追憶の果て
おれがこの世に
生まれて以来
学校や職場などで
いろんな人たちとの
出合いと別れを
繰り返してきた
今となっては
その大半の
人たちは
どこで何をやっているのか
分からない
もっと言えば
生きているのか
死んでいるのかすら
分からない状態だ
今まで知りあった
人たちの中でも
何か夢を持って
頑張っていた
連中もいたが
おれが知っている限り
その夢が叶ったとか
成功したとかの
噂話すら
耳に入ってこない
要するに
夢を持って
頑張っていた
連中のほとんどが
その夢が
叶うことなく
終わってしまったの
だろうな
おれが救われて
いるのは
未だに何にも無いが
夢や希望もあるし
可能性だけは
残されている点だ
50歳近くになる
いい歳した
中年のオヤジが
ミュージシャンになって
成功したいとか
みんなの前で
口走れば
バカか気違いかと
思われるだけだが
作家になりたいと
おれが吹聴しても
バカにしたり
失笑する奴は
一人もいない
たとえ他の人がムリでも
おれは生きているうちに
成功したい
大成功したい
他の連中みたいに
失敗して
哀れな老後を
送りたくない
みんながおれに
期待して
いる通りに
大成功したい
他の連中のように
哀れな姿には
なりたくない




