死の恐怖
例えば―「明日、おまえは死ぬ」と言われたら、人はどんな反応をする?
冗談と思い話を聞き流すだろうか?
それとも本気で我が身を心配するか?
あたしは、後者だ。
根拠のない言葉だとしても、あたしはきっと恐怖する。
きっとその日はまともに家から出れないだろう。
死ぬのは怖い。
別に瀕死の重傷を負ったとか、そんなたいそうな経験はない。
ただ、死というのが怖い。
だけど。もし、誰かに「明日、おまえは死ぬ」と言われたら、それは幸せな事だ。
明日死ぬ。言い換えれば、自分の死ぬ日が分かったわけだ。
それは、とてつもない幸福ではないか?
今日を使い、最低限やりたい事、やり残した事を出来る。
でも。現実は誰も、明日死ぬ事を教えてはくれない。
いつ自分が死ぬのか。それに恐怖しながら生きる事は本当の意味で幸福なのか?
あしたは今、本当に幸せか?
良き友人に、良き親に、良き環境に囲まれているあたしは今、本当に幸福か?
誰も、あたしが明日死ぬことを教えてくれない。
あたしは、それが死ぬことよりも恐ろしい。