第32話 寄り道
アップ遅くなって申し訳ないです。
ブックマーク、評価してくださった方ありがとうごさいます。
今回はまた趣味の回です。すいません。
9/30 すいません。なかなかUP出来なくて申し訳ないです。現在少しずつでも書き進めてますのでもう少しお待ちください。
家に真っ直ぐ帰るのでは何となく勿体無いので、商店街をプラプラしながら歩く。
やはり大きい帝都なだけあって色々な物が取り扱われている。日本ではあまり馴染みの無いのも多い。もちろん、日本でよく見かけるのもちゃんと売っていたりもする。鶏肉…これはパックとかで売っているようなものではなく、生きたままの鶏が売っていてこちらの人はちゃんと捌いてそれを食べるらしい。もちろん豚肉や牛肉などもあるが、羊肉、馬肉、魔物の肉なども一般的に扱われていた。普通の肉の中に魔物の肉が混ざっている事自体地球じゃ有り得ない事だけどね。
鶏肉が売っているのだから当然卵も売っている。鑑定してみると新鮮な卵だったので沢山買っておく。無限収納の中にしまっておけば腐らないし。
ふといい香りに誘われて、立ち止まってみるとそこは果物屋だった。色とりどりの果物が店先に並んでいる。シトロンやリンゴ、マンゴーやバナナ、オレンジ、パイナップル、キウイなどあって種類は豊富だ。やしの実や、カカオの実、パパイヤなどもの変り種も扱っている。
へぇ、こっちの世界でも日本と変わらないような果物があるんだなと感心しながら眺めているとレモが目をキラキラさせて果物を食い入るように見ていた。
そう言えば、レモは果物が好きだったな。久しぶりに果物を買ってみるか。一人暮らしの時なんて果物なんて買って食べた事なかったしな。だって果物高いじゃん。果物買える余裕なんて俺にはなかったし。
「レモ、好きなの選んでいいぞ。メロリもヴィオレットも好きなのを選ぶといい」
「良いんですか!?ご主人様!!ありがとうございます!!」
レモは感謝しつつももう果物に目が行っているのでよっぽど食べたかったんだろう。
「わぁー!メロリはアップルがいいのです!!赤くて美味しそうです!」
メロリはいち早くリンゴを手に取っていた。決めるの早いな。
「悩みますわ~。オレンジも捨てがたいですし、パイナップルも良いですわね。ああ、でもマンゴーも食べたいですわ…。うーん…」
ヴィオレットは色んな果物を手にとっては悩んでいる。手にとっては返し、また手に取ると繰り返していた。
「これが欲しいです!ご主人様!」
レモが俺の目の前に突き出してきたのはバナナだった。そんなお約束な…。猿の獣人だからってバナナ選んでくるとはな。頬ずりでもしそうな勢いでバナナを抱えているレモってちょっと可愛いかもしれない。まだそこまで長い時間一緒にいるわけでもないが、何となくレモって姉御肌というか、しっかり者のイメージが強いので嬉しそうにバナナを抱えている姿はギャップを感じる。
「分かった。ヴィオレットも決まったか?」
「もう、決まらないのでご主人様決めてくださいませんか?私どれも美味しそうなので困ってしまいましたの」
「ふむ、じゃあ俺がオレンジを買うからパイナップルかマンゴーにしたらどうだ?」
「そうですわね…ではマンゴーにしますわ!」
「よし、全員決まったな」
「お決まりですか?」
ちょうどいいタイミングで店の人が話しかけてきてくれたので、俺は頷いて欲しいものを伝えた。
「はいはい。アップルはこっちの方が甘くて美味しいと思います。オレンジはこちらの方がより新鮮ですのでこちらにしときますね。マンゴーはちょうどこれが食べ頃です。バナナはこれがお勧めですね」
お店の人が良い物を選んでくれたのだが、親切な人だな。鑑定しても良い品質のばかりで悪い物が一切入ってなかった。この店はまた来てもいいな。
「では、それを頂いていきます。それとカカオの実も何個かください」
「これ?これならタダでどうぞ。置いてあっても一向に売れないですしね。仕入れしている所で沢山なっているからと言われて試しでタダで仕入れましたけど、全く売れないんですよね。だから欲しかったらそこにあるの全部どうぞ」
マジで?こっちにはチョコレートとかないのだろうか?タダならいいか。
「じゃあ全部もらっていきます。じゃあ、余分にバナナとオレンジ買いますよ」
「そうですか?すいませんね。じゃあ今会計しますんで待っててくださいね」
店の人が計算してくれている間にカカオの実を無限収納の中に入れていく。これだけあったらどれくらいのチョコが出来るんだろうか?ま、無くなったらまた仕入先教えてもらって買いに行けばいいか。会計を済まし、果物を受け取って店から離れる。
「果物って久しぶりに食べますわ~。楽しみですわね」
「メロリは犬の国にいた頃はお父さんがたまに採ってきてくれたのを食べてました。楽しみなのです!!」
「あたしも凄く久しぶりに食べます。バナナは子供の時に両親が与えてくれた果物なので思い出深いです」
3人娘達はそれぞれの思いがあって食べる事を楽しみにしているようだ。これだけ嬉しそうな顔を見るとこっちも嬉しくなるよな。
果物屋を通り過ぎると何とそこには牛が居た…。え!?何でこんなところに牛?
「何で牛が居るんだ?」
「牛の乳を売っているんですよ、ご主人様」
「マジで!?いきなりダイレクトで?殺菌とかは?」
「さっきん…?そのまま牛から絞って器に入れてもらうんですよ。牛の乳は飲みやすくて美味しいです」
レモは殺菌が分からなかったみたいだ。俺は今まで殺菌されていない牛乳なんぞ飲んだ事ないぞ?いつもは牛乳パックのを飲んでたし。
「兄ちゃん、牛の乳はいらんかね?美味しいぞ!」
店の主人は牛からダイレクトに絞った牛乳をコップに入れて差し出してくる。一応鑑定してみると新鮮で品質も問題なさそうだ。
「いくらですか?」
「銅貨3枚だよ。毎度あり」
お金を払い、恐る恐る飲んでみると…美味かった!ナニコレ!?今まで飲んだ事ないくらいの濃厚さだ。あまり期待はしていなかったが、こんなに美味いとは思わなかった。
3人娘の分も買ってやって飲ませてやる。3人とも喜んで飲んでいたので、俺の舌は間違ってなかった。侮っていた…意外とやるな、この牛。
大き目の器に5本くらい買っておいた。牛乳の使い道は無限大だ。買っておいて損は無いと思う。
またプラプラしていると、パンのいい匂いに誘われてパン屋に入ってしまった。俺は米も大好きだが、パンも大好きなのだ。特に柔らかいパン。こっちのパンは固くて好みじゃなかったんだが、もしかしたら柔らかいパンも売っているかもしれない。
店内を見てみると、いつも食べているパンが沢山並べられているがその隣にはハ〇ジの白パンらしき物があった。これって柔らかいんじゃないの?普段食べているパンが1個銅貨5枚に対して、白パンは大銅貨5枚だ。500円ってなかなかいい値段じゃないの。10倍の値段だよ。どれほど美味いのか試しに4つ買って、皆で食べてみる。
今までのカチカチパサパサのパンに比べて、圧倒的なくらいの柔らかさとしっとりさがある。これだよ、普通パンってさ。
「うわぁ、こんなパンメロリ初めて食べました!!この世にこんなに美味しいパンがあるなんて驚きです!!」
メロリは目をひん剥きながら白パンに齧りついている。あっという間に食べ終わりそうだ。
「あたしもこれほどの高級なパンは初めて食べます!!柔らかくて美味しい物なのですね。ありがとうございます、ご主人様」
レモは一口ずつ味わって食べているので、まだ半分くらい残っている。
「お屋敷にいたときのパンよりは劣りますけれど、でも美味しいですわ!久しぶりにこれほどのパンを食べますわね」
ヴィオレットは辛口コメントしながらもちゃんと一口大にちぎって上品に食べている。お腹が空いていたんだろうか?上品に食べながらももうほぼ残っていない。
よし、少々贅沢かもしれないけどこのパンを米が見つかるまでの主食にしよう。だって、硬いパンって食べるのマジで辛い。
白パンをあるだけ買い占めて、店の外に出た。買い占めたおかげでパン屋の主人から感謝されて、おまけもたくさん付けてくれた。今日からようやく柔らかいパンにありつけるのでこっちのほうこそ感謝だよな。
そういや昼食をまだ取っていなかったので、適当な食堂を見つけて入る。ここのお勧めは何だろう?
「いらっしゃい、何にするんだい?」
おばちゃんが注文を取りに来てくれたので、何がお勧めか聞いてみると
「うちはストーンバイソンの煮込みがお勧めだよ。あとは鶏の丸焼きだね」
どちらも美味しそうだな。俺はストーンバイソンの煮込みが個人的に気になったのでそれを頼み、3人娘達もそれぞれ好きな物を頼んでいた。
料理が来るまで3人娘達の女子トークを横で聞きながら、適当に相槌を打つ。今流行の服とか、髪型とかについて真剣に話しているのを男の俺にどう答えろと言うんだ?でも結局無難な答えをするんだが、聞いてないらしい。だったら最初から俺に聞かなきゃいいのに。
「はいよ、お待たせ。ストーンバイソンの煮込みと鶏の丸焼きだよ」
俺とヴィオレットはストーンバイソンの煮込みを頼み、レモとメロリは鶏の丸焼きを頼んでいた。
ってか鶏の丸焼き超でけぇ!!何この大きさ。A4サイズくらいあるんじゃないの?俺が見たこと無いだけで、実は鶏ってこんなにでかいのか!?
丸々と肥えた鶏はこんがりと皮までパリパリに焼かれていて美味しそうだ。うーん、鶏の丸焼きでも良かったなぁ。まぁ良いけど。
俺の目の前にはストーンバイソンの煮込みが置かれていて、ふわっとワインのような香りもする。パッと見は赤ワイン煮という感じだと思う。
「いただきます」
俺たち4人は手を合わせて、早速食べ始める。
ストーンバイソンの肉から食べようと、ナイフで切り込みを入れたら力もほとんど入れない状態でほろっと切れた。柔らか!!凄い柔らかいな。どれくらい煮込んだんだろう?一口大に切って口に入れるとワインの香りが一杯に広がり、噛む必要も無いくらいだった。ストーンバイソンは焼肉にして食べても美味しかったが、こっちの煮込みは煮込みでまた感じが違って美味しい。一緒に煮込まれている野菜も一緒に食べるが、これも美味しかった。そりゃそうだよね。肉の旨味が凝縮した状態で煮込んでるんだから。出されたパンを煮込みのスープにつけて食べても美味い。
「ご主人様、この煮込み美味しいですわね。このトロトロ加減がたまりませんわ」
ヴィオレットは美味しそうに煮込みを上品に頬張っている。
「ご主人様、こっちの鶏の丸焼きも美味しいのです!」
メロリは足の部分を引きちぎりかぶりついている。ワイルドだな。でも満面の笑みで食べているので、美味いんだろう。
「あー、俺にもちょっと分けてくれないか?」
あまりにも美味しそうにかぶりついてたら食べたくなるじゃん。
「あたしのでも良ければご主人様どうぞ」
レモはナイフで切り取った足の部分を皿に乗せて俺にくれた。
「ありがとう、レモ。じゃあ俺の煮込みも食べていいよ」
俺は口のつけてない部分の肉を切り取って、皿に取り分けて渡してやる。
「あ、ありがとうございます!!ご主人様!!」
レモは嬉しそうにしているその隣でメロリはレモに渡した煮込みをじーっと見ている。
「メロリも食べるか?」
「良いのですか!?嬉しいです!ご主人様!!」
メロリは尻尾をブンブン振り回して喜んでいる。俺はまた切り分けてメロリに渡してやった。
おかげでもう俺の煮込みの肉は少なくなった。まぁいいけどね。足りなかったら頼めばいいし。
俺はレモのくれた鶏の丸焼きの足の部分を手に取って、気取らずかぶりつく。こんなのナイフとフォークで食べるよりもそっちの方が遥かに美味しいしな。
皮のパリパリさ加減が抜群だ。しかもちょうどいい味付けがしてある。沢山のスパイスを使っている感じだ。肉も肉汁が飛び出すくらいジューシーでふっくらしている。これは本当に美味い。
若鶏なのか肉も硬過ぎず、柔らかくて美味しかった。こりゃ夢中で食べちゃうよな。
結局、おかわりをしてお腹が一杯になるまで食べた。こんなに食べてたらあっという間に太りそうだ。
また明日からガンガン働かないとダメだな。
商店街の散策を切り上げて家に帰る事にした。
お読み頂きありがとうございます。




