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第19話 買い物

今回は少し長めです。

評価してくださった方ありがとうございました!ブックマークしてくださった方もありがとうございます!励みになります!

 「そうと決まれば、そろそろ寝て明日に備えよう」

 「「「はい、ご主人様」」」

 3人とも良い返事なので俺も頷いてベッドに入ろうとするとレモが真顔で聞いてきた。

 「ご主人様は3人共お相手していただけるのですか?」

 「は、はい?」

 何か不穏な空気が流れ始めましたよ。何?3人共お相手って。

 「順番の事です。先にメロリからで次にあたし、その次がヴィオレットですか?」

 「な、何の順番かな?」

 「夜伽です。同じ部屋に寝かせていただけるという事は夜伽をご明示ですよね?」

 はい?え?え?え?えええええええええええええええええええええええええええ!!!!

 「お任せください。あたしは初めてでもエルファン様とミゼル様の姿を拝見してやり方は覚えてますので大丈夫です!」

 「ブーッ!!!」

 俺の考えの斜め上をいきやがった!!!!何というか、他人の見ちゃ駄目だし、あの二人何やってるの!!!!レモ、君は一体どこでそんなもの見てきたんだ!?

 「いや、俺は君達にそういうこと望んでないし、望んだとしても20歳になってからだし、もし嫌だったらそんな事絶対にしないから安心して」

 俺はどっと疲労感に襲われながらレモの両肩に手を乗せて言う。

 「え?そうなのですか?ご主人様もお若いですし、そういうことをお望みだとばかり思ってました。もちろんあたしは嫌じゃないですし、20歳まで待たなくてもご主人様なら喜んで伽をさせて頂きます」

 そんな俺の理性を焼き切るような事言っちゃ駄目!

 「嬉しいけど、自分の体は大事にしようね」

 何というか、この世界の事情は良く分からんけど、15歳はまだ早い。一生懸命レモを諭す。

 納得したのか納得してないのか微妙な顔してレモは頷いた。

 「分かりました。病気には気をつけます」

 あああ、分かってなかったーーーーーー!!!!

 「レモ、それは違うと思いますわ」

 ヴィオレットが口を挟む。良かった、理解者がいたよ。説明してやってくれヴィオレット!

 「じゃあ、どういうことなの?」

 「私達に体に傷を付けず常に体を磨き、綺麗にしておけって事だと思いますわ。いつでも伽を命じられるようにだとそう考えられません?」

 はい、違った!!どうしてそうなる!?

 「なるほど。それじゃ傷はつけないよう気をつけなければ。後は念入りに体を磨いておくよ」

 いやいやいやいや、違う。違うから。大きな間違いだから!

 「メロリも~?」

 「そうだね。みんなで体に傷をつけないよう気をつけて、毎日伽を命じられてもいいよう綺麗にしておこう」

 メロリにそんなこと教えないで!!ってかメロリに夜伽の事教えたのあれ、ドリーさんじゃなくてレモか!?

 何か眩暈がしてきた。もういいや。とりあえず寝よう。

 「とにかく夜伽はしないから!ベッドは二つしかないから片方に俺とメロリ。もう片方にはレモとヴィオレットで寝てくれ」

 「「「はい、ご主人様」」」

 ぐったりとしてベッドに横になる。

 疲れたのかすぐに眠り込んだのだが、やっぱりお約束のメロリの寝相でベッドを落とされた俺は結局また朝まで眠れなかった。くそぅ。



 翌日俺達は宿を引き払い、まず冒険者ギルドに向かう。

 魔法使いを紹介してもらうためだ。

 朝なので人もかなり多い。順番に並んでいると、レティナットさんに声を掛けられた。

 「あら、リュートちゃんじゃない!今日は依頼受けるの?」

 「おはようございますって、どうしたんですか?その青あざ!」

 挨拶をしようと思ったら顔を見て驚く。

 いつもケバイ化粧はもちろんだが、目の周りが青あざになっていて腫れている。

 「酷いでしょ~!?スティナったら酷いのよ。この天使のような美しいアタシの顔にこんな青あざ作ってくれちゃって。もうお嫁にいけない~。リュートちゃん、アタシをお嫁に貰ってくれない?」

 「お断りします」

 即効で断る。いや、ないわ。何でこんなピンクパイナップルお化けと何が悲しくて結婚せねばならんのだ。

 「ヤダ、意地悪。でもそんなところもリュートちゃんの魅力かしら?」

 「ところでその青あざスティナさんにやられたんですか?あの華奢な女の人なのに?」

 俺はさらっと話題を変える。

 「リュートちゃんは知らなかったかしら?あの子格闘術の師範なのヨ」

 そうだったのか、それでもバケモノのようなレティナットさんに青あざを作るって事は相当強いんだろう。いつか教えてもらってもいいかもな。

 「あ、そうだ。レティナットさん、魔法使いを紹介してくれませんか?俺と新しく仲間になったヴィオレットが魔法を覚えたいんです」

 ふーむとレティナットさんは考えているみたいだ。どうにかして教えてもらわないと。

 「いるわ。紹介してあげれる魔法使いがいるわヨ。メモしてあげる。ここからそう遠くはないと思うから行ってみて」

 レティナットさんはサラサラと地図みたいなのを書いて渡してくれた。

 「ありがとうございます。あ、それからモゲタラどうなりました?」

 レティナットさんに聞くと、それはもう凄い笑顔で…

 「今、可愛がってる途中なの。ウフフ…」

 恐ろしいものを見た。モゲタラ…お前に同情するわけじゃないが、ご愁傷様。

 「それじゃあ、紹介された人のところへ行ってきます」

 「もう?行ってらっしゃい。そうそう、魔法を教えてもらうならローブと杖は持っていったほうがいいと思うわヨ」

 レティナットさんは手を振りながら教えてくれた。色々と思うところがあるが結局はいい人だなって思う。後で商店街に行くつもりだからそこで揃えよう。


 商店街に移動してレモやヴィオレットの生活必需品と、家具や調理器具など必要なものを買い揃えていく。全てダミーの魔法の鞄に入れるが問題無くしまえた。

 後はレモの鎧と短剣と、ヴィオレットのローブと杖だ。ローブは黒の魔王の法衣ローブがあるから良いけど、杖は俺も買うことにする。

 賢者の杖があるがあれも、初心者が持っていていい物じゃない。

 先にレモの鎧と短剣を買う為、ドルムさんとガルムさんの所へ向かった。

 まずはドルムさんの武器屋から入る。

 「らっしゃい、お?リュートじゃねぇか」

 「おはようございます、ドルムさん。今日はこの子の短剣を見せてもらいに来ました。あと良ければ手入れもお願いします」

 そう言って俺は鋼の剣とメロリの槍を出した。普段はメロリの槍も俺が預かって鞄の中にしまっている。

 「はいよ。うん、どっちもうまい事使ってくれてるみたいだな。ちょっと待ってろ。すぐに手入れしてやる」

 ドルムさんは剣と槍を店の奥へ持って行き、そんなに時間も掛からないで戻ってきた。

 「これで、いいと思うぜ?それとこっちの嬢ちゃんの短剣だな?これとかこれなんぞいいんじゃねぇか?」

 取り出してきたのは2本の短剣だが、1本が鋼の短剣で、もう1本が退魔の短剣だった。

 鋼の短剣は品質が高級品だ。退魔の短剣も品質が高級品で性能に魔を退けるとある。悪魔系、死霊アンデッド系に効力を発揮するらしい。いいな、これはお買い得だろう。

 「レモ、一旦ちょっと手に持ってみて良さそうだったら買おう」

 「はい、ご主人様」

 レモは頷いてドルムさんから短剣を2本受け取る。

 どちらも手に取り振ってみたり、構えたりして確認しているみたいだ。

 「どちらも凄く良い物だと思います。どちらかに絞るのは難しいのでご主人様が決めてください」

 「え?どっちも買ってレモに渡すつもりだけど?」

 え?だって、昨日レモ「猿族は器用だから両手で攻撃出来る」って言ったじゃん。

 「え?宜しいのですか?この短剣1本でもとっても高い物だと思いますが。奴隷にそんなにお金をかけて装備させるご主人様はあまりいないかと…」

 あー、なるほど。高い短剣だから1本しか買えないと思ったんだな。

 今のところお金には困ってないし、それでレモの身が守れるなら安い物だ。

 「そんな事は気にしなくていいよ。ドルムさん、こちらの短剣2本頂いていきます」

 「まいどあり。始めは高いと思うかもしれねぇが、自分の身を守るもんなんだ。そのうちこれの良さが分かってくるとオレは思うぜ?」

 ドルムさんはレモに短剣を渡す。

 「はい、この短剣に恥じないようあたしも腕を磨いて頑張ります」

 短剣を受け取り、2本とも構えるレモ。様になっていてカッコイイ。

 忘れかけた厨二病を呼び起こすような感じだ。レモがスキルを覚えたらそれを見せてもらって、俺もやってみたい。

 剣を2本構えるのを想像する。うん、やっぱりカッコイイ!!

 「後は弓も見せてもらってもいいですか?」

 「それならこいつやこれなんかはどうだ?」

 出されたのがショートボウとロングボウだ。

 どちらも良さそうだったので購入する。レモと俺で使ってみてもいいだろうと思ってだ。

 「弓を買ったなら矢もいるからな。今回はサービスで20本ずつ付けてやるよ。まぁ、使い捨てでは勿体無いから回収するといいと思うぜ」

 そりゃそうだ。確かに弓矢だって数に限りがあるし、買い足すことも必要だろう。

 「ありがとうございます。助かりますよ」

 「いいってことよ。また手入れしに来いよな!」

 お金を払い、ドルムさんにお礼を言って店を出る。


 次はお隣のガルムさんのお店に入った。

 「らっしゃい。おお、リュートじゃねぇか」

 ドルムさんもガルムさんも双子らしく同じような話し方をする。

 「おはようございます。今日はワイルドボアの皮を持ってきたので、この子の鎧を作ってもらってもいいですか?」

 俺はワイルドボアの皮を取り出して、ガルムさんに渡す。

 「いいぞ。へぇ、こいつはいい皮だな。綺麗だし、傷も付いてない。上手く剥ぎ取ったな」

 ワイルドボアの皮を見ながらガルムさんは感心している。

 そんなガルムさんの言葉を聞いてメロリはペタ胸を張ってちょっとドヤ顔している。

 微笑ましいな。

 「それはメロリが解体して剥ぎ取った物なんですよ。俺も見てましたが、手際が良くて感心しました」

 「犬族の嬢ちゃんが?いい腕してるな。こいつはかなり上物だと思っていい。これならいい鎧を作ってやれるぜ」

 ドルムさんは皮を手にして職人らしい顔付きになる。

 「採寸するから、猿の嬢ちゃんこっちに来てくれ」

 ガルムさんはレモを呼んで採寸していく。慣れているのか仕事が速い。

 「そうだな、明日の朝には出来上がると思うぜ。持込だから格安にしておくな」

 え?そんなに早く出来るもんなの?しかも金額がかなり安い。俺達が買った半額くらいだ。

 「いいんですか?」

 「ああ、いい皮だしな。残った分は貰うがいいか?」

 「それは、大丈夫です」

 俺は頷いた。端切れみたいなのを貰っても困るしな。

 「それじゃ明日の朝、取りに来てくれ」

 ガルムさんはそれだけ言うと嬉しそうに皮を持って店の奥に行ってしまった。

 職人とはこういうものだよな。無愛想で良い物だけを作ろうとする拘りとかね。

 お金を支払い、外に出たがそういやローブとか杖ってどこで売ってるんだっけ?

 ドルムさんやガルムさんのところには置いてなかったけど。

 うーん。杖とかローブって魔法使いが持つ物で…あ!もしかして魔法商品マジックアイテム屋か?

 あそこか…。あまり良い思い出がないが帝都にはそこしか魔法商品マジックアイテム屋が無いので諦めて行くしかないか。

 「次はヴィオレットのローブと杖を買いに行くか」

 「「「はい!」」」

 返事イイよね。ほんと良い子達だと思うわ。今時こんな良い子達を地球で探したら、なかなか見つからないんじゃないか。

 微妙な事で感心しつつ、魔法商品マジックアイテム屋を目指す。

 

 「いらっしゃい…ませ!!!!これはこれはあの時の貴族のお坊ちゃまではございませんか!今日は何をご要望でございますか?」

 俺の事を覚えていたらしい。猫なで声で手をすり合わせながら近寄ってきたので思わず鳥肌が立った。

 こんな奴に敬語を使うのは馬鹿らしいし、貴族と間違えてるなら横柄な態度でも許されるだろう。

 「この子のローブと杖を2本。あと魔法の鞄を3つ頼む」

 手短に答えると、店主はすり合わせていた手をぴたりと止め固まる。

 「ん?聞こえなかったか?ローブと杖を2本、魔法の鞄を3つだ」

 もう一度言うと、店主は目を輝かせて飛び上がらんとする勢いだ。

 「少々お待ち下さいませ!ただいま持って参ります!!!!」

 店主は物凄いスピードで俺の前にローブや杖、鞄を何点か並べてきた。

 ふむ、店主が色々と説明してくれるが俺には鑑定があるので問題ないので無視する。

 一つ一つ鑑定して良さそうなのを選んでヴィオレットに聞いてみる。

 「ヴィオレット、これなんかはどうだ?」

 俺が選んだのは瑠璃色のローブで魔法防御力UPと防御力UPの性能つきだ。

 「まぁ、素敵ですわ!わたくしの髪にも映えてとっても素晴らしいと思います。ご主人様に選んで頂いたのが一番気に入りましたわ!」

 どうやら気に入ったらしい。ローブを自分に当ててくるくると回っている。

 こういうところはまだまだお子様で可愛いところだよな。

 次は俺とヴィオレットの杖だ。

 杖も一つずつ鑑定し、魔力UPの杖とMP消費半分の杖があったのでこれもヴィオレットに先に選ばせてやる。

 「どっちの杖がいい?手に取って見てみるといい」

 俺は2本ともヴィオレットに渡すと、随分悩んでからMP消費半分の杖を選んでいた。俺は選ばなかった方の魔力UPの杖にする。

 あとは魔法の鞄だが、これは3人に好きなのを選ばせてやろう。

 毎回俺がみんなの武器を出したり、解体した敵の素材を入れるのが面倒だからだ。

 「この中から好きな鞄を選ぶといいよ」

 「「「!!??」」」

 3人とも俺の方を向いて固まった。

 え?何か俺不味い事言った?

 「あの、ご主人様…どういう意味でしょうか?」

 レモが恐る恐る聞いてきた。

 「え?毎回俺が武器を取り出してあげるのは大変だし、自分で管理した方が良いだろう?それに物を持って移動するのは大変だから鞄があると便利じゃない」

 「ご主人様、この鞄のお値段は分かっていらっしゃいますか?」

 そりゃ俺も買ってるから知ってるよ。金貨300枚だったのは覚えてる。

 「金貨300枚だろう?」

 3人は体をガタガタ震わせて話し合っている。

 「あの、奴隷に金貨300枚のマジックアイテムを持たせるのはどうかと…」

 え?そうかな?自分で管理してくれないと俺が面倒なんだけど。

 「それって持ちたくないって事?」

 3人とも今度は横に首を振っている。疲れないのか?首痛くなるだろ。

 「と、とんでもないです。ただ、こんな高価な物をあたし達持っていいのかと思って」

 メロリもヴィオレットもブンブンと頷いていた。

 「もちろん、いいよ。俺だけ便利な物持ってるのってずるいしな。さあ、好きなの選んで」

 鞄はどれも俺が買ったのと同じような物ばかりなので問題はない。

 「メロリはピンクがいいです!」

 「あたしは黄色かな」

 「私はこの薄紫色のがいいですわ」

 どうやらみんな決まったようだ。

 「では、これを全て貰う。いくらだ」

 「は、はいっ!!!ただいま計算いたしますのでお待ちください!!」

 慌てて店主は計算をし始めた。計算する手が震えている。大丈夫か?

 「合計金貨2200枚ですが、ここはサービスで1540枚で結構でございます」

 ん?かなりがっつり値引きされたな…ああスキルか。ドリーさんの所で習得できた【値切り】が上手く作用したらしい。しかも3割引とはかなり大きいな。

 金貨1540枚持ってるけど出すのが大変だから白金貨でも良いんだろうか?

 「支払いは白金貨でも構わないか?」

 「も、もちろんでございます!!」

 店主は指紋がなくなるんじゃないの?ってくらい手をすり合わせて頷いた。

 「では白金貨15枚と金貨40枚だ」

 「確かにお受け取り致しました!」

 店主は丁寧に数えて、確認したみたいだ。

 「またのご来店をお待ちしております!!!」

 直角90度のお辞儀をされながら俺達は店を出た。

 何だか3人ともぐったりしているが大丈夫だろうか?

 「何か疲れているようだが大丈夫か?」

 そう訊ねたら「それはご主人様のせいです」と言われた。どういう意味だろう?

 さてと装備も揃ったし、腹ごしらえして魔法使いのところへ行くか!

お読み頂きありがとうございます。

今回魔法を習得させるつもりが思いのほか長くなってしまって次回になりました。

話を書くのって難しいですね。

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