の帳の中、互いに睨み合う二人のならず者風の男達と、二人の女。


女のうち一人は眼光は鋭く、艶やかな褐色の肌を持ち、その四肢は女らしいしなやかさを持ちながら同時にやや筋肉質でもあり…そしてさらにその身体を、見る者をして思わず目のやり場に困らせるような…かなり布面積の乏しい衣装に身を包んでいる。


もう一人は透き通るようなピンク色のかかった白い肌を持ち、褐色の女に比べればその体格は華奢と言って良く、相方に比べればかなり“服”と呼んで差支えの無い衣装を身に纏ってはいる。


しかしこの女はこの女で、その体格と、柔和な顔立ちに不釣り合いなほどの長弓を左手に携え、さらに同様に長い矢…少なくともその細い腕よりかは…を右の手につがえようとしている。


そしてこの二人に共通する、かつ、男達やめぐりに当てはまらない身体的特徴…その耳の形状は…


彼女たちが、いわゆる“エルフ族”と呼ばれる種である事を物語っていた。


「え、エルフがなんで人間の街に!?」


「エルフは高貴な種族。ゆえにお前たち人間と交わす言葉は持ち合わせてはいない」


褐色の女がそう告げた次の瞬間、それに呼応するかのように肌の白い方がほぼ一拍子でつがえた矢を発射する!


バシュッッ


放った矢が男の脚に


ドスッッ


「待ッ…がああああああッッ!!」


「ヒイッッ」


免れた方の男も、思わず悲鳴を漏らす。


「早く立ち去らないと、もう一本の脚も失うことになるぞ!」


月明かりに照らされながら悪党どもを見下ろし睥睨しつつ、色白エルフが叫ぶ


気圧され、とても敵わないと感じたか、背中に矢を受けた男を放置してよろよろ逃げ出す二人の男。


そしてそれを見届けるやほとんど音も無く屋根から飛び降り、めぐりの元に駆け寄るエルフの女達!


彼女たちの着る衣装の胸元は、共通した意匠が施されているようにも見える。それらはまるで三日月の様な…


「なんて酷い事をッ!!」


「あいつらがやったのかッ!?…いや、それにしては出血が少ない」


「切り落とされた腕は…どこだ…?」


めぐりの左腕・患部の心配をしつつ、素朴な疑問を口にする褐色エルフ。


しかしそこで


「ティバッッ!!」


「早く連れて帰って手当をッッ!!」


色白エルフがほとんど悲鳴のように呼びかける。まるで自らの腕がそうであるかのように


それに対し、ティバと呼ばれた褐色エルフが応える


「あ、ああ、そうだな!ペルテラに」


その時!


「…うるせえよ…」



「!!!」



思わず顔を見合わせるエルフの二人。


めぐりは目の焦点が定まっておらず、混濁した意識の中でうわ言を呟いているようであった。


<後略>

第四話は以上となります。

続きは「ステキコミック」内で連載中の「メグリ~月下の隻腕巫女~」第四話をご覧ください!!

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