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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第二章
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競技会八日目(午後の部その6)

 太陽達の戦いはクライマックスに入っていく。拳が振るわれる度に電光と衝撃波が周囲にまき散らされ、爪が振り下ろされれば地面や空気が裂けてその爪痕を残していった。


「爆撃や銃撃が可愛く見える被害範囲ですな」

「がぁ、あっがっ、があああああぁ!!」

「意識飛んだか」

「ふっひゅー、ぐっひゅーぅー、ぁー」

「お前もかい」


 日輪と日出は理性が飛んだように呻いている。狼男のような姿や神様を模倣したような姿は体や精神に結構な負担をかける為、あまり弟たちに使ってほしくはなかったが、使ってしまったものは仕方がない。出来る事は責任もって沈めてやるだけである。


(日出は余裕がありそうだ、日輪の方をどうにかするか)


 幸いにも理性がないなら捌きやすい上に接近戦は太陽が一番得意な戦い方でもある。更に日出の方も理性が尽きかけのわりに日輪の方を狙っている。兄としての矜持がなせるのか、無意識にやりやすい方を狙っているからなのか。


(心中は知らずとも利用は出来る)


 太陽は日出の攻撃が援護になるように動いて、日輪の制圧を頑張る。日輪の方もかなり頑張っている。日輪は太陽の攻撃が直線状にあれば当たる事を学習して、攻撃モーションに合わせて自分の位置を変えていく事で直撃を避けるが、それでも余波だけでバランスを崩されていた。

 それでも日輪は太陽に近づき、鉤づめを直撃させられる様に頑張る。正直、鉄塊なら真っ二つ裂けそうなものだが、太陽には擦り傷一つ負わせられない上に、カウンターを顔面にくらって吹き飛ぶ。追撃に日出からの雷撃を受けて、大人しくなる。


「ふぅ、っう!」


 太陽には一息つく間もなく、理性を失った日出が仕掛けてきた。こっちも近接戦かかなりやれる方だが、遠くからの飽和攻撃もお手の物だ。

 しかし、太陽に雷撃を直撃させても対して聞きもしないので自然に肉弾戦をしなくていけなくなる。

 まぁ、それで挑んでも太陽の怪力を止められる訳もなく、簡単に投げられて地面にたたきつけられる。太陽はすぐさま足で追撃を仕掛けに行く、日出はそれを前に跳んで回避した。太陽の足が直撃した地面にはクレーターが出来ていて、その威力を物語っている。

 日出は着地した太陽に向かって、再度肉弾戦を挑む。今度は更に装束の方も強化されると同時に、拳と同時に放出される雷撃の電圧と電力が加速度的に上昇していく。


「楽じゃねぇよな」


 太陽は日出の攻撃の直撃を避けるように何とか捌き、余波は無理矢理耐えて懐に入って大振りの攻撃を撃たせない様にする。魔法の戦いだというのに花形競技で見せられているのは肉弾戦であった。余波で直径20メートルは破壊されているのだから、純粋なモノとは少し違うのだが。

 それはさておき、戦うのにも限界はある。日出は理性を失って体力度外視で暴れているので体力が尽きるのも早い。息切れと呼吸の隙間に出来た一瞬のスキを見計らい、鳩尾に拳を直撃させた。


「ほんと、強くなったなぁ」


 太陽はしんどそうにつぶやいて、その場に蹲るのだった。

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