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彩られる作品【仮】  作者: 三愛 紫月
【蛹は、蝶の夢を見る】TVで流れてる映像作品
13/135

⑥

「いつまで、喋ってんの?小太郎」


南条は、わざと電話の主を怒らせようとする。


『こた、さっきのやつといんのかよ?』


「う、うん」


『早く来いよ。こたは、俺の専用だろ』


「いけないよ」


『ふざけんな、早くこい』


「ダメだよ。南条さん」


「小太郎、電話長過ぎ」


南条は、わざと小太郎のシャツのボタンを外す。


『何してんだよ。こた』


「南条さん、ダメだって」


「小太郎、集中して」


『こた、お前何考えてんだよ』


その言葉に、南条がスマホを取った。


「南条さん」


「さっきから、俺達の邪魔しないでくれるかな?小太郎いらないって言ったくせに、調子にのってんじゃねーよ。」


南条は、わざと切らずにソファーの下に落とした。


「南条さん」


「衛だから」


「衛……。」


「小太郎、俺が幸せにしてやるから」


南条は、わざとらしくチュッチュッと音を立てながら小太郎にキスをする。


「ハァー、んんっっ」


「小太郎、可愛い」


南条は、小太郎の首筋にキスをする。


「衛」


「これから、小太郎は俺のだ。」


南条は、小太郎と肌を重ねる。


「ハァー、ハァー」


「凄いな、小太郎。ヤバイわ」


南条は、小太郎の髪を撫でる。


「スマホ」


そう言われて、南条が拾い上げた。


「切れてる」


「だろーな、ごめんな。無理矢理したな、強姦だな」


朝倉は、首を横にふった。


「無理矢理じゃない。嬉しかったから」


朝倉は、南条が手を握りしめた、あの瞬間から本当は、心臓がドキドキしていた。


「小太郎にするのは、勿体なくない。俺は、ずっと繋がっていたかったよ。」


南条は、小太郎の髪を撫でる。


「僕、隆二しかしらないから下手くそだったでしょ。ごめんね」


「謝るな。スゲー、よかった。俺から放れられないようにしてやるから、さっきの奴は忘れろよ。」


「南条さん」


「だから、衛だよ」


「衛、でも、僕達。出会って一日目だよ」


「そんなの関係あるか?」


南条は、朝倉を抱き締めた。


「どれだけ一緒にいたって恋に落ちない事だってある。俺は、小太郎に一瞬で恋に落ちた。それって素敵な事だろ?」


南条の話し方を聞いて朝倉は本当に恋に落ちたんだと感じていた。


南条は、出会った時よりも言葉に感情が伴っていた。


「もう、隆二の玩具に戻るのは嫌」


「小太郎は、それだけでいいんだよ。好きとかじゃなくていいんだよ。」


南条に、そう言われてホッとしていた。


好きになってくれと言われるよりよかった。


ただ、隆二の元に行きたくない。


それだけでいいのなら、南条に甘えてみたいと思った。


「それでいいなら、衛の傍にいさせて」


「いいよ。俺と一緒にいよう。」


まだ、人を好きになるのが怖い。


南条に、いらないと言われたら…


そう思うと、体は奪われても心までは奪われたくなかった。


「衛、僕は子供は産めないよ」


「そんな事、気にしてないけど。」


南条は、朝倉から離れて、氷が溶けたウィスキーを飲みながら笑った。


優しい笑顔だ。


「欲しいって思った事は?」


「欲しいなら、男に手なんか出さないよ。俺は、好きになった人が好きだ。だから、その人が抱えてる闇も光も、全部全部好きだ。」


そう言って、朝倉をジッと見つめる目に、心臓がドキリとする。


「凄いね。衛は、ちゃんとしてる」


「当たり前だろ?いい加減な気持ちで、相手に手を出すわけないだろ?それに、体から始めた事なんて小太郎が初めてだよ。でも、さっきの電話の相手の声聞いてたら止められなかった。小太郎を傷つけられたくなかった。だから、時間なんかぶっ飛んで。押し倒してた。ごめん」


照れくさそうに俯いた南条を抱き締めていた。


「ううん、いいんだよ。僕もそうされたかった。それが、衛でよかった。1人でいたくなかった。」


あの瞬間を見た時から、誰かに抱き締められたかった。


それが、南条でよかったと朝倉は心底そう思った。


南条も朝倉を抱き締め返す。


二人は、互いの温もりを確認するようにきつく抱き締め合う。



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