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ガラスの三日月

作者: 秋葉竹





みせたこともない

真剣なひたむきさで

青みがかった夜空を

みあげている


昔憧れてたあのひとの

泣き顔をみたことがあって

もう僕でよければぎゅって

抱きしめてあげたかった

なにがあったのか

聴かせてほしいんだ

とか云って優しく髪を撫でて


みせたこともない

真剣なひたむきさで

青みがかった夜空を

みあげている


全てを諦めたあのひとの

笑顔をそれでも好きだと想った

寂しさが立ち止まっているだけの

いつもと違わないその日常風景のなか

なぜ笑っているのか

教えてほしかった

そんなの無理だと知っていながら


みせたこともない

真剣なひたむきさで

青みがかった夜空を

みあげている


いつもぐるぐる回ってばかりで

本当のエアリアルなんかに

辿り着けるはずもなく

それでもガラスの三日月が

天空に突き刺さるのをみている

それはみつづけていては駄目だと

真剣な声で止めるものもある


みせたこともない

ハヤブサのようなまなじりで

ガラスの三日月を

みあげている


わざと知らないふりでもして

突然の祈りでもあるかのように

軽く手首を振って断るつもり

あなたのことを好きになるなだって

なんの聖域があるから

それになんと意味があるから

そんなこと云うの?

もう僕に火はつけられてんだ

怖いけど

だからといって

退くわけにはゆかない道ゆき







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― 新着の感想 ―
[良い点] >みせたこともない 真剣なひたむきさで 青みがかった夜空を みあげている ちょっと怖いけど火がついてしまっている、、 その気持ちがいつもとちがう 真剣さに胸の奥へ 語りかけられまし…
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