表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

第二話 異世界

「うわああああああッッッ!!!!!」


メグリ

~月下の隻腕巫女~


「おッ…お前ッ…」


めぐりはこの状況になりながらも、なおも「月の女神」を睨みつける。


「よくもッ…よくもッ…私にこんなッ…」


「これだけは、憶えていて」


「えっ…?」


「転生者とは、即ち月のようなもの」


「…ッハアアアアアアアア???」


めぐり、怒りを、そしてその絶望すらも一瞬忘れ、思わず驚愕する


その女神はなおも意味不明で、不可思議な言葉を紡ぎ続ける


「満月となって異世界に光をもたらすも…」


「あるいは…新月となって闇をもたらすも…」


「すべては…転生者あなたたちの…」


「いやいやいやいやいやッッ言ってる意味が分かんないんだよッ!!」


ガタンッ


ゴオッ


やがて、めぐりの背後で大きな扉が開く音がする

「お前ッッ」


「このままで済むと思うなよッッ!!」


「いつかッッいつかッッこの事は必ずッ…!!!」



…ゴォォォォォンンンン…



「ハッ!!!」


まどろみも無く、次の目覚めを迎える…


目を開けたそこは、夜。そしてめぐりが知る現代の世界の風景の何処かでも無かった!


「ウッ!!」


(…やっぱりッ…やっぱりッ…左腕が無いッ…!!!)


出血は止まっているようだが、傷口が、その断面が塞がっておらず


早急に、何らかの処置を施す必要が有る事は明白であった


「ハアッ…!ハアッ…!」


得体の知れない異国の風景と夜空の下、とりあえず歩くめぐり


しかしそこで突然


「よお 姉ちゃん」


めぐり その声に驚き 振り向く


めぐりが驚いたのには理由が有った


ここはどう見ても 日本では無い


自分を奇異の流し目に過ぎ行く街の通行人たちも、そして目の前の男達…それもゴロツキ風の…そのいずれも、日本人にもアジア人にも見えない


しかし理解ったのだ この男が今言った言葉が


日本語では無いにも関わらず なぜか理解できる!


ガシッ


三人の中でひときわ大柄で、縫い目の荒い半袖の服を着た男がめぐりの肩を乱暴に掴む


「腕をどこに落としてきたんだよ」


「……。」


「あまり見かけねえ格好だな もしかして」


「エルフじゃねえよ 耳が違う」


「でもよ、なかなかの上玉だからこのまま売り飛ばしちまおうぜ!!」


彼女の背中まで届く長く艶やかな漆黒の髪……、その髪色と同じ双眸(両の瞳)は、このような理解不能の状況に陥ってもなお、夜の帳の中、ぎらぎらと鈍い輝きを失ってはいない。


そしてその気色きしょく、喜怒哀楽がなにかと表に現れやすい、しかしならず者が指摘した通りに端正な顔立ちもまた、言うまでもなく……!


「…その手を 離せ」


「あ?」


「汚い手を離せと言ったんだ」


「このガキ、頭までおか」


「シッッッ!!!!!」


ドカッッ


悪党(多分)の脚に、めぐりの“ローキック”が炸裂する!


Episode2 :「明るい異世界に転生希望だわ」


END


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ