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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第二章
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ルナマギア特別開発室-研究記録その2-

 日野中佐が連れてきたのは先程の軍人たちとは違う。歴戦の猛者的風格を持った人間が複数人出て来た。

 技術団代表の飛山(トビヤマ)が前に出てきて応対を始める。


「日野中佐。後ろの方が今回の?」

「ええ、そちらで教えてもらった鍛錬法を続け、成果が出ている人間を選出しました」

「こちらこそお付き合いいただき、ありがとうございます」


 飛山はそれぞれに太陽が押してきたジュラルミンケースを渡していく。それぞれ開けていくと、先程のモノの横にボタンが追加されていた右に一個、左に四つ。

 先程の実験も見ていた日野中佐から質問が飛んだ。


「コレに名前とかないんです?」

「現在考え中ですね。候補としては『魔導式瞬間着脱軽鎧』か『金甲』、『楯無』、『ライドアーマー』等。うん、悩みますね」

「そうか。納得のいくのを考えておいてくれ」


 日野中佐は途中から自分の世界に入り始めた飛山を置いて、中身を装着した部下の方へ行く。そして自らも受け取った物を装着する。


「じゃあ、飛山に代わりまして月隠が説明を始めます」


 太陽は飛山を放って置いて、代わりに説明を始める。


「こいつは先程までの物を改良し、能力はそのままに負担を軽くしたものです」

「それはすごいな」

「では、事前検査で適応したIDカードを渡します」


 太陽は金属製のカードをそれぞれに渡す。そこに書かれている絵柄も先程の蟻ではなく、様々な動物が幾何学的に描かれていて、カード自体も様々な色に分かれている。


「じゃあ、それをホルダーに入れて、左側を押し込んでください」


 太陽に指示されると全員がIDカードをバックル部分に差し込む。入れ終わると恐る恐るといった様子で左側を押し込むとカチッとはまり手ごたえがある。すると、液状の何かが噴出して全員の身体を包み込む。今度は全員御揃いではなく、それぞれ色も形も違っていた。ゴリラだったり、ライオンだったり、狐だったりとその形は多種多様であった。


「さっきとは打って変わって種類が豊富だな」

「IDカードを変えられましたからね。蟻のカードは能力がシンプルな分負担も少ないですから。能力の上昇幅も小さいし。けど、Ver2は量産の目処は立ちましたが、Ver3はまだ無理ですね。機能を追加した分、原料の量産が難しくて」

「では、試していくか」


 狼のフルフェイスヘルメットを被った日野中佐が前に出る。だいぶ、広くとられたスペースへ向かう。


「ここでやろう。太陽君頼むよ!」


 日野中佐が声をかけると太陽は黒帯で作ったエネミーの様にデカいカエルを出現させる。


「予想される制限時間は一時間ですが、戦闘も考慮すると三十分かもしれません」

「分かった。始めてくれ」


 デカいカエルはその言葉と共に兵士達に突撃する。その巨体が飛び上がり、押しつぶそうと砲弾の様に突撃していく。が、黄色いゴリラアーマーがその巨体を拳で突き飛ばす。


「す、すげぇ」


 この結果にゴリラの方が驚く。とんでもないパワーであった。


「オラよ!」


 カエルの巨体が蹴りで弾き飛ばされ、空中で軌道を変える。空中で弾き飛ばしたのはカンガルーの様な顔のヘルメットをしていた。そしてカンガルーはそのまま空中で軌道を変えて、着地する。


「武器とかないの? これ?!」

「左のボタンの中で上二回で剣、下二回で銃がでます」

「こ、こうか?」


 カエルは既に体勢を整えて、前足で近くの兵士を叩き潰そうとする。狙われたのは狐の兵士。狐は直ぐにその場から離れ、手に取った長剣で切りつける。腕力は上がったはずなのに対して効いてない。狐は剣を弄るために少し離れる。今度は勘尺玉くらいの爆発がカエルを襲う。射線から位置を逆算すると犬がいた。

 犬は銃がたいして威力を出さないことが分かると弄り始める。それを見てカエルは犬の方へ突撃する。


「ちょっと!!」


 犬はカエルの突進を蹴りで弾き飛ばす。カエルは少し怯むが構わず突撃しようとする。その出先を潰す様に牛が真正面からタックルを喰らわせ、そのまま弾き飛ばす。犬は牛が止めている間に銃の調整を完了させ火力を上げた爆炎がカエルを包む。


「すげぇ威力だな」


 銃身から放たれたのは弾丸ではなく爆炎だった。見た目は拳銃だというのにグレネードランチャーの様な火力があった。

 今度は狐が長剣を振って切りつけた、すると広範囲に電撃がまき散らされる。技術者の方にも降ってきたが全員太陽を避雷針にする事で事なきを得る。


「最後に右のボタンを三回押してください」

「こうか?」


 狼が右のボタンを三回押すと両腕が光って三本の光の爪が現れる。狼はそれを振ってカエルに直撃させると激しい閃光と共にカエルの肉体は弾けとんだ。


「お、おお、とんでもねぇな」

「お疲れ様です。左側を外してIDカードを外して、右のボタンを一回押してください」

「こ、んな、感じか」


 日野中佐は言われた通りに弄るとアーマーは外れて生身の彼が現れる。中から出て来た日野中佐は尋常じゃない程の汗を流していた。かなり消耗しているようで、息切れもしている。


「皆さんも外した方が良いですよ」


 日野中佐の様子を見ていた部下たちは慌てて装備を外す。


「お疲れ様です。お昼でも取ってきてください。午後からは別の方とやってみますので」


 太陽はお開きを通達し、全員でお昼を取りに食堂へ向かうのだった。

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