ー後書き
ー後書き
ここまで読んで下さった読者さん。お疲れ様でした。クライムズクライシスの後書きで、切ないラブストーリーと予告してましたが、あんまり切なく無かったかな〜と思ってます。むしろ多次元宇宙の仕掛けが、訳わかんないで終わってる読者さんが、殆どかな〜と心配しています。作中では触れられてないんですが、各宇宙間の時間差はタイムスリップで生じているという、設定になってます。また、分かんない事が増えちゃいましたか?。そういう方は、エピローグのハジメのセリフに乗っちゃって下さい。お互いに愛し合っていれば、このぐらいの事は起こるんだって事で、お願いします。
ちなみに雨屋交差点は実在します。ですが、名前の由来は作者が考えたもので、現実のものではありません。よく通る交差点で、アメヤという名前が気に入っていて、使ってみたいと通る度に思ってました。
本作は恋愛というジャンルで、失ったものを取り戻してゆく姿を、竹山を通じて描きました。現実には一度失うと、取り戻しすのは容易ではありません。アメリカでは年間3万人の子供達が行方不明になるという話が、ニコラス ケイジの8ミリという映画の中で描かれていました。日本でも、子供達を狙った卑劣な犯罪が頻発しているのは、読者さんもご存知の通りです。こいした犯罪によって、失われるものがどれだけ大きなものか…それも作中に描いてみました。もはや犯罪者につけ込まれない…そんなライフスタイルを必要とする時代になってきているんだと思います。
主題は恋愛です。と言うと漠然としていますが、岡本太郎さんの言葉からモチーフをもらっています。女という文字の上に男と、岡本太郎さんが書いたものに対して
「あら。男が上なのねー。」
とコメントが出ます。すると岡本太郎さんは
「男は外に出て行って、世の中に対してノーと言わなければならない。同時に男は、女に支えてもらわなければ生きられない、哀しみを知らなければならない。」
と答えます。こうした関係は、現実の中では崩壊しつつあるように作者は感じています。女性も世の中に出て行って、ノーと言わなければならなくなったからだと思うからです。
両者がパートナーシップを守りながら、このロクでもない世の中に対してゆくモチベーションこそが恋愛だという考え方で、本作を描きました。恋愛という絆で結ばれたチーム程、最強なものはないでしょう。
何故か前作に続いて、刑事さんが出てきますが、危うく乗っ取られそうで、かなり抑えました。最初は竹山と分部の差しの勝負だったんですが、さすがに途中で無理になってきて、警察を投入せざるおえなくなったのが、本当の所です。ハジメとユウも、竹山が清美をアパートに放置しておくのは違うだろうと言う事で、登場させました。この一家は、かなりお気に入りで、楽しんで書きました。
作中で15の清美を見て、誰も驚かない訳ですが、年齢で変わってる方が受け入れにくいんじゃないかと考えて、すんなり受け入れるという様に描きました。ここで読者さんが、ついて来てくれるかどうか勝負になってるわけですが…どうだったんでしょうか?。でも、後書きまで読んで下さってる、あなたは大丈夫だったみたいですね!。ありがとうございます。
次回作は、サラブレット2歳馬になってしまった主人公と女性騎手が、ダービー日本優駿に挑戦するという、競馬恋愛小説です。また半年くらいお待たせすると思いますが…御期待下さい!。
2008年2月13日
武上渓




