第27話 嫉妬?
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家に戻ると、もう朝食の時間だった。2日連続で徹夜だが、ここへ来てから全く疲れ知らずだ。
走っても苦しくならないし、徹夜だって問題ない。若いからなのかレベル500だからなのかは分からないけどね。
今日の朝ごはんはパン、サラダ、野菜のスープ、魚のグリルだ。
魚は白身魚で一口食べるとあっさり塩味だ。肉厚で身が引き締まっていて美味い。
海の魚というより淡水魚っぽいのであの綺麗な湖で獲れたものかもしれないな。魚は美味いんだが、野菜のスープよりも味噌汁が欲しい。やはり早く味噌や醤油を作らねば。
味噌汁とご飯と納豆と漬物が食いたい。想像するだけで涎が出る。
そうと決まったらまずは商店街に行き、買い物したあとは冒険者ギルドでやれそうな依頼を見つけてやってみるか。
食事を終え、仕度をして商店街までやってきたが、朝だとやはり沢山の商品が並んでいて人も多い。
3人娘は色々目移りしながら色んな物を眺めている。
「これだけ商品があると献立に迷いますね」
レモは野菜を見たり、肉や魚を店を行ったり来たりしながら見ていた。
献立を考えるのって確かに面倒だよな。昔うちの母親もそれでいつもぼやいていたのを思い出す。
「メロリはお肉がいいです。昨日のお肉はとっても美味しかったのです!」
メロリは肉屋の前で立ち止まりながら塊の肉をじっと眺めている。
昨日の焼肉は美味かったが、連続してはくどいと思うぞ?あれはたまのご馳走で食べるのが美味いんだ。
「私は甘い物がいいですわ!」
甘い物ってご飯じゃないんですが…。ヴィオレットに献立を任せたらおかずに甘い物が出てくるんだろうか?そ、それは勘弁して欲しいな。
「ヴィオレット、あんた甘い物がご飯になると思ってんの?それに砂糖は高いし買えないよ」
レモはヴィオレットを窘めている。
ヴィオレットはレモに甘い物を却下されてしょんぼりして、メロリにぽんぽんと背中を叩かれていた。
メロリの方が年下だが、どちらが年上なのか分からないな。
俺も米や大豆を探して回った。すると1軒の店で大豆らしき物を見つけたので鑑定してみると大豆だった。
メロリ達には食材の買出しをお願いし、俺は大豆を見つけた店に入る。
「いらっしゃい、何にしますか?」
「この大豆をあるだけください」
俺は大豆を指差して店員に言った。
「大豆?ああ、ソイビーンね。お客さんお店でも開くんですか?うちにある在庫だけでも麻袋に100袋あるんですよ。それを全部って…冗談ですよね?」
ソイビーン…まさに大豆だな。麻袋に100袋の量がいまいち分からないが、味噌や醤油はたくさん作りたいし失敗してもいいように買っておこう。
「冗談じゃないです。全部ください」
「ええ?本当に?うちは助かりますけど…。運ぶのも大変ですよ」
「あ、場所に案内してもらえれば僕が運びますんで大丈夫です。ところで金額はおいくらくらいですか?」
「ああ、金額ね。少々お待ちくださいな」
店員さんは一生懸命計算しているのを横目に俺は店内を見て回る。小麦や大麦などの穀物も取り扱っているみたいだ。それに砂糖や塩なども置いてある。手広く商売している店だな。
残念ながら店内を見て回ったがお米は無かった。
小麦を見ながらちょっと考える。俺はこの世界のパンがどうも固くて好きじゃない。
それなら自分で作ってみればふわふわの柔らかいパンが食えるかもしれないな。
確か味噌や醤油を作るのに大量の塩が要るはずなので塩も購入したい。
俺も甘い物がたまに食べたくなるし、3人娘もいることだし砂糖も購入しておくか。
店員さんに小麦、砂糖を3袋、塩を10袋購入すると伝えると、悲鳴をあげていた。
計算得意じゃないのね。また一から必死で計算していた。
計算がやっと終わって会計を済まし、俺は店員さんに案内されて店の奥の倉庫に来た。
思ったよりも麻袋でかいな。店員さんに見守られつつ俺はどんどん無限収納の中へしまっていった。
全てしまい終えて店から出るとレモ達は買出しが終わったのか俺の入った店の前に戻ってきていた。
「ご主人様、食材の買出しが終わりました」
「ああ、ありがとう。俺も買い物が終わったからギルドに行こうか」
俺たちはそろってギルドに向かう。
ギルドに着くと、今日は何やらいつもと違って大混雑している。どうしたんだろ?
人ごみを掻き分けながら進むと、ギルド職員が冒険者たちに説明していた。
途中から聞いているので訳が分からない。そこにちょうどスティナさんが通りかかったので、彼女を引き止めて聞いてみた。
「スティナさん、おはようございます。今日は何でこんなにも人が集まっているんですか?」
「おはよう~リュート君。帝都の東に新しい迷宮が出来たみたいなの。それでギルドから調査の依頼をかけたんだけど、それの依頼を受ける人でいっぱいなのよ。迷宮は実入りがいいから依頼を受けたい人が後を絶たないの」
「迷宮ってそんなに実入りがいいんですか?」
「そうね、敵も罠も沢山出て危険なんだけどそれ以上に宝箱や、ボスを倒したときの戦利品が高く売れてお金になるわね。だから一攫千金を夢見て迷宮に挑む人は多いわ」
スティナさんは今日も相変わらずセクシーで、胸元が大胆に開いているワンピースを着ている。
その大胆に開いた胸元からは爆乳が主張しているわけで、狙っているのか分からないがスティナさんは胸をぐっと腕で寄せて考えるポーズをしている。眼福です。
「何日か前に帝都の西にあった迷宮は完全攻略されて消滅しちゃったのよね。だから新しい迷宮が出来てみんなそっちに流れちゃってるの。ギルドとしては迷宮調査依頼を受けてくれるのはありがたいんだけど、他の依頼が疎かになっちゃって困ってるわ」
迷宮ってのは実入りがいいのか。確かに俺が黒の魔王の迷宮を攻略したときに手に入った戦利品はかなり多かった。実際多くて確認しきれていない。
しかし、今行った所で絶対に混雑してるだろうから止めておこう。俺たちは堅実的にレベル上げや日々過ごせるだけの金を稼げればいいしな。
「じゃあ、今なら他の依頼が選びたい放題って事ですか?」
「そうよ、リュート君。今なら選びたい放題よ。何ならおねーさんと楽しい事しちゃう依頼でも受けてみる?」
あ、それ受けたい。スティナさんにウィンクされて、爆乳を腕にくっ付けられたら抗えないよな。
「ご主人様、あちらに良さそうな依頼がありますよ」
「そうですわよ、私達と楽しく依頼をこなしましょう」
「ご主人様は、あたし達いるほうが楽しいですよね」
メロリとヴィオレットに手を引かれ、レモから背中を押されてスティナさんの前から離される。
俺の腕に当たっていた幸せが離れていく。俺の幸せが…。
「やだ、嫉妬?可愛い」
スティナさんは口角を上げ、クスリと笑う。
「リュート君、その子達で満足できなかったらおねーさんがたっぷり可愛がってあげるから遠慮しないで言ってね」
スティナさんは手をヒラヒラさせながら去っていった。
3人娘を見てみると…見なかったことにしよう。怖い。
「ご主人様さえ良ければあたし達はいつでもいけます!」
何を…。何がいけるんだ…。何となく想像はつくので無視する。俺は20歳以上しか手を出すつもりはないから。35歳のおっさんが11歳、14歳、15歳の女の子に手を出しちゃ駄目でしょ。
いくらここが異世界だとしても俺の倫理に引っかかる。俺が例え若返って15歳だとしてもだ。
小学生や中学生に手を出すなんて正気の沙汰じゃない。
俺はロリコンじゃないし、変態になるつもりもないからな。
「さ、さて依頼を受けよう」
俺は依頼を確認していく。今日は残っている依頼の数がかなり多い。新しい迷宮で人が取られたからだろう。
今のところ受けれそうな依頼は…っと。色々あったけど最終的に俺が選んだのはトレント討伐とリッパーベアの討伐だ。
カウンターで依頼を受けて、ギルドの外へ出る。
あ、そういやナイフ買ってなかった。思い出して、ドルムさんのところへ向かう。
「よう、リュート。今日はどうしたよ?」
ドルムさんの店に入ると威勢のいい声で話しかけられる。
「おはようございます。今日はナイフを追加で2本欲しいのでお願いします」
「ちょっと待ってな。出来立てほやほやのがあるからよ」
ドルムさんは店の奥に行き、ナイフを持ってきた。
ドルムさんがナイフを手渡してくれたのでナイフを手にとって見てみる。
切れ味が良さそうなナイフだ。
「じゃあこれを頂いていきます」
「そういやリュート。ガルムから製作手帳と技のノートを貰ったんだって?」
ガルムさんが話したのかな?
「ええ、僕が革細工に興味があったのでその話をしたら譲ってやるって大切な物を託してくださいました」
「ガルムがおめぇに託したならオレもおめぇに託したい。オレの作業を見てそれからでもいい考えてくれ」
え?どうしてそんな簡単に俺に託してくれるんだろう?いやありがたいけどさ何でだ?
「ありがとうございます。でも何で僕なんかに託してくれる気になったんですか?」
「何でって言われるとよく分からんが、おめぇには不思議な魅力を感じる。あのガルムがおめぇに自分の大切な製作手帳と技のノート託すくらいだ。オレも託してもいいかもしれんと思ったまでよ」
不思議な魅力ね…。まぁ覚えれる機会なんだから覚えさせてもらえばいいか。
「ドルムさん、作業を見せてもらってもいいんですか?」
「ああ、いいぜ。こっちだ」
ドルムさんは俺を作業場に案内してくれた。
鍛冶をするんだから炉はもちろんあるし、色々な金属も山積みでハンマーなど様々な道具が置いてあった。
「簡単な物だけどよ。今から作っているところ見せるから見てな」
そう言って金属を炉の中へ入れ高温にしてから取り出しハンマーで叩きながら形にしていく。
さすが職人という感じだ。手際がよく、俺が感心している間に作り上げてしまった。
スキル:【鍛冶】を習得しました
お、スキル習得出来たみたいだ。革細工に加えて鍛冶まで手に入れてしまった。
「どうだ?興味はわいたか?」
「カッコイイですね!もちろん興味はありますけど、本当にいいんですか?」
「そいつぁ良かった。男に二言は無いからな。これが俺の製作手帳と技のノートだ」
ドルムさんから製作手帳と技のノートを受け取った。
「炉なんてものは早々に用意が出来ねぇだろうからオレの所に来ればいつでも使わせてやるよ」
何ていい人なんだ。ドルムさんもガルムさんも超良い人過ぎだよな。
「ありがとうございます。ではまた後日改めて伺いますよ」
「おお、またいつでも来な!」
ドルムさんに見送られながら店を出た。
うーん。レティナットさんといい、ドルム、ガルム兄弟も俺に何を見出してくれているのかは分からないがありがたい事だよな。
良い世界に転移させてもらったもんだ。あのじいさんには感謝しておこう。
ナイフも手に入れ、レモとヴィオレットに渡しておく。
二人とも喜んでナイフを鞄に中にしまっていた。ナイフ貰って喜ぶ中学生を想像するとちょっと怖いが、素材を剥ぎ取るには仕方ないか。
俺達は西門から出てトレントのいる森を目指す。エルファン達がワイルドボアに襲われていた森だが、広範囲で広がっているため南方面に行かなければいいだろう。
森に入るといきなりワイルドボアの群れに出くわした。この森はワイルドボアが大量にいるみたいだな。
「ご主人様、ワイルドボアです!17体もいます!!」
「戦闘準備開始!俺はちょっとこの木を何とかする!それまで何とか持ちこたえてくれ!」
森の中は狭いので戦いにくい。木には申し訳ないが風の刃で切ってスペースを作らせて貰う。
「風の刃」
俺はまず木をなぎ倒した。それに続いてヴィオレットも風の刃で木をなぎ倒す。
そうして出来たスペースでレモとメロリがワイルドボアの群れに突っ込んでいく。
俺は水の球でけん制しつつなぎ倒された木を回収していく。足場が悪いと戦いにくいからだ。
3人娘はうまく連携を取りながら確実に仕留めているので俺の出る幕はない。
邪魔にならないようアシストしてやるのが俺の立ち位置って事だろう。あくまで戦闘を見守りながら3人娘が危なくならないよう気をつけた。
そんな感じでやっていたら群れはいつの間にか死体となって転がっていた。3人娘はもうワイルドボアの解体を始めていた。
ヴィオレットだけはレモに教えてもらいつつ解体を行っている。
初めは戸惑いながら解体していたヴィオレットも何体が解体していると慣れてきたものでスピードが上がってきた。
「ご主人様、見てくださいませ!私も頑張ってこんなに解体できましたわ!」
笑顔で血塗られたナイフを片手に持ち、返り血が頬に付いているヴィオレットを見て背筋が凍る。
超がつくほどの可憐な美少女のそんな姿を見て、ドンビキしないはずがない。
「ご主人様ったら聞いてますの?」
ナイフを片手に俺に迫り来るヴィオレット。
「あ、ああよく頑張ったな!凄いぞヴィオレット」
何とか褒め言葉を言うとヴィオレットは頬を染めて微笑した。
「ご主人様、私にすることはありませんの?」
頭を撫でろってことかな?ヴィオレットの頭を優しく撫でてやった。
うっとりして俺の顔を見上げてくるので、間違いないと思う。
「ヴィオレットだけずるいのです!ご主人様!メロリもこんなに頑張ったんです!見てください!」
メロリも血塗られたナイフを持ち、俺に迫ってくる。
慌てて、メロリの頭も撫でてやると尻尾をブンブンと振り俺にしがみ付いてくる。
もっと撫で回すと尻尾が千切れるんじゃないかと思うくらいだ。
レモを見ると、羨ましそうにこちらを見ていたので手招きした。
「ご主人様、どうかしましたか?」
「レモ、お前もよく頑張って解体しているな。ありがとう。」
そう言って頭を撫でてやると、赤面してちょっとだけ尻尾が揺れる。
「褒めていただいてありがとうございます」
照れているレモも可愛くてもっと撫でてやった。勝気そうな瞳を緩めて微笑んでいる。
成り行きで奴隷にしてしまったけど、この子達を仲間に出来て良かったな。
「解体も終わったし、先に進もう」
「「「はい、ご主人様」」」
解体した物は全てしまい、俺達は更に森の奥へ踏み込んだ。
お読み頂きありがとうございます。
お盆休みのため来週くらいの更新になりそうです。




