競技会八日目(午後の部その4)
演習場の天候は一部分で雷雨に台風、時々岩。
太陽達の戦闘場所から逃げる日出と日輪のチームメイトは協力して逃げていた、豪雨や台風の普通の天候は気にしない。それよりも不意の落石に注意しなくてはいけないのがきつかった。
所属は違えど心は一つ。
(天候を変えられるって何?)
それぞれ分かれて敵校の旗を取りに行く。少しでもポイントに変えて自分達の勝利につなげるために
✿ ✿ ✿
太陽達のビルには十五人位侵入してきたが、入り口に配置された呪符が反応し、五人を無力化する。倒された味方を乗り越えて階段で上へと上がっていく。道中も衝撃波や電撃などの罠が張り巡らされていて。無事に太陽達の旗がある場所に辿り着いたものは三人だけだった。
「よっ」
そんな猛者も陽斗の不意打ちを鳩尾に喰らい、沈められる。
侵入者たちは切り替えも早い。武器を振って、両側から仕掛ける。首と脳天に当てて一撃必殺を狙いにいく。
「なっ!」
直撃と同時に伝わってきた衝撃は鋼鉄の柱を殴った感覚が伝わってくる。
「純二、後ろは頼むぞ」
「もうやる」
侵入者が見えた段階で、純二も接近して陽斗の後ろにいた敵選手の脇腹を殴ってそこから電撃を流して気絶させる。
陽斗もタックルで相手を弾き飛ばして気絶させた。
「何とかなったな」
「太陽から師事してもらっていてよかった」
「俺達が学んだのは結局何だったんだろうな?」
「少なくとも自分で思考して行動できる実体を呼びだせて、あんな感じのことが出来る人間、かな?」
「人間かを疑うのかい」
「少なくとも人間のできる事じゃないだろ、文字通り天地がひっくり返っている状況になっているなんて」
草原地帯はえぐり取られてひっくり返り、空中を浮遊している。しかし、それは浮遊し続ける土台もなく無事ではいられない。上から何かが激突したように衝撃が響くと上から豪雨のように土塊たちが降り注ぐ。
「人間かよ」
「さあな。神か悪魔か、何なのか」
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「どんな魔法を使えば地面が抉れて空中に浮かんで土塊の雨が降り注ぐことになるんだ?」
「最低でも神話級の人が動かないとこんな事にはならないぞ」
「そうでもないだろ、神話級の少し下くらいの力ならこれくらいできる。それでも珍しいのは変わらないが」
「珍しい人間であることには変わらないけど、あの子って実技の成績悪いんじゃなかったけ?」
吹雪は今更のように思い出した。こんな天変地異を起こしておいて彼の成績は悪い判定を受けている。学校側の測定が間違っているとしか言えないだろう。
「優秀を超越した化物、か」
「学校に帰ったら尋ねてみましょう彼の本当の能力について」
「無事に帰れたらな」
吹雪たちは十二家の人間であり、彼の事について知っている限りは本家に報告させられるだろう。知っていることなど、なんか黒い物を操っている事と体術や身体能力が優れているだけしか分からないのだ。
「報告、どうしよう………」
吹雪は今後について更に頭を悩ませるのだった。




