表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ホラー

実話 幼少期の法事

作者: イトー
掲載日:2023/01/17

 これは幼かった頃の私が体験したものらしく──らしくというのは家族に後から聞かされたものなので──今も親戚中で語られている不思議な話だ。


 その日、当時3才くらいの私は家族と外出した。

 親戚の法事があったのだ。

 父は風邪で寝込んでいて、祖父母、叔母、母でお寺へ向かった。


 墓地でお参りをしていると私の姿が見えなくなったらしい。

 家族が探すと、お寺の隣にある小さな公園で1人ブランコをこいでいた。


「黒い着物のおばちゃんが遊んでくれてた」


 法事の参加者は公園には行っておらず、他にお墓参りしている人も見当たらない。

 だが町中のお寺である。

 近所の誰かしらが子供と遊んでくれていたのだろうと、家族は私を連れて帰路についた。


 そこから私がずっと何かに怯えていたのだという。

 聞いても答えず、こわいこわいと言うばかり。

 知らない場所に来て、見慣れない風景に不安を感じているのだろうと家族は気にしなかった。


 帰りに家族と親戚で日本料理屋に寄り、夕飯をとることになった。

 そこでも私はしきりにこわいこわいと母に抱きついたまま離れなかったのだそうだ。

 その店の壁には鬼の面や妖怪を模したらしき土産物などが飾ってあり、それを怖がっていると皆は思ったらしい。


 それから家に帰ると、今度は普段寝ている2階の部屋、父が寝込んでいる部屋に絶対に行きたくないと泣きわめいたらしい。


 今日はずっとどうしたのと母が聞くと、私はこう答えたのだそうだ。


「だってお寺から黒い着物のおばちゃんがずっと付いてくるんだ。車に乗ってるときは、車の外に座って(車外に浮かんでいて)いて、食べ物屋さんでも部屋のすみっこに立ってずっとこっちを見てた。家についたら、そのおばちゃんが玄関から2階に向かって階段をひゅーって飛んでいったんだよ」


 すごく真っ白い顔だったと私は怖がり、階段に近づくだけで絶叫するように大泣きし、その晩は1階で母と寝ることになった。

 翌日、そういったものは見えなくなっていたらしい。


 法事でお墓参りをしたのは、親戚のおばさんの三回忌か七回忌だったのだ。


 父は小さい頃にそのおばさんにとても可愛がられていたらしい。

 わざわざうちまで来たのは、風邪で法事を欠席した父の顔を見に来たのではないか。

 と、親族の間では、そういうことになっている。 

 以前、動画サイトの怪談に提供したこともあるエピソードです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ