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第25話 焼肉

趣味に走ってしまいました。

 ゴリを引き連れて俺は3人娘が待っている所へ向かう。

 メロリはいち早く俺に気がつき、駆け寄ってくる。

 「ご主人様、ご無事で良かったです!!」

 尻尾をフリフリしながらやってくるので、俺は頭を撫でてやった。

 「みんな無事か?」

 「はい、ゴブリン達も全て調教済みです。大人しくしていたので問題ありません」

 「そうか、なら良かった。俺の方も片付いた。こいつはゴリ。さっきのゴブリンキングが進化して今はホブゴブリンになっている。この森で俺の使う薬草や薬の材料、石鹸の材料などを他の魔物から守り栽培してもらう事になった」

 「ゴリデス。ヨロシクおねがいシマス」

 ゴリは3人娘に頭を下げた。

 「ご主人様も【調教】が出来るのですか?しかもゴブリンキングを調教してホブゴブリンにしてしまうなんて凄いです!」

 レモはちょっと興奮気味に話している。いや、君のスキルを習得させてもらったからで…何にも苦労してない。

 レモに調教されたゴブリン達をゴリの部下としてつけてやると、双方喜んでいた。

 ゴブリンは元々はゴブリンキングを迎えようとしていたくらいだし、ゴリもキングとしてゴブリン達を従えようとしていたので、ここは問題ないだろう。

 「ゴリ、くれぐれも人間を見たら逃げるんだぞ。それと、魔物も相手が強くて勝てなさそうだったら無理して素材を守る必要はないからな」

 「ハイ、わかりまシタ」

 「じゃあ、調査の続きをするか」

 ゴブリンキング達のおかげで少し時間が掛かってしまったし、まだまだ森は広いから調査してない所も多い。

 「「「はい、ご主人様」」」

 「おまちクダサイ、ごしゅじんサマ。さきほどみせてイタダイタそざいはもりのナカにてんざいシマス。もりをチョウサするならばごあんないシマス」

 ゴリが森を案内してくれるらしい。それならあまり知らない俺たちよりかは詳しいだろう。

 「そうか?それなら頼むよ」

 「ハイ、おまかせクダサイ」

 俺たちとゴリは森の調査に向かい、残されたゴブリン達は森の見回りに向かった。

 ゴリに案内されながら森の中を進んでいく。先程見せた素材の場所を案内してくれるので、俺たちは採りすぎないよう気をつけながら採取していった。

 森の奥深くまでやってくると、森の中に泉が湧き出ている場所を見つけた。

 そして、その泉の傍には紫色の小さい可憐な花が群生している。

 これは…見覚えがある。ヒアリスの花だ。

 俺が作った石鹸の材料でもある。色々素材は集めていたが、ヒアリスの花は見つからなくて残り少なくなっていたのだ。

 「ヒアリスの花ですわ!!綺麗で良い香りがしますわね!」

 ヴィオレットはヒアリスの花に近づき香りを楽しんでいる。

 「ご主人様と同じ匂いです!!!」

 メロリも花に近づいて一生懸命ヒアリスの花の匂いを嗅いでいた。

 「これは…お風呂にある石鹸と同じ…?」

 レモはヒアリスの花の匂いを嗅ぎながら首を傾げている。

 「それは、確かに風呂場に置いてある石鹸と同じ匂いだと思うよ。その花を材料にして作ってるんだから」

 「それは本当ですの!?ご主人様!!」

 ヴィオレットが詰め寄ってくるので、驚きながらも俺は頷く。

 「ご主人様、この花の香水や石鹸は帝都で凄く人気なんですの。滅多には手に入らない物ですわ!」

 「そ、そうだったのか」

 俺はそんなことも知らないからバンバン使ってたぞ。しかも自由に使ってもいいように置きっ放しだし。

 「ああ、それがお風呂場に置いてあってそれを使いながらも気がつかないなんて。わたくし乙女失格ですわ!!!」

 悲劇のヒロインのようにヴィオレットはヒアリスの花畑に倒れこんだ。

 何もそこまで落ち込まなくても…。

 「じゃあこの花を沢山摘んで帰ったら石鹸や香水を作ってやるから、元気出せ」

 「ご主人様、素敵ですわ!!流石私のご主人様です!!」

 今度は薔薇色に頬を染めて喜ぶヴィオレット。これくらいの年齢の女の子はよく分からん。

 さっきまで落ち込んでいたと思ったら、今度は香水や石鹸1つで嘘みたいに元気になる。

 不思議だな。まぁ落ち込んでるよりは良いだろう。

 「コノはなならタクサンはえているトコロをしっていマス。ごあんないシマスカ?」

 「いや、ここにある分だけで十分だからいいよ。それよりこの花も栽培できるか?」

 「やってみマス。たぶん、できるとおもいマス」

 おお、心強いな。ゴリの顔は強面で怖いが、ヒアリスの可憐な花を持っているとちょっとファンシーな感じだ。

 俺たちは手分けしてヒアリスの花を採取した。これだけあれば大丈夫だと思う。

 常に聴覚、嗅覚探索をしているが、特に異常はない。その後も調査を続けるが変わった事はなかった。

 ゴリに薬草が生えている所を案内してもらい、取り過ぎないよう手分けして採取した。

 取れたのは250本だ。まぁまぁ取れただろう。

 薬草も採取し終わって、一息つくとお昼の時間をかなり過ぎている事に気がつく。

 夢中になりすぎてお昼食べるの忘れた。

 「あー、ごめん。夢中になりすぎてお昼ご飯の時間を過ぎてた。そろそろ休憩にしようか」

 「はい、ご主人様。メロリはお腹が空きました~」

 メロリはお腹を擦っている。

 「どこでご飯にしようか?今から湖まで戻ると時間が掛かるし、さっきの泉の近くにするか」

 「そうですね、それがいいと思います」

 「私もそれが良いと思いますわ」

 賛同を得たので先程のヒアリスの花畑があった泉の場所まで戻り、弁当を広げる。

 今日のお弁当はパニーニみたいな感じの物だった。

 パンは香ばしく焼かれていて、具は薄切りにされた肉と、トマト、チーズっぽいのも入っている。

 これは美味そうだ。

 ゴリは所在無さげに佇んでいたので、俺の隣に座らせ半分パニーニを分けてやった。

 ゴリはまたパニーニを両手で頭上に掲げ、ありがたき幸せと大げさに言っている。

 俺はそれをスルーしてパニーニもどきに食らいつく。

 カリッと焼かれたパンが香ばしくて、次の瞬間トマトの甘さがじわじわ広がっていきしっかり味のついた薄切り肉とチーズが絡み合って美味い。チーズは地球で食べていたチーズとなんら変わりない。

 これはヒットだよ、ヒット。美味過ぎる。

 俺の半分を貰ったゴリは物凄い速さで食べていく。

 「コレはとってもおいしいデス」

 笑顔なんだろうけど、その笑顔が怖い。ゴブリンでも味って分かるんだな。

 美味い飯を食ったところで、もう少し調査をして帰りますか。

 「あと少し森の中を調査したら帰ろう」

 「「「はい、ご主人様」」」

 

 無事調査を終え、森を出た。特に敵が異常繁殖しているだとか、変わった魔物もいなかったし、ギルドには問題なしと報告すればいいだろう。

 日が傾いてきて、夕日が湖に反射して幻想的だった。綺麗なもんだな。

 ゴリに見送られつつ、帝都へ向かう。

 帰りは特に敵に襲われる事も無く、帰り着いた。

 ギルドに着く頃にはもう完全に日が落ちていて辺りは暗くなっていた。

 ギルドも一段落したのかカウンターに並んでいる人はいない。どちらかと言うとバーカウンターの方が賑わっている。

 リラさんの姿を見つけたので、そちらに向かう。

 「ただいま戻りました。森の調査の報告をしたいのですが」

 「お帰りなさい。ご無事で何よりです。では報告お願いします」

 俺は森で調査したことをゴリとゴブリン達の事を除いて報告した。特に異常は無かったし。

 「そうですか、それなら良かったです。こうやって森の調査をするのも冒険者の依頼としては大事ですので受けてくださるとこちらとしても助かります。調査はあまり人気が無くて、誰もやりたがらないんですよ」

 確かに報酬のわりには森全体を調べないといけないし、うまい仕事ではないな。

 「あと、それからまた薬草を持ってきたのでお願いします。それから魔石の買取もです」

 俺は薬草150本と魔石を取り出した。あとの薬草100本は自分用に取っておく。

 「今回も量が多いですね。少しお待ちください」

 リラさんは薬草をチェックしていく。

 「お待たせしました。今回も状態がとても良い物でしたので10本大銀貨1枚と銀貨5枚になります。それが150本でしたので、金貨2枚と大銀貨2枚、銀貨5枚になります。それと森の調査の報酬大銀貨5枚です。魔石は5個ですので銀貨5枚です。合計で金貨2枚、大銀貨8枚ですね。お受け取り下さい」

 「ありがとうございます」

 俺はリラさんからお金を受け取った。

 前回は薬草でランクが上がったけど、薬草はFランクの仕事だからカウントにならないのね。

 俺は特にランクを上げたいわけじゃないし、毎日暮らせる分だけのお金を稼げればそれでいい。

 リラさんに挨拶をしてギルドを出る。


 お腹も空いたし、早く帰ってご飯にしよう。

 そこで思い出した。ストーンバイソンの肉を焼肉にして食べようと思ってたんだった。

 流石に塩味だけじゃ物足りない。

 もう夜だけど商店街覗いてみたらやってる店もあるかもしれないな。

 「ちょっと商店街に寄りたい。急いで行こう」

 3人娘は頷いてくれたので、俺たちは走って商店街まで来た。

 夜なので、ほとんどの店は閉じているがかろうじて1軒の店が開いていたのでそこへ向かう。

 「すいません、まだやってみえますか?」

 「ああ、やってるよ。うちは夜の店用に夜開店するんだ」

 おお、それは初耳。ありがたい。

 「ペッパーって置いてありますか?それとガーリックも」

 「置いてるけど、ペッパーは高いぜ?大丈夫かい兄ちゃん」

 「大丈夫です。お願いします」

 本当はタレが欲しいけど、醤油も味噌もまだ作っていないからタレすら作れない。

 それならせめて塩味だけじゃなくてニンニクや胡椒をつけて食べたいじゃない。

 店内を物色していると、葱らしきものも見つける。葱!!!!

 「すいません、これもください」

 俺は葱を指差す。

 「リーキかい?兄ちゃん、変わった趣味してるな。これはあんまり人気の無いがたまにこれの中毒者がいて買ってくんだよな」

 中毒者?ナニソレ怖い。葱は美味いから好きなんだよ。味噌汁に入れてもよし、薬味として使ってもし、十分に焼いてとろとろになったところをポン酢で食べるのも美味い。

 「じゃあ、おまけしといてやるよ」

 そう言って店のおじさんは胡椒を少し多めに袋に入れてくれて、ニンニクやリーキもおまけしてくれた。

 しかも値切りが発動して安く買えた。おじさん、グッジョブ!

 「ありがとうございました!」

 「まいどあり!」

 ルンルン気分で店の外に出る。

 「ご主人様、ペッパーやガーリック、リーキをどうされるんですか?」

 レモは興味津々で聞いてくる。

 「これはね、焼肉に使おうと思ってるんだ」

 「焼肉…ですか?肉を焼くのに使うんですか?」

 「そうそう、ガーリックに漬け込むと美味いと思うんだ」

 そう思うと唾が出てくる。

 「それは、美味しそうです!でもリーキは何に使うんですか?」

 3人娘は身を乗り出して聞いてくる。

 「ふふん、それはお楽しみだ」

 俺も調理した事ないから料理本片手にやってみるしかないよな。

 後は手伝ってもらえばいいだろう。


 家に着いて、俺たちはキッチンに向かう。

 手を洗い、服まで着替えた。だって、戦闘した後の服でご飯を作るなんて不衛生じゃん。

 「レモは俺の手伝いを頼む。メロリとヴィオレットは野菜を切ったりしてくれ」

 「「「はい、ご主人様」」」

 メロリとヴィオレットは野菜を切り始める。あ、焼肉だから薄めに切ってもらうか。

 「メロリ、野菜は薄切りで頼む」

 「はい、ご主人様。これくらいでいいですか?」

 メロリは野菜を5ミリくらいの薄切りにする。うん、それでいいな。

 俺が頷くと、メロリもヴィオレットも野菜を5ミリ間隔で切っていく。

 「よし、俺たちは肉の処理だ」

 俺は無限収納アイテムからストーンバイソンの肉、内臓を取り出す。

 「レモは、内臓をしっかり洗ってくれ。洗い終わったら食べやすい大きさにカットしてほしい。俺は何とか肉を切ってみる」

 「わかりました。ご主人様」

 レモは頷き、内臓を丁寧に洗っていく。

 俺は包丁を握り締め、肉を1センチくらいの厚さで食べやすい大きさにカットしていく。

 そもそも料理なんてしたことないし、包丁なんて小学生とか中学生くらいのときに調理実習で持った事がある程度だ。

 時間が掛かるのは当たり前だよね。俺が10枚の肉を切っている間にレモは綺麗に内臓を洗い終わってカットまで終わっている。

 「ご主人様、交代しましょうか?」

 「…はい、お願いします」

 レモに肉のカットをお願いしている間に、俺は料理本を取り出してタレのページを開く。

 オーブ版ではなく、地球版だ。

 ページを捲っていると塩味ベースのタレを発見する。お、これなんていいじゃない。

 使う物は塩、胡椒、ニンニク、葱、レモンだ。

 レモンはないが、シトロンならあるので、それを代用すればいい。

 ごま油があれば尚更いいのだが、そこまでの贅沢は言わない。

 メロリとヴィオレットが野菜を切り終わったので、葱をみじん切りに切ってもらう。

 ちゃんとみじん切りで通じたので良かった。

 俺は分量を量りながらタレを作っていく。味見してみると、美味い!!!

 タレと葱、カットされた肉と内蔵を漬け込み、暫く放置する。

 その間に、鉄板を温める。パーティするときにいいかなと思って買っておいた鉄板がすぐに役に立った。

 鉄板が温まってきたので、俺は肉を1枚ずつ焼き始める。

 ジュージュー音を立てながら、焼肉のいい匂いが部屋中に充満する。

 「ご主人様、とっても良い匂いがします!!」

 「美味しそうですわ!!」

 「こんな調理法があったんですね!凄いです」

 3人とも食い入るように見ている。

 野菜も焼きながら肉を焼き、内臓もしっかり焼く。

 これはたまらんな。美味そうだ!!

 「よし、みんな立ち食いで行儀は悪いが食べてくれ。焼いて皿に盛ってると冷めて不味くなるからな」

 全員のタレを用意して一斉に「いただきます」と感謝してから食べ始める。

 まずは赤身の肉の部分から。1枚とって、タレに付けて食べる。

 筋張っていることもなく、柔らかくて噛むと肉汁が口の中に広がる。タレのにんにくがガツンを胃を刺激する。葱と絡めて食べると尚更美味い。

 次にサシの入った部分を食べると脂がじゅわっと染み出してきて、高級な牛を食べているようだ。バイソンっていうくらいだし、牛に近いのかもしれない。脂はしつこくなくあっさりしていて、いくらでも食べられそうだ。

 内臓…まずはレバーの部分だな。一口齧るとフワトロだ。独特の臭みや鉄分っぽい味はしない。焼いたからといってパサパサもしてなくて、味がある。いいねぇ、これ。俺は元々酒飲みではないがビールとか片手に飲んで食いたいよな。

 次はホルモンみたいな部分を食べる。これは!!!脂が美味い。トロトロでしかもコリコリとした歯ごたえがたまらない。しっかり下処理をしたおかげで臭みも無く食べられる。

 年齢が若返ったおかげかホルモンが超美味く感じる。35歳のおっさんの時はもうホルモンの脂がきつかったんだよな。あー、ホルモン美味いよ。

 野菜は、肉の脂を吸って美味かった。これならいくらでも食べられる。ほんのり焦げているがそれもご愛嬌だ。

 3人娘を見ると競争しながら食べているのでよほど美味かったんだろう。

 また、作ってみてもいいな。


 スキル:【調理】を習得しました


 お、手伝ってもらいながらだけどちゃんと調理したからな。スキルを習得出来て良かった。

 これを機に頑張って調理を上げてみてもいいかもしれない。

 和食や中華、洋食も食べたいもんな。

 さてと、後は風呂に入ってやることやりますか!

お読み頂きありがとうございます。

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