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風来、女ひとり  作者: 頭いたお
一。
10/24

10.茸

「こいつは食える。こいつは食えん」



 イワンに従い、龍を探す。

 探すついでに、食える草木を教えてもらう。

 特に茸は助かる。目眩は嫌いだ。



「この茸は食える。美味いぞ」


「ああ、それは食った。美味かった。茶色は食えるのだな」


「食えん茶色もある」


「困る」



 食える茶色と、食えない茶色。

 違いが判然とせん。傘が微かに違うようだ。

 皆目わからん。



「こいつは食えん」


「赤茸か。そいつは食えん。知っている」


「ああ。一口でも食えば死ぬ。気をつけろ」


「死なんかったぞ」


「お前はおかしい」


「そうだろうか」



 食い合わせの妙だろう。

 鮎もどきが利いたと見た。解毒魚として覚える。

 どんな形の魚だったか忘れた。困る。



「こいつは食える」


「赤いじゃないか」


「赤くとも食えるのもある」


「分からん」


「覚えろ」



 色の判別は駄目だ。

 形の判別も駄目らしい。

 色と形の二種を用いて判別しなければならぬ。

 茸は難しい。



「これなら簡単だろう。この白い茸だ。似ている奴は少ない、覚えろ」


「心得た」



 網に茸を並べ、塩を振って、二人で食った。

 美味い。じわじわ出てくる汁が、また美味い。

 干し肉も貰った。塩の味だ。美味い。



「極楽、極楽」


「よし。探すか、ドラゴン」


「ああ、行こう」



 龍の居処を見つけたら、仲間を集め、屠るという。

 無論、私も協力する。龍と対峙できる幸運、逃すはずもない。

 しかしイワンは頻りに心配している。



「お前、小さいのに本当に戦えるのか」


「戦える」


「小さいんだから無理するな」


「うるさい」



 龍は居らず、二羽の兎を仕留めた。

 晩には兎と茸と、パンを馳走になった。

 極楽、極楽。


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