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ルーンブレイド  作者: さくらんぼえっくす
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 -22- -ギルバート帰還-



 ギルバートがノアルを去って、早2週間が過ぎようとしていた。ギルバートの告白により、アースガルドの真実が明らかになったが、それはレイモンの計らいで、大広間に居合わせた人間以外誰も知るところでは無く、皆町の復興に追われながらも、平和な日々を過ごしていた。




 ギルバートが言うには、最悪が訪れるのは2年後であると言う。レイモンはその日が来るまで、何も知らせずに普段どおりのノアルであるべきだと考えていたのである。



 もっともネオは、その2年後の最悪すら長という人物の狂言だと考えていた。何か確信を持っているかの物言いであったが、ネオから言い出さない以上、知る必要のないことなのだと、レイモンは詮索しなかった。



 ネオ達一行は皆、レイモンと共に大広間に集まり、ノアルの運営方法について、皆で相談していた。レイモンの考えで、ネオ達騎士団の面々も国の運営に対して、意見を言える立場にあった。




「やはり、今国民から税を取るのは心が痛むが、わずかでも集めないと今度は城の人間の生活がままならん」



 レイモンが苦しい表情で言う。



「いや、じじい、税は取らない、騎士団は全員城下町のギルドと契約しよう、今までは国の自衛としてやってきたモンスター退治等を、ギルドからの仕事として請け負うんだ、そこで得たゴールドで、城の人間の生活をまかなおう」



 現在アースガルドより離れたノアルはオーランド王国と同盟を結んでおり、傭兵ギルドも支配前と同様にオーランド側が運営していた。


 ネオの意見にレイモンも納得した。暫く国が安定するまでは、ネオの言う方法が、一番国民にとって負担が少ない方法だと判断したのだ。



「それが一番良い方法かも知れんな、しかしネオ、お前達騎士団の負担がかなり大きくなるが、大丈夫なのか?」


 レイモンは一度納得したものの、心配そうである。



「レイモン様、我々は10年間、その方法で地下町の生活を耐えてきました。それが少し長引くだけです、問題ありません」



 レオナルドがネオの後押しをする。



「分かった、では暫くの間、税の問題はお前達に甘えさせてもらおう」


「次に問題なのが、他国との物資交換であるが、今の時代オーランド以外では、東の大陸からしか……」


 レイモンがそこまで言うと、突然大広間の扉が激しい音を立てて開けられた。




「レイモン国王様! 今しがた一般の定期船から、ギルバート様が降りてこられました! 腹部から出血があり、かなりの重症です!!」



 警備兵の一人であろう男の声が、大広間に響き渡る。



「今すぐここへ運べ!!」



 ネオがすぐさま叫ぶ。





 暫くすると、両脇の警備兵に抱えられたギルバートが、大広間に連れられてきた。腹部からは、かなりの出血が見られ、顔色は真っ青である、予断を許さない深刻な状態であった。



 皆がギルバートの元へと駆け寄ると、ぐったりと垂れていた顔が上がる、そして、レイモンや皆の顔を見て、最後の力を振り絞るように話し出した。



「レ、レイモン様、ネオ、みんな、すまん、ど、どうやら長の目的は、世界の為などでは無かった。ネ、ネオの言う通りだったようだ。や、奴はただ、探し物を見つける為にアースガルドを利用していたのだ。」


「奴はアスモデウスの指輪と言っていた。そ、それが何なのかは分からんが、奴の目的はルーン一族の繁栄、すなわち人間の滅亡だ、す、すでにウルフガング皇帝は殺された。オ、オーランドだ、今全軍がオーランドに向かって進行している。オーランドを落としたら目的は達成されると言っていた。ネ、ネオ! オーランドを、オーランドを守るのだ!」




 ギルバートはそれだけ言うと、またぐったりと頭が落ち、意識を失った。


 皆余りの事に言葉を失い騒然となる。そんな中、ネオとレオナルドの顔色が変わった。



「奥の王室で休ませろ! そして医療班を呼べ! 必ず生かすのだ!!」


 レイモンが叫ぶ。そして、警備兵に抱えられ、ギルバートは王室に消えた。



「みんなは大至急部下を呼び戻せ! 騎士団は全員オーランドに加勢する! じじい! 構わねぇよな?!」



 ネオが後出しでレイモンの了承を伺う、レイモンは強く頷いた。


 突然レオナルドがネオの意見に異を唱えた。



「ネオ! すまんが二手に別れよう! 前にお前を見つけた男の話しをしただろう? ジークという男なのだが、奴もアスモデウスの指輪を探してると言っていた。これは私の勘だが、奴は今回の一件に深く係わっていると見た。運がよければまだ東のソロモンに居ると思われる。頼む! ソロモンに行かせてくれ!」



 ネオはジークという名を聞いて顔色を変えた、逢ったことは無いが、名前はよく知っていた。しかしそのジークは死んだと聞いていた。もしネオの考えるジークが生きているのだとしたら、今回の件に係わりがあるのは間違いなかった。



「よしっ! レオナルドとマリエルの2隊は、そのジークとやらの捜索に行ってくれ! 残りの隊は全てオーランドの加勢に行く! アースガルドは全軍を率いて来るぞ! これを乗り切って戦争を終わりにするんだ!!」



 ネオの咆哮が引き金となり、大広間の全員が怒涛の歓声を上げる。これで最後、その考えが皆の士気を高めた。



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