ゼロ章⑩「思わずポロリと」
@<ゼロ章の最終話となります~♪
(注意)あくまでイラストはイメージとして、大らかに捉えて下さい♪イラスト多用しますのでデータ量とかどうなんでしょ?むっちゃ心配なので、心当たりのある方はバックおーらいして下さい!!!
皆様!もう周知のことと思いますが、私の子、翠ってスゴイんですよ!?
そんなコト言ってたら『親バカ』って呼ばれてしまいそうだけど・・
むしろ「どーぞ呼んで下さい!」って、私は自信をもって叫ぶだろう!!!
だって、私があえて手を貸さない意味も、自分の力だけで頑張る大切さもわかっちゃう、すんごく頭が良くて優しくて可愛い子(ベタ褒め)なんですからぁ!!!
そして、何より失敗しようとも決して諦めずに・・
「やった!、やったよ!、スイたてた!、スイあるけた!・・おかぁ~さ~ん!」
あふれる満面の笑み!、嬉しくて、その場から飛び跳ねちゃう!
ついに!、ついに!、ウチの子、翠がヒトリ立ちしたんですから!!!
バランスを崩す!、手を差し伸べる!、受け止める!、抱きしめてあげる!
「うん、うん、うん!・・翠、よく頑張ったね・・うぅっ・・うぁあーん!」
感極まって、思わずポロリと・・ううん、今まで耐えに耐えてきた分、私の両目から滝のように涙があふれてしまう!、涙腺が崩壊するとは、正にコノこと!!!
これまでのふたりの努力と苦労が報われた瞬間!!!
この子は世界イチ・・ううん、宇宙イチ素晴らしい私の子です!!!(断言)
「おかあさん?、どうしたの?、泣いてるの?、スイだめだった?」
あうあう~余りの私の号泣っぷりに、翠が勘違いしちゃうぞぉ!?
「ちが、ちがうんだよ?・・ずずっ・・嬉しすぎたら・・うぅっ・・悲しくなくても・・ひっくひっく・・涙が出ちゃうんだから・・翠はスゴイんだからね?」
翠は、うれし涙なんて知らないもんね?、涙&鼻水だーだー、顔面ぐっちょぐちょの私は、嗚咽としゃくり声の大合唱のおまけ付きで説明してあげる。
「そうなんだ!、そんなにスイすごかった?・・えへへっ、ウレシイな~♪・・でも、おかあさんのおかげだもん♪、ありがとう、おかあさん♪、だ~いすき♪」
この子、私を泣き殺す気なのね!?、何て嬉しいことを言ってくれるの!?
うわ~ん、涙と鼻水がつゆだくマシマシ、増水警報発令中ですよ!?
いいよ!、この際、カラダ中の水分を出し切っても惜しくないから!!!
「実はね、おかあさん・・スイもね・・ぽろりってしちゃったの・・」
ああっ、この子も感極まって、うれし涙をこぼしたのね!!!
うんうん、泣いていいんだよ?、もうガマンしなくていいんだからね?
あなたがこぼした涙でも何でも、私がちゃんと対応してあげるからね?
「ほら、ここみて?・・ぴよん!ってしたらね・・」
「スイのむすんでた、かみがね?・・ふたつ、ぽろりって・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・なっ・・・・・・・・
・・・・・なんじゃ、こりゃぁぁぁぁ!?・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぽろりって、そっち(物体?)かぁーいぃー!?、ビックリですわ!?
涙&鼻水が栓をしたようにピタリと止まるわ!?、えっナニ?、この子ヒトリ立ちしたと思ったら、もういろんなモノを飛び越して、一気に『娘→母』にクラスチェンジですかぁ!?、いったい誰との子なの、お母さん知りませんよ!?(驚愕)
「これ、スイのこども?・・よくわかんない・・ぴょんってしたら・・」
・・確かに足が生えた分、頭身が伸びた?、成長して『幼児→子ども』ぐらいの外見になった気がする・・1日も経たずの急成長?、どんどん子だくさん家族?、1週間後にはどうなってんの?、私の稼ぎで養えるのか!?(困惑)
とりあえず、あの子から出てきたモノに悪いモノなんて無いはず!(思い込み)
「ふむ~、固いし、動かないし、冷たいし・・ただの翡翠のようだ?」
そう思って、ふたつの玉を触って調べてみたけど・・ウンともスンとも言わないし、金槌で殴るワケにも・・とりあえず、大事に置いておくしかないか・・
「あのね、おかあさん?・・ハートもいっしょになくなっちゃったの・・せっかく、おかあさんがスイのために、つくってくれたのに・・ごめんなさい・・」
しょんぼりした顔の翠・・あぁ、右に付けてた『オレンジ色のハートのアクセ』がなくなってる・・ひとつの玉と同化(?)しちゃったのか・・そりゃ仕方ない。
「ううん、いいよ!、大丈夫!、また何回でも、ハート以外にも何でも作ってあげるからね~♪、だから、翠は、ぜんぜん気にしなくていいよ~」
しょんぼりしてたら、その可愛いお顔が台無しだよ?、髪をわしゃわしゃして慰めてあげる♪、正直に言って、片手間で作れちゃうからね。
「えへへっ、よかった~♪、やっぱり、おかあさん、だいだいだ~いすき♪・・こんどは、スイもつくってみたいな~?・・やってい~い、おかあさん?」
やっぱり、この子は笑っていると魅力が1億パーセント増しね♪
「モチのロンよ!、また今度、作ろうね~♪・・指切りげんまんで約束ね♪」
私の小指とあの子の小指を絡ませて、初めてのお約束しましょ~♪
・・はい、これが後に騒動を起こすのは、今は別のお話である・・はははっ・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなこんなで(多いな)~ついに、私と翠がお外に出る時が来ました!
すでに、どっぷり日が暮れて・・田舎だから外灯も少ない、真っ暗闇だ・・
あれだけ「おそと~おそと~」って言ってたのに・・歩くのに不安はないけど、流石に初めての夜&外への緊張からか、その表情がこわばっている。
不安そうに小さな手が、胸の前に構えられていて・・あっ、髪の毛ポロリしたけど、この子のすごい毛量で、また結わえるようになったよ。
・・髪型アレンジが唸りそう?、明日からの楽しみが増えたけど・・
「怖いなら明日、明るくなってからでもイイんだよ?、いつでも・・とは言えないけど、私は翠にお外コワイ、キライ!になってほしくないからね」
私は本心から、この子に無理強いをさせたくないと思っている。
「でも、夜だからこそ、明るい昼間に見えないステキなモノもある・・私は翠と一緒に見に行きたいと思ってる・・私の手は、あなたの不安を消せるかな?」
だけど、この子は何かのキッカケや、誰かとの結びつきがあれば・・
「うん!、おかあさんのおてては、まほうのおてて♪、なんでもできちゃう!、おかあさんのおててをぎゅってしたら、ぜんぜん、なんにもこわくなくなるから♪」
私の差し出した手を、小さくあったかい手が握ってくる。
この子は、やっぱり自分の道を決めることができるんだ。
私は、この大切な手を優しく・・でも、しっかり握り返してあげる。
「ふふっ♪、じゃあ、魔法使いのお母さんが可愛いお嬢さんを、ひと時のステキな魔法の旅に連れてってあげるからね~♪」
こうして、私と翠の親子は、外の世界へとその第一歩を踏み出した。
「うっわぁぁ~!?、すごい!、すごい!、キラキラがいっぱいだ~♪」
夜空は晴れ渡り、洗われた後のように澄んでいた。
満天の夜空に輝く、幾千万の星々・・その驚きに大きく開かれた翡翠色の瞳が、星のきらめきを反射して、負けんばかりに輝いている。
青白く流れているような天の川・・今にも落ちてきそうな銀の砂を散りばめたキャンバス・・天地が織り成すコントラスト・・極限なく広がる壮大なパノラマ・・
「うふふっ、どうですかな、お嬢さん?、明るい昼間には見えないんだけど、こうして見ると真っ暗な夜でもイイもんでしょ~?、ちょうど晴れてて良かった!」
ちょっぴり私も不安だったけど、それは杞憂だった。
「おかあさん、おほしさま?、すごいね!、いっぱいだね!、スイね、今ね、おかあさんといっしょに、こんなキレイなモノが見れて、とーってもウレシイな~♪」
何故なら、この小さく愛しい存在は、この世界で一番キレイな景色を見た興奮と感動に、その全身を震わせていたから。
「私もね、こうして翠と一緒に夜空を見られて、とーっても嬉しいよ~♪」
私は屈み込んで、足元の翡翠色の瞳に笑いかける。
・・都会で、慌ただしい日々を過ごしていると、つい足元ばかり見て生きるようになってしまう・・
「私の作品である、あなたがどうして出てきたのか、私にはわからないけど・・」
私は、その美しい翡翠色の瞳をのぞき込む。
・・無機質と、人との関わりで擦り減ってしまって、夜空に目をやることさえ忘れてしまう・・
「これだけは、絶対に自信をもって言えることがある・・」
私は、確かに存在している小さく幼い子を抱きしめる。
・・最低限度の接触すら避けて、自らの殻の中に閉じこもるようになってしまう・・
「私の子として生まれてきてくれて・・本当にありがとう・・」
だけど、そんな私と一緒に見上げる夜空をアナタが嬉しいって言ってくれる。
「えへへっ、スイこそ、おかあさんがスイのおかあさんで、ありがとうだよ~♪」
腕の中の存在が、私を必要として、私が必要とすることを許してくれる。
「あっ!、おかあさん、あそこ!、おほしさまもポロリしてるよ!?」
かすかに淡く春の匂いがする肌寒い夜だったけど・・少しも寒くなかった。
「あ、ホントだね~・・じゃあ、お母さんがイイことを教えてあげるね♪」
私と翠は、刹那に流れ降りる星に願った。
・・・・永久に、この関係が続くことを望んで・・・・
(ゼロ章 了)
@<立って歩くまでがゼロ章!、それから第1章がスタート!、例のイラストは流れの関係上、次回になりました(謎?)
拙い作品ですが読んで頂いて、ありがとうございます。皆様の応援が生きがいです!ブックマークやコメント、誤字脱字、こうしたらいいよ、これはどうかな?、何でもお待ちしております。(ツッコミも宜しくお願いします!)




