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第21話 魔法習得その2

 「こんな感じよ。じゃあヴィオレット、貴女からどうぞ」

 モランディオさんに促されて、ヴィオレットも頷く。

 詠唱を始めて、天使のポーズをし、魔法を発動させる。

 「風の刃ウインドカッター

 ヴィオレットの杖からはいくつもの風の刃が飛び出して、草木を切り刻んだ。

 どうやらこれもまた成功したみたいだ。ヴィオレットはかなりの天才なのかもしれない。

 ヴィオレットは風属性の魔法が得意と言われただけあって威力も結構あった。

 凄いな。

 「うん、やはり風属性は得意みたいね。じゃあ次は君ね」

 よし!さっきの失敗をしないように人のいない方にやらないとな。今度はちゃんと手加減もする。

 「風の刃ウインドカッター

 俺の杖からは無数の風の刃が飛び出し、モランディオさんの家に当たった。

 ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリドカーン!!!

 「「・・・」」

 「きゃあー!!凄いですわ!!ご主人様!!」

 ヴィオレットの能天気なはしゃぎ声が響き渡る。

 無数の風の刃が少しずつ石の壁を削ってとうとう壁を突き破り穴が開いてしまった。

 おかしいな、手加減したはずなのに…風通りのいい家になっちゃったよ。

 「私の家があああああっっっっ!!!!穴が開いちゃってるわ!!!!」

 ですよね…。どうしたらいいのこれ。大工さんとか呼んでこないと駄目だな。

 モランディオさんは穴の開いた壁から家と外を出入りしながら穴を見ている。

 まずは謝罪だよな。だって、家に穴開けちゃったんだから。

 「本当にすいません!!!」

 俺は直角90度に頭を下げる。

 「直すからいいわ。待ってて」

 直す?こんな大きな穴が開いてるのに?どうやって直すの?

 「土の壁グランドウォール

 杖から土みたいなのが飛び出し、穴の開いた壁をどんどん埋めていって数分後には元通りになっていた。


 スキル:【土魔法】を習得しました


 へぇ、次は土魔法を習得しちゃった。

 土魔法って結構地味で使い道あるのかと思ったけど、使いようによっては非常に強い魔法かもしれないな。

 「ふぅ、ようやく穴が塞げたわ。それにしても本当に威力が凄いわね。将来がとっても楽しみよ」

 モランディオさんは汗を拭いて、一息ついている。

 あれだけ丸焦げにしたり家にも穴開けても動じないこの人が一番凄いと思ったよ。

 「そういえば、魔法ってどれくらいの種類があるんですか?」

 色々と習得させてもらったが、他にどんな魔法があるのか知りたいよね。

 「ああ、説明してなかったわね。えっと火、風、水、土、闇、光、空間、時空、神聖があるわ」

 そんなにもあるのか。今、俺が習得したのは火、風、水、土、神聖だ。後は闇、光、空間、時空が習得出来ていない。

 「火、風、水、土は基本の属性だから比較的習得しやすいわ。でも、闇や光は扱える人が限られてくるし、空間もなかなか難しいと思うわね。時空に関しては失われた魔法といってもいいわ。神聖はさっきも言ったけど神官のもしくはシスターの修行が必要になるわね」

 ふむふむ、そうだったのか。そういや、光と神聖魔法ってイメージ的に一緒な気がするんだけどどう違うんだろう?やっぱりそういうことも聞いておかないとな。

 「光と神聖魔法の違いって何ですか?」

 「光魔法は攻撃系の魔法で神聖魔法は回復系の魔法ね。どちらも聖職者が得意とする魔法なの。ちなみに私も本当に簡単な光の魔法なら使えるわ。」

 そう言ってモランディオさんはまた詠唱を始める。

 「照らす光ライト

 光が俺達の周りを照らす。明るくて夜に歩くのに良さそうだ。


 スキル:【光魔法】習得しました


 おお、また習得出来た。ありがたい。

 きっと普通はこんなに簡単に習得できないんだろうけど、神眼のスキルがあるおかげで全く俺は苦労してない。チート万歳!最高です!

 「こんな感じね。これは死霊アンデッド系によく効くの。光魔法はそれなりに頑張れば習得出来るけど、まだ君達には難しいと思うわ」

 ありがとうございます。これで闇、空間、時空以外は覚えれたぞ!

 「モランディオさんって本当に凄い方なんですね!!魔法初心者でもこれはただ事じゃないって思います」

 これは本気の言葉だ。モランディオさんは凄いと思う。

 「お褒めに預かり光栄よ。じゃあ気分が良くなったからもう一つ魔法を見せてあげてもいいわ!」

 え?この人まだ使えるの?

 「瞬間移動テレポーテーション

 ポーズを決めたモランディオさんが次の瞬間には屋根の上にいた。

 おおおおお!!!これは!!!凄い!!!

 カッコイイじゃないか!!!


 スキル:【空間魔法】習得しました


 さっき空間魔法は難しいって言ってなかったっけ?

 「これはもう私の血と汗と涙の結晶よ。ようやく使えるようになったの!これを習得するまでに少なくとも20年は掛かったわ」

 そんなに苦労した魔法を俺に見せてくれてありがとうございます。

 おかげさまで空間魔法まで習得できました。チートで本当にすいません。もう一度心の中で謝ってこう。


 「それじゃ各自で練習してみて。その間に私は少し休憩してるから」

 モランディオさんは家の中に戻っていった。

 俺とヴィオレットは各自で魔法を発動させる。

 俺のMPは100万あるから全く問題はないし、奇跡の腕輪を装備しているので毎秒MP1ずつ回復しているからほぼ無限だ。

 どれだけ魔法を連発しても疲れない。

 ヴィオレットを確認してみるとMPが残り少なくなってきて、顔色がよくない。

 これは止めさせた方がいいだろう。

 「ヴィオレット、あまり無理はいけないな。とりあえず休んでこれを飲むといい」

 俺は完全魔力回復薬フルマナポーションを渡す。

 「ありがとうございます。ご主人様」

 ヴィオレットは完全魔力回復薬フルマナポーションを一気に飲む。

 するとさっきまでの顔色の悪さは消え、良くなってきたみたいだ。

 MPがあるから枯渇する辛さは俺には分からんが、顔色からしてきつそうなのでヴィオレットには魔力回復薬マナポーション完全魔力回復薬フルマナポーションを持たせてやらないと駄目だな。

 エルファン達に薬を作ってやるついでにヴィオレットのも作っておいてやろう。

 「とっても楽になりましたわ」

 「あまり無理はするなよ。ちょっとでも辛いとか思ったなら魔法を使うのを止めたほうがいい」

 「分かりました、ご主人様」

 ヴィオレットも頷いたので、安心する。

 そしてまた各自魔法の練習に戻る。

 因みに俺は赤い炎ファイア風の刃ウインドカッターしか練習してない。この二つだけモランディオさんに教えてもらったからだ。他の魔法も習得出来ているが、いきなり俺が空間魔法なんか使ったらモランディオさんの20年が何だったんだって事に陥るからだ。

 夜中にこっそり練習すれば良いと思うので今はやらない。

 ヴィオレットは風の刃ウインドカッターの練習をしている。やっぱり得意な方を伸ばしたいんだろうな。

 練習しているとモランディオさんが戻ってきて、俺達の様子を見る。

 「いい感じね。あとは水魔法と土魔法だけはしっかり教えてあげるわ。後のはまだ無理だと思うから最低でもそれだけ使えれば冒険者としては十分にやっていけるわよ」

 それから俺達は水魔法と土魔法をちゃんと習った。ヴィオレットを鑑定してみるとちゃんと火、風、水、土魔法が使えるようになっている。

 これはかなり戦力としてやっていけるんじゃないのか?

 俺もかなりいい誤算だが沢山の魔法を習得出来た。これからの冒険に役立つ事だろう。

 そしてお風呂を沸かすのが楽そうだ。これが俺が魔法を習いたかった理由でもある。

 真剣に修行とかしている人には申し訳ないけどね。

 「よく1日で習得出来たわね。凄いと思うわよ。もう私からは何も教える事はないわ。色々と辛い事もあるだろうけど、頑張りなさいね」

 そう言ってモランディオさんは俺達を送り出してくれた。

 キャラ濃過ぎるけど、めっちゃ凄くていい人だった。師匠と呼ばせてもらおう。


 さてと、結構思いのほか時間が掛かってしまったな。

 急がないとマズイ。マップで確認してみるともうレモ達は家の前にいる。

 俺達は急いで家に向かった。


 近くまでくるとメロリが真っ先に気がついて尻尾を千切れんばかりに振りながら近づいてくる。

 「ごめん、かなり待たせたか?」

 「ご主人様、おかえりなさいです!メロリ達もさっき来ました!」

 全身で喜びを表しているので、微笑ましくてつい撫でてしまう。メロリは嬉しそうだ。

 「家の契約はどうなった?もう終わったかな?」

 「いいえ、まだです。誰もお見えにはなってません。このお金はご主人様にお返ししておきます」

 レモは鞄の中から金貨10枚と大銀貨2枚と銀貨4枚と大銅貨5枚、銅貨2枚を俺に渡す。

 金貨10枚は分かるけど、後のお金は?

 「ご主人様からお預かりした金貨10枚はそのままです。お小遣いは使いませんでしたのでお返しします。食材を買いましたので、大銀貨1枚と銀貨4枚、大銅貨5枚、銅貨2枚残りました。ご確認お願いします」

 食材どれだけ買ったんだろう?1日分だけかな。しかも律儀にお小遣いは使わなかったから返してくれるって…。

 俺の15歳の時なんてお小遣い貰ったら即効で漫画とお菓子に消えてたぞ。

 同じ15歳って言ってもこっちの世界の子は本当にしっかりしてるよね。

 俺は銀貨5枚ずつ取り出し、3人に渡す。

 「「「???」」」

 3人ともお金を渡されてどうしていいか分からず困った顔をしている。

 「これはみんなへのお小遣いだ。使っても使わなくても俺にわざわざ返してくれなくていい。貯めてもいいし、買い物を楽しんでもいいし、買い食いしたりとか何でも好きなように使ってくれて構わない」

 「よろしいのですか?」

 レモが代表して俺に聞くので頷いてやる。

 「いいよ。もちろん生活に必要な物とかは俺がちゃんと出すし、それは自分の為に使うといい」

 「「「ありがとうございます!ご主人様!!」」」

 うんうん。この子達しっかりしてるし、多少のお小遣いくらいもらったって罰なんて当たらないと思う。


 「随分と待たせてしまったかい?すまないね」

 3人娘を見ながらほのぼのしてたら後ろから声を掛けられる。昨日家を案内してくれたおばさんだ。

 「いいえ、僕達も今来たところですから」

 「そうかい?なら良かったよ。そういえば契約期間を聞いてなかったね。どれくらいの日数にするんだい?」

 あー、そうか。そういや決めてなかったな。暫くこの帝都で色々と学びたいし、半年ほど借りられたらいいな。

 「180日間って借りられますか?」

 「借りられるよ。それじゃ金貨60枚だが、サービスで42枚でいい」

 おお、家賃にも値切りが発動するんだ。ありがたいけど。

 「では、金貨42枚です」

 おばさんは何度も数えて確認する。するとおばさんは懐から紙を2枚出して何やら記入していた。

 「はいはい、確かに。それじゃこれは契約書だよ。契約書のここに2枚ともサインしておくれ」

 おばさんから契約書を受け取り、契約書の確認する。

 内容を確認したが何も問題なさそうだ。

 「じゃあこちらはあんたが持っていておくれ」

 おばさんは2枚の契約書のうち1枚を俺に渡す。ああ、これは控えって事なのかな?

 「それからこっちは領収証だよ」

 意外だ。こっちの世界にも領収証なんてあるのね。

 「ああ、そうそう。この家はお客さんの好きに改装や改修してもらって構わないよ。出るときに元に戻してもらえればこっちとしても何も問題ないからね」

 「わかりました。ありがとうございます」

 「これが鍵だよ。180日後にまたこちらに来るので契約を伸ばすか切るかはその時に決めておくれ」

 おばさんはそれだけ言うとさっさと立ち去ってしまった。相変わらず速いな。


 「さてと、家に入ってやらなくちゃいけないことをやってしまおう!」

 「「「はい!ご主人様」」」

 俺達は意気揚々と家の中に入った。

お読み頂きありがとうございます。

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