-18- -つかの間の平和-
ノアルがネオ達の手に戻り、早一週間が経とうとしていた。
地下町は全て解体され、元の下水施設へと戻り、皆城下町の居住区間へと移り住んだ。城に蓄えられていた、大量の食料やゴールドは、皆に平等に分配された。
武器を捨て、早々に降伏した、アースガルドの騎士団達は、約束通りそのまま騎士団宿舎に住まうこととなり、今や、元下町の人々の為、町の復興に尽力していた。
ネオ達は主に城内の復興を手伝い、大広間に開いた大穴を補修する要員にネオが借り出され、ぶつぶつと文句を言いながら働いていた。
レイモン国王も、自ら城下町に降り、皆の手伝いをしながら、町の被害状況を集め、何が足りなくて、誰が困っているのか、国の再生に全力を尽くしていた。
そして、リックとポールは、ルイス国王に支援して貰った、オーランド兵を返すべく、オーランドへと渡り、ルイス国王に深く陳謝した。そして、ノアルに戻ることを告げ、ルイス国王はそれを承諾し、二人はオーランドを後にした。帰りの船に乗った時、船に大量の食料が積まれている事を知る。船長に問いただすと、ルイス国王が、ノアル国復興の祝いにと、送ってくれた物だと話した。
二人は、オーランドの今に、そんな余裕は無いことを十分理解していた。恐らく、ルイス国王が自ら国民に頭を下げ、援助を募り、ようやく集めた努力の結果であることは明白であった。二人はルイス国王の心に涙した。
思いもよらぬオーランドからの贈り物に、レイモンは、復興祝いのパーティーを開催することにした。皆が普通の生活に戻るには、後暫く時間が必要であったが、あまりに皆、働き詰めであった為、息抜きをさせる意味もあった。
床を補修し終えた大広間や、城の中庭にテーブルを設置し、次々と料理が運ばれ、ノアルの国民全員を城に招待し、盛大なパーティーが開かれた。
国民達は皆、思い思いに羽目を外し、心から喜びを表現していた。
子供達は中庭の噴水に入り、水浸しになりはしゃいでいる。縁に座る親に水が掛かり、怒られている子供も居た。
ネオ達は皆大広間にて、レイモン国王と共に、幸せな時間を過ごしていた。ノアルは今、ようやく我々のノアルに戻り、新たなスタートを切るのだ。皆、そう実感していた。そして、ここからずっと、光の道を歩き続けるのだと、信じていた。




